シャープの最新フラッグシップスマホ「AQUOS R3」を写真と動画で紹介(後編):デュアルノッチとPro IGZO液晶、最高スペックでさらなる進化【レポート】



最新フラッグシップスマホ「SHARP AQUOS R3」が発表!後半はPro IGZO Displayなどを解説

既報通り」シャープは5月8日、都内にて「Smartphone AQUOS 2019夏 新製品発表会」を開催し、最新フラッグシップスマートフォン(スマホ)「AQUOS R3」を「2019年夏モデル」として発売すると発表した。同社は販路を明らかにしていないが、各携帯電話会社から販売されると見られ、すでに携帯電話サービス「SoftBank」より5月下旬以降に発売されることが発表されている。

またAQUOS R3は昨夏に発売された前機種「AQUOS R2」と同じく静止画用と動画用のツインカメラを背面に搭載し、静止画用が約1220万画素CMOS/広角レンズ(F1.7・78°・26mm)、動画用が約2010万画素CMOS/超広角レンズ(F2.4・125°・22mm)となり、画像処理エンジン「Propix2」によって刷新されている。

すでに紹介した前編ではこのツインカメラについて解説したが、後編となる本記事では新開発されたPro IGZO液晶やAQUOS史上最高スペックとなった性能面などを中心に写真と動画で紹介していく。


AQUOS R3のディスプレイはアスペクト比9:19.5の縦長な約6.2インチQuad HD+(1440×3120ドット)液晶となっており、AQUOS R2と本体サイズがほぼ同じ(AQUOS R3が約156×74×8.9mm・約185g、AQUOS R2が約156×74×9mm・約181g)でありながらAQUOS R2の6.0インチから大画面化を実現している。

機種AQUOS R3AQUOS R2
画面6.2型QHD+
Pro IGZO液晶
6.0型QHD+
IGZO液晶
大きさ156×74×8.9mm156×74×9mm
重さ185g181g
SoCSnapdragon 855Snapdragon 845
RAM6GB4GB
内部ストレージ128GB64GB
外部ストレージmicroSDXCmicroSDXC
背面カメラ1220万画素(静止画用)+2010万画素(動画用)2260万画素(静止画用)+1630万画素(動画用)
前面カメラ1630万画素1630万画素
電池容量3200mAh3130mAh

またこの画面拡大に合わせて画面上部中央の切り欠き(ノッチ)部分にフロントカメラを搭載しただけではなく、画面下部中央にもノッチを採用し、そこへ指紋センサーを兼ねたホームキーを配置してAQUOS R2と同じ操作性を継承しながら画面の下側の縁(ベゼル)を狭くしている。


画面下部には指紋センサーを搭載し、前面指紋認証で快適に使える

このダブルノッチは昨冬に発売された「AQUOS R2 Compact」から採用されたものだが、大画面化とフロントカメラ、前面指紋センサー実現するには致し方ないところだが、ノッチが画面表示上邪魔だったり、デザイン的な問題から好みが分かれる要素でもあるだろう。


また画面で変わったのはサイズだけではなく、表示パネルも刷新されており、新たに第5世代IGZOとなる「Pro IGZO Display」となった。このPro IGZO Displayは光の透過率を18%向上させたことで、AQUOS R2比で2倍の明るさを実現しており、AQUOS史上最高輝度となっているという。


またこれまでにもアイドリングストップなどの省エネ機能を充実させてきたIGZO技術だが、より明るくなったので輝度を落とした状態でAQUOS R2と同じ明るさとすることができるため、さらなる省電力化を実現しており、その効果は10%の省エネ性能アップとなったという。


この高輝度が活かされるのが「HDR」に対応したコンテンツだ。Pro IGZO Displayは「HDR10」および「HLGフォーマット」の10億色(10bit)表示に対応する「True HDR」を実現している。

AQUOS R2もHDRコンテンツ表示に対応していたが、パネルの表現力が1677万色表示であった。つまり、AQUOS R3は真のHDR再生に対応したと言え、HDRコンテンツの輝度再現と10bitの滑らかなグラデーションの再現が、Pro IGZO Displayの特徴の1つである。


また2倍の明るさとなったことで、屋外で明るく観やすいアウトドアビューを実現した。これが高輝度だから実現できたもう1つの特徴だ。


さらに従来機と同様に倍速120Hz駆動のハイスピードIGZOにも対応しており、滑らかな表示とアイドリングストップ機能を搭載している。テキストコンテンツのスクロール時の文字の視認性など、使いやすさを重視したものである。


今回この大画面なTrue HDRの実現に合わせて本体のスピーカーをステレオ化したことで、Dolby VISONおよびDolby ATMOSをイヤホンを利用したときだけでなく本体のみでも再現できるようになっている。今後、AQUOS R3でも視聴可能なDolby VISION・Dolby ATMOS対応コンテンツに期待したい。


さらにAQUOS史上最高スペックを謳っており、基本スペックはQualcomm製チップセット(SoC)「Snapdragon 855」および6GB内蔵メモリー(RAM)、128GB内蔵ストレージ、microSDXCカードスロット、3200mAhバッテリー、USB Type-C端子、11W対応のワイヤレス充電(Qi)、IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠(2.4GHz・5GHz)の無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth 5.0、防水・防塵、ワンセグ・フルセグ、FeliCa・NFCなど。


このパフォーマンスがアップしたSnapdragon 855の機能をフルに引き出すために、冷却性能はAQUOS R2同様に全面で熱を分散させることで本体の温度自体を下げるようにしている。

特に発熱が大きく、一方で高パフォーマンスを持続させたいゲーミングの使用において熱伝導の見直しも行っている。特に熱が伝わりやすい側面の金属部分はスマホをホールドする際にしっかりと握る部分であり、熱を感じる部分でもある。


握ったときに触れる部分(赤い部分)樹脂で熱伝導を抑えている

そこでAQUOS R3ではピンポイントに熱を伝導するするように内部の放熱プレートを設計し、手が触れる部分に熱を伝えないようにしている。これによって放熱と体感する温度をコントロールし、AQUOS R2比で体感−5℃を実現したという。


左2つがベースカラーのPlatinum WhiteとPremium Black。SoftBankからElegant Greenが発売されるため、残りのPink AmethystとLuxury RedがNTTドコモとauから販売されると見られる

カメラ機能を進化させてきたフラグシップスマホ「AQUOS R」シリーズは、ツインカメラとAIを効果的に使うユニークなモデルとして進化しており、フラグシップモデルらしい贅沢なスペックとそのパフォーマンスを引き出す設計にも余念がない。

またその機能や性能を長く使えるようにシャープでは発売後2年間は最大2回のOSバージョンアップを保証しているのも最近の同社の好調さにつながっていると思われる。AQUOS R3はAndroid 9(開発コード名:Pie)をプリインストールしているため、今夏に登場予定の次期バージョン「Android 10(開発コード名:Q***)」に加え、さらに2020年登場予定のバージョンも期待できる。

【AQUOS R3プレゼンテーション】

動画リンク:https://youtu.be/F7vKq9OO84s

【AQUOS R3の実機紹介】

動画リンク:https://youtu.be/haaiw7VVF2A

シャープでは2017年に続いて2018年もAndroidスマホの国内シェアNo.1となっており、フラグシップモデルとプレミアムコンパクトモデル、新コンセプトの「AQUOS zero」、そしてミドルクラスでコストパフォーマンスの高い「AQUOS sense」シリーズとバランス良く展開して3年連続No.1をめざすという。

そしてAQUOS R3で採用された技術はやがて、AQUOS senseシリーズへと継承されていくと思われるので、こうした新技術を搭載したフラグシップモデルを開発する意味は非常に大きいはずだ。特に「液晶のシャープ」としての認知度は非常に高く、カメラ機能が重要視されているスマホではあるが、撮影した写真や動画をいかに綺麗に見せるかといった点で画面は重要である。

今回のAQUOS R3に追加されたAI Live Storyもまさに動画を観る機能であり、画面の美しさが活かされるものとなっており、今後もこうしたトータルでユーザーエクスペリエンスを高めるような製品作りに期待したい。AQUOS R2は初代AQUOS Rを販売台数で上回ったということなので、まずはAQUOS R3がさらに受け入れられるかどうか見ていきたいところだ。

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記事執筆:mi2_303


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