音楽ヘビーユーザーに届くか!?サービス開始直前のスマホ向けクラウド音楽配信「LISMO unlimited」担当者に直撃【インタビュー】
auスマートフォン向けクラウド音楽サービスが15日に開始! |
KDDIは、14日、auのAndroidスマートフォン向け新音楽配信サービス「LISMO unlimited powered by レコチョク」を6月15日(水)に開始すると発表しました。サービス開始時に約100万曲の洋楽を中心とした楽曲をラインナップし、すべての楽曲を月額1480円で聴き放題で利用できるストリーミングによるクラウド型の音楽配信サービスとなっています。
今回は、このLISMO unlimitedにおいてサービス担当者のKDDIメディア・CATV推進本部メディアビジネス部音楽サービスグループ課長補佐の谷和博氏に、サービスの詳細や狙いなどを中心にインタビューを行いましたので、紹介したいと思います。
――LISMO unlimitedは、どういったサービスなのでしょうか?まずはじめに、ご説明いただければと思います。
LIMOS unlimitedは、本気を出したとKDDIが力を入れているau向けAndroidスマートフォン「ISシリーズ」に向けた定額制の音楽配信サービスです。サービス開始当初は、洋楽の4大レーベルである「ユニバーサルミュージック」「EMIミュージック」「ワーナーミュージック」「ソニーミュージック」を中心に約100万曲を揃え、すべての楽曲を月額1480円で聴き放題となっています。支払いについても、auの月額利用料と一緒に行える「auかんたん決済」に対応しているので、クレジットカードがない人でも利用可能です。
これまでのクラウド型音楽配信サービスは、ダウンロードし、ケータイやパソコンなどの本体に保存して利用するものが主流でしたが、LISMO unlimitedは、基本的にはストリーミング再生で利用するサービスとなっています。
ストリーミングは、3G(CDMA 1X 2000 EV-DO)だけでなく、自宅や仕事場、さらには、今後サービスを提供していくau Wi-Fi SPOTといった無線LAN、そして、HTC EVO WiMAXで対応しているモバイルWiMAXというどの通信回線でも利用可能となっています。
また、ストリーミングサービスではありますが、最近聴いた曲を一定曲数、端末の外部メモリーなどにキャッシュとして保存することで、地下鉄などの通信が利用できない場所でも聴くことができるようになっています。特に、ストリーミングを開始してからほぼ瞬時に楽曲の再生が始まり、30〜40秒程度で、1曲分がキャッシュとして保存でき、電波状態の悪いところでの利用に対しても工夫がされています。
KDDI谷氏(左)とLISMO unlimitedの楽曲再生画面(右)。6秒再生時にすでに約4分の1がダウンロードされ、キャッシュされているのがわかる。
――これまでの定額制オンライン音楽配信サービスでは、どうしても欲しい曲がないという場合があったかと思います。その点については、どのようにお考えでしょうか?
楽曲数もサービス開始時は約100万曲となっており、これは、アルバム1枚におおよそ12曲が収録されているとして約8万枚のアルバムに相当し、大手のオンラインCDショップを拝見しても数万点の前半程度の品揃えのようですので、かなり充実していると思っています。
また、サービス開始後も基本的には、CDリリースと同時にラインナップに加えていく方針になっており、旧譜だけでなく新譜も充実させていきます。一方で、CDでは廃盤になってしまうような楽曲あるかと思いますが、そういった楽曲も流通や在庫の懸念無く、配信が可能となります。また、洋楽については、先に紹介した4大レーベルだけでなくインディーズ系のレーベルも順次ラインナップに追加していきたいと考えています。
一方で、国内レーベルについてもいくつかのレーベル様については、配信させていただけるように準備しています。当初約100万曲からはじりますが、今後さらに楽曲ラインナップを充実させ、洋楽のヘビーユーザーの方が満足いただけるような楽曲を取り揃えていきたいと思っています。
再生するとプレイリストに自動的に登録され、自分でプレイリストを作成することもできる(左)。また、音楽ヘビーユーザーを飽きさせないために「オススメプレイリスト」(右)を配信予定で、音楽ジャンルや季節に合わせた特集、夏フェス出演アーティスト特集など、今後、充実していきたいとのこと。
――なるほど、洋楽中心ということなのですが、どういったユーザー層を想定されているのでしょうか?
これまで、ケータイで音楽配信というと1曲1曲をダウンロードして利用する「着うた」や「着うたフル」のようなサービスが中心でした。ただ、そういったサービスを利用している層は、世の中で話題になっている曲をケータイで1曲ずつ、ダウンロードするような使い方が主で、年齢層も20代を中心に10代を含めた若い人となっています。
一方で、今回のサブスクリプションサービスには、一定の定額料が必要なサービスということもあり、ある程度の音楽ヘビーユーザー、もっと言うと、音楽は好きなのだけど、普段は忙しくしているような20代後半以上の大人の方に合っているのではないかと思っています。
また、音楽好きでCDをたくさん持っていても、忙しいなどの理由から、すべてをCDからリッピングしてパソコンやスマートフォン、ポータブルミュージックプレイヤーなどで利用できるようになっていない人も多いのではないかと思っています。そういったケースでも、あの曲が聴きたいと思ったときに、手軽にすぐに手に入れられるというのが大きなメリットだと思います。
また、料金も1480円ということで、月に1枚アルバムを購入するくらいの金額で100万曲が聴き放題となり、さらに常時最新の楽曲も追加されていくことを考えると、音楽ヘビーユーザーのみなさんにとってはかなりリーズナブルな値段ではないかと思います。
オススメプレイリストは、約100万曲を聴き放題といっても何を聞いたらわからないといった人でも手軽に音楽への入口を設けることで、新しい音楽や懐かしい音楽に出会ってもらえるようにしたいということだ。もちろん、曲名やアーティスト名などでの検索も用意されており、プレイリストは、アルバム別などでも表示可能(左)。キャッシュした曲だけを再生といったこともできる(右)。
――音楽好きの人がターゲット層ということで、音質やダウンロードして手元にファイルとしてデータが残らないといったあたりが気になります。
確かに、楽曲を保存してデータとして残したいというというお客様もいらっしゃるかと思いますが、今回のサービスでは、クラウド+ストリーミングの方式により、お客様は、100万曲という端末メモリには保存しきれないような膨大な楽曲が、どこに保存されているのかを気にすることなく自由に楽しむことができるという、新しい楽しみ方をご提案しているサービスになっています。
また、お気に入りの楽曲を登録したプレイリストについては、オンライン上にバックアップしておくことで、機種変更後に再び、新しい機種でも同じプレイリストを利用いただくことが可能となっています。
なお、従来のダウンロード型の音楽配信サービスも、今後もまだまだ力を入れていきますので、お客様にはご利用方法やお好みにあわせて、ご自分に合ったサービス、音楽の楽しみ方を選択していただくことができるようになったと思っています。
オススメプレイリスト以外にも、インタビュー時には対応していなかったが、LISMOにある「うたとも」にも対応するということだ。設定画面からキャッシュする曲数などをある程度変更可能だ(左)。また、TwitterやFacebookとの連携で、曲名およびアーティスト名を簡単に投稿できるようになっている(右)。
――最後に、サービス開始に向けて、意気込みをお聞かせください。
端末ハードウェアスペックの向上や通信回線の高速化により、音楽配信においてもストリーミング型やクラウド型のサービスが盛り上がりを見せてきています。その中でも、LISMO unlimitedは、クラウドと相性の良い聴き放題サービスを、最新のスマートフォンに向けた新しい音楽サービスとして、チャレンジしています。
スマートフォンひとつあれば、100万曲の膨大な音楽と、いつでもどこでも繋がっていられる、新しい楽しみ方をご提案しているサービスですので、音楽好きなユーザーのみなさんには是非使ってみていただけたらと思っています。
――本日は、インタビューをありがとうございました。
記事執筆:S-MAX編集部
■「LISMO unlimtedスタートキャンペーン」の実施について | KDDI
■関連リンク
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・新音楽配信サービス「LISMO unlimited powered by レコチョク」の提供開始について | 2011年 | KDDI株式会社
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