トリニティ、Windows 10 Mobile搭載スマホ「NuAns NEO」の開発終了を案内!Fall Creators Update配信は最終検証段階だが、ETWSやWDRTは対応せず――セキュリティアップデートは2019年まで




トリニティは1日、2016年1月31日に出荷開始した同社初のスマートフォン(スマホ)「NuAns NEO」の新規開発を終了するとお知らせしています。最新メジャーバージョンアップの「Fall Creators Update」については提供に向けて最終検証段階となっており、終わり次第配信予定なものの、対応を進めていた「ETWS(地震津波警報システム)」や「WDRT(Windows Device Recovery Tool)」は対応しないことになったと案内しています。

同社では発売から2年が経ち、搭載するOSである「Windows 10 Mobile」が開発元のMicrosoftから新機能の追加がないことなどが示唆されていることから今後、同社でも新たに開発することがないとしています。

NuAns NEOは2015年11月に発表された同社初のスマホで、当時これからMicrosoftが新OSとして普及させようとしていたWindows 10 Mobileを搭載し、Windows 10 Mobileの注目機能としてアピールされていた「Continuum for Phone」に対応するほか、背面カバーを取り替えられたり、背面カバーの中にSuicaなどのICカードを入れて“おサイフケータイ”ライクに使えるなどとして話題を呼びました。

またちょうど格安スマホや格安SIMも注目度が上がっていたタイミングでのSIMフリースマホとしても約5.0インチHD(720×1280ドット)液晶やオクタコアCPU「Snapdragon 617(MSM8952)」、2GB内蔵メモリー(RAM)などを搭載し、ミッドレンジクラスながらしっかりと使えそうな仕様となっていました。

その後も同社は最近ではICカードを読み取る同社初のUWPアプリである「TriCa」をリリースしたり、ETWSやWDRTへの対応を進めてきたということですが、Microsoftの方針やそれに伴うODMメーカーの廃業(Windows 10 Mobile向け製品のみの閉鎖を含め)などもあり、新たにWindows 10 Mobileを搭載したNuAns NEOの開発が継続できなくなったと説明しています。

また最新メジャーバージョンアップのFall Creators Updateについてはアップグレード対象機種に含まれており、現在、配信に向けて最終検証段階となっており、その検証が終われば配信を開始する予定だとしています。

さらにセキュリティーパッチは、Microsoftのサポートポリシーに沿ってFall Creators Updateが配信された場合には2019年12月まで、最終検証で問題があったなどで最終的に仮に配信されなかった場合の現行バージョンでは2019年6月まで提供される予定とのこと。

一方で、これまで対応を進めてきたETWSやWDRTへの対応についても対応する意向を示していたにも関わらず最終的に対応できずに終わったとしています。なお、WDRTに対応できなかったことからユーザーが自分でファームウェア書き込みによる初期化ができないため、ファームウェアの配布を検討しているとのこと。

ただし、ツールの提供やその他さまざまな技術的に知識が必要な作業となるため、どのようにできるのかを検討している段階だとのこと。そのため、ファームウェアの配布については提供すること自体を決定していないものの、最終的に配布するかしないかを含めて別途案内するということです。

その他、カスタマーサポートおよび修理対応は継続して提供していく予定で、終了する予定というのは決定してないとのこと。ただし、パーツの在庫状況によっては修理不能になるケースが発生する可能性があるため、その場合には都度相談したいとのこと。すでに生産工場が存在していないので、パーツを再生産することができないという状況があるということです。

今後の販売についても早ければ2019年6月にサポートが切れてしまうということもあり、1年間の保証期間を考えると、同社の今期決算月である2018年4月末にて販売を終了することとし、その前に在庫がなくなり次第、販売は終了することになるとのこと。Windows 10 Mobileを搭載した新製品の開発も今後はない一方で、新たに販売しているAndroidスマホ「NuAns NEO [Reloaded]」の開発に注力していく流れとなっています。

記事執筆:memn0ck


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