NTTドコモとファーウェイ、無線LAN向け5GHzアンライセンス周波数帯におけるLTE通信の実験に成功!無線LANとLTEを共存させ、より高速通信が可能に
NTTドコモが無線LANとLTEを共存させることでより高速通信が可能に! |
NTTドコモは21日、ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:Huawei)とDOCOMO Beijing Communications Laboratories(以下、ドコモ北京研究所)との共同実験で、無線LAN(Wi-Fi)などで使われている5GHzのアンライセンス周波数帯で「LTE」の通信に成功したと発表しています。
NTTドコモでは割り当てられていないアンライセンス周波数帯でLTEを利用可能にする技術である「Licensed Assisted Access using LTE(以下、LAA)」の有効性を確認するために、2014年2月からファーウェイの北京研究所で実験を実施してきましたが、今回、5GHz帯を用いたLAAの屋内での実験において従来の無線LAN規格のひとつである「IEEE802.11n」と比較して、約1.6倍の通信容量の向上を確認し、LTEおよび今年度中に提供開始を予定している「LTE-Advanced」に有用な技術になることを確認したということです。
これにより、将来、LTEおよびLTE-Advancedと、無線LANを共存させつつ、5GHz帯を補完的にLTEによる通信に利用することができれば、より高速で快適なデータ通信が実現できるようになるとしています。
LAAはデータ通信量の急増による世界的な携帯電話向け周波数帯の逼迫を背景に、国内外の多くの携帯電話会社やメーカーが注目しており、LTEの標準仕様を開発した「3GPP」において、今後の主要な標準化対象技術のひとつとして、2014年中の標準化検討開始が見込まれている技術です。
3GPPではLAAは5GHz帯を考慮した標準化が検討されており、アンライセンス周波数帯でのLTE通信を実現させるだけでなく、LTE-Advancedで用いられる複数の周波数帯域を束ねて通信速度を高速化する技術「キャリアアグリゲーション(CA)」を活用して、既存の携帯電話サービスに用いられている周波数帯と5GHz帯を束ねて利用することを前提にしています。
LAAの特徴は、1)2GHz以上の高い周波数帯へのLTEの適用(LTEの広帯域化)、2)無線LAN等の携帯以外の通信システムと共存(干渉を防ぐ技術)、3)LTE通信向け周波数帯との補完的な連携(キャリアアグリゲーション)といったことが挙げられます。
2014年中の標準化検討開始が見込まれており、今回の実験では先行して研究開発および実験を行うことで、標準化の策定でリーダーシップを発揮し、より高度な移動体通信技術を標準仕様に反映することを目的としているとのこと。
今回はLAAと無線LANを比較し、LAAの潜在的な性能の高さを確認するための第一段階の実験でmLAAと無線LANの共用基地局アンテナから5GHz周波数帯の20MHz帯域幅を利用してデータを送信し、受信側はLAA対応の携帯端末および無線LAN対応機器を用いて、LAAと無線LANを個別に通信させた場合の性能評価を行ったとのこと。
実験の結果はIEEE802.11nと比較し、LAAは約1.6倍の通信容量の向上を達成。今後、第二段階の実験ではLAAと無線LANを同時に通信させた場合の性能評価を進め、その結果を踏まえてLAAと無線LANとの共存をさせるためにLAA通信を最適化して実験を行う予定となっています。
今後、LAA技術の実用化によって、LTEおよびLTE-Advancedで高い周波数帯を補完的に有効活用できるようになることで、無線LANとLAAの共存を可能にし、将来、ユーザーにとってより快適で利便性の高い通信サービスの提供を実現することをめざすということです。
記事執筆:memn0ck
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・報道発表資料 : アンライセンス周波数帯におけるLTE通信の実験に成功 | お知らせ | NTTドコモ