孫さんの次の一手は?iPhone 4がドコモ網で使える真の意味


2010年8月23日、日本中に衝撃が走った。日本通信が同日、アップルのSIMフリー版iPhone 4向けマイクロSIM「talking b-mobileSIM 」を発表したからだ。同社は、「思いきり快適にiPhone4を使いたい」をコンセプトに、NTTドコモネットワークをフル活用した「iPhone専用プラチナサービス」を提供する。

ソフトバンクモバイルが販売するiPhone4にはSIMロックが掛けられているため、ユーザは通信を選ぶことができないが、海外の多くの国でアップルが販売しているiPhone4は、SIMロックが掛かっていないSIMフリー版だ。しかもこれらのSIMフリー版iPhone4は、日本における電波法の認証を受けているため、日本で全く問題なく利用できるようになっている。

以上の状況を踏まえ、日本通信は、「talking b-microSIM プラチナサービス」を提供するわけだ。これはソフトバンクにとって大きな脅威だ。

孫正義氏自身も事があることに発言していたことだが、ドコモ網は圧倒的なエリア・カバレッジとつながりやすさを誇る。
また、現在、ソフトバンクモバイルのiPhone 4では使えないデザリングにも対応するというのだ。

デザリングとは、iPhone 4の3G接続を利用し、ブルートゥースまたはUSB接続でノートパソコンからインターネットアクセスするものだ。モバイルユーザーであれば、モデム機能といえばわかりやすいだろう。ただし、テザリング使用はU300通信(ベストエフォート300kbps超)となる。

気になる料金だが、talking b-microSIMプラチナサービスは、定額データ通信5,280円に、通話サービス基本料980円(1,050円分の通話料を含む)がセットされ、月額基本料6,260円です。iPhone快適通信を使い放題、テザリングも使い放題だ。NTTドコモのスマートフォン用定額プランで、インターネットも、テザリングも使い放題で利用すると、データ通信だけでも1万710円となる。プラチナサービスは、これらドコモのプランと比べてのほぼ半額というわけだ。

日本では、携帯端末なしでSIMだけを買うことができなかったため、海外で販売される携帯端末を輸入しても使えない状況が続いていたが、今回の日本通信の取り組みにより、SIM及びマイクロSIMを簡単に購入することができるようになる。

これを大きなビジネスチャンスと捉える携帯販売会社や輸入商社、あるいは家電量販店は、iPhone4を輸入し、日本のユーザーは、店頭で他の輸入製品と同様に購入することができるようになるだろう。iPhone以外にも、アンドロイド搭載のモバイル機器等でも同様の動きになることが予見されることから、海外からのSIMフリー端末輸入は大きな動きになっていくと推察される。

さて、日本でiPhoneを使いたい人は、これまでソフトバンクモバイルを選択するしかなかった。ところが、今回の発表で、日本通信の「talking b-microSIM プラチナサービス」を利用したiPhoneという選択肢もできた。圧倒的なエリア・カバレッジとつながりやすさを誇るドコモ網が使え、ソフトバンクモバイルでは使えないデザリングにも対応する。
ソフトバンクモバイルには、圧倒的に不利な条件が揃ってしまった。

孫さんの次の一手は何か?

日本通信

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