【デジカメ調査室】強力二重奏!新「LUMIX」シリーズ6機種発表


松下電器産業は2007年1月31日(水)、パナソニックセンター東京において、デジタルカメラ「LUMIX」シリーズ新製品6機種の記者発表会を行った。今回発表された製品は、世界最薄※1・広角28mm※2ズームレンズ搭載の「FX30」、世界最小※3・広角28mm・10倍ズームレンズ搭載の「TZ3」、トリプル補正搭載の「FS1」、動き認識・光学12倍ズーム搭載の「FZ8」、乾電池対応光学6倍ズーム搭載の「LZ7」、乾電池対応光学3倍ズーム搭載の「LS75」。

「FX30」は2月22日より、「TZ3」は3月9日より、そのほかの4機種は2月9日より発売の予定。価格は、オープンプライス。市場想定価格は、「FX30」が4万円前後、「TZ3」が4万5,000円前後、「FS1」が3万円前後、「FZ8」が5万円前後、「LZ7」が3万3,000円前後、「LS75」が2万5,000円前後の見込み。

■強力二重奏でコンパクトデジカメ市場をリードする - パナソニックマーケティング本部 副本部長 平原重信氏

松下がLUMIXシリーズを発売して、今年で早や6年目を迎えるが、その間に2001年 カラーバリエーションの展開からはじまり、12倍の高倍率ズームの搭載、光学式手ブレ補正、画像処理LSIのヴィーナスエンジンII、16:9のワイドCCDの採用、広角28mmレンズ搭載など、常に業界のトレンド作りに貢献してきた。市場の成長とともに、販売数も大きく成長している。2006年度 カメラ映像機器工業会(CIPA)の調査によると、同社は金額ベースで約17%のシェアを占めるという。

今やデジタルカメラの普及率は50%を越え、広く社会に浸透している。そうした背景の中、コンパクトデジタルカメラ市場も変化し、約7割が買い換え、買い増し需要に移行してきている。さらに、ユーザー層も3人に1人が女性となり、いわゆる団塊の世代を中心とした、中高年層の購入者も増加している。

ユーザーの意識も変化してきており、デジカメに求めるニーズも多様化している。たとえば、集合写真や風景を見たままに広々と撮りたい。入学式や学芸会などのイベントで、遠くの人物をアップで撮りたい。じっとしていない子どもやペットをキレイに撮りたい。あるいは、キレイな夜景を撮りたいなど、いろいろな用途でカメラを選択するようになってきている。しかし、共通して譲れない選択基準は「コンパクトさ」であると、同社は考えているという。

このような状況を踏まえ、パナソニックは、ユーザーニーズを超えるLUMIXの新製品6機種をデジタルカメラ市場へ投入する。その中でも、とくにデジカメに求められる絶対条件「コンパクトさ」に注力したのが、「FX30」と「TZ3」の2製品だ。

「FX30」は、スタイリッシュな女性をメインターゲットにした「お嬢様カメラ」で、世界最薄・広角28mm・ズームレンズを採用。「TZ3」は、旅行や趣味をアクティブに楽しむ団塊世代の奥様をターゲットにした「奥様カメラ」で、世界最小・広角28mm・光学10倍ズームレンズを搭載する。同社は、この2機種をデジタルカメラ市場に強力に導入する。

平原氏は、「この春のLUMIXは、FX30とTZ3というコンパクトデジカメの強力二重奏で発売していく。デジカメ需要の活気を支える2つの大きな需要層、機能にわがままでスタイリッシュなお嬢さまと、旅行や趣味をアクティブに楽しむ団塊世代の奥様。それぞれの欲しいものがギュっと詰まったFX30とTZ3でコンパクトデジカメ市場をリードしていく」と、同社のコンパクトデジタルカメラの市場展開を述べた。

■新しい写真文化に貢献する - 企画グループ グループマネージャー 房忍氏

引き続き、AVC ネットワーク社 DSC ビジネスユニット 企画グループ グループマネージャー 房忍氏より、新LUMIXを実現した基幹技術についてのプレゼンテーションが行われた。

LUMIXシリーズが、これまでにないコンセプトの商品や、常に新しい特長を提案していけるのは、ライカDCレンズに代表される優れた光学レンズ技術や光学式手ブレジャイロ、信号処理LSI ヴィーナスエンジン、高性能CCDなどの基幹技術を、すべて社内に持っているからだという。

発表会では、同社のデジカメに採用されている高性能ライカDCレンズによる広角28mmで撮影した写真と、他社の広角28mmのデジカメで撮影した写真を並べ、高性能ライカDCレンズは、撮影した写真の周辺にボケがなく、高品質な撮影が可能である点をアピールした。

プレゼンテーションでは、今回発表した6機種の全てがトリプル補正を搭載している点も強調された。トリプル補正とは、動き認識機能・光学式手ブレ補正機能・高感度撮影機能の3つにより、失敗写真を大幅に軽減できる機能。動き認識機能では、被写体の動きを認識し、明るさや被写体の動きに応じて、カメラがノイズを抑えながら自動で被写体ブレを補正する。

被写体の動きが大きな場合は、カメラが自動的にISO感度を高めにし、シャッタースピードを速く設定。逆に、被写体に動きがない場合は、自動的にISO感度を低めにすることで、ノイズを抑えた高画質な撮影ができる。手ブレしやすい条件下でも「光学式手ブレ補正ジャイロ」の効果により、高画質での写真撮影が可能。さらに、フラッシュを使用できない暗所でも「高感度モード」により明るく撮影できる。

房忍氏は、「FX30、TZ3を含め、この春に全6機種を新たに発売する。LUMIXは、パナソニックならではの新しい写真文化への貢献をテーマに今後も取り組んでいく」と述べた。

質疑応答では、「デジタル一眼レフカメラの発表はないのか?」との質問が記者から投げかけられた。房忍氏は、「LUMIXらしいプレミアムなデジタル一眼レフカメラの発表を予定している」と、詳細は明かさなかったが、答えた。

現在、同社のシェアは、国内を含めたグローバルな数値で、2005年度は400万台を越え、全世界で5.3〜5.4%ぐらいだという。今年度は、「グローバル10」(全世界で10%)を目標と掲げ、デジタルカメラ市場を牽引していくとしている。

※1 2007年1月31日現在。広角28mmズームレンズ搭載デジタルカメラとして。
※2 35mm判換算。
※3 2007年1月31日現在。光学10倍ズーム搭載の単眼タイプデジタルカメラとして。

デジタルカメラ「LUMIX」
松下電器産業株式会社

編集部:関口 哲司
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