ミャンマーのヤンゴン国際空港で「MPT」のプリペイドSIMカードを購入!3Gデータ通信も利用可能【レポート】



shimajiro@mobiler

カンボジアに続いて、ミャンマーを訪れた。まずは恒例の玄関口である「ヤンゴン国際空港」で現地の携帯電話会社である「ミャンマー国営郵便・電気通信事業体(Myanma Posts & Telecommunications)」(以下、MPT)のプリペイドSIMカードを購入したので価格などのまとめて紹介する。

今回訪問した2014年10月20日の時点におけるヤンゴン国際空港で購入可能なプリペイドSIMカードはMPTおよびOoredooの2社となっていた。両社とも国際線の到着フロアにてプリペイドSIMカードが販売されており、外国人旅行者でもSIMカードを購入することが可能になっている。

なお、ミャンマーにおいてはKDDIが国営のMTPに協力することで携帯電話事業に参入することが発表されているので、今後、日本のサービスとの連携なども期待される。

MPTのプリペイドSIMカードは上記写真に映っているカウンターで購入可能だ。ただし、プリペイドSIMカードの販売を示すような掲示は特にされていないので、少々見つけにくいかもしれない点に注意して欲しい。

MPTのプリペイドSIMカードはミャンマーチャット(MMK)で1,500(約150円)で、データ通信を行う場合は追加で10,000MMK(約1,000円)がデータ通信のアクティベーションフィーとして追加で必要となる。

この状態でもプリペイドSIMカードの残高はゼロとなるため、MPTのプリペイドSIMカードを購入してデータ通信を行う場合は最低でも合計11,500MMK(1,150円)とトップアップ分の代金の支払が必要だ。というわけで、ミャンマーの現地物価を考えるとプリペイドSIMカードを購入するのはあまり安くはないという印象を受けた。

◯MPTのプリペイドSIMカード代金(データ通信を行う場合)
プリペイドSIMカード代:1,500MMK
データ通信アクティベート料金:10,000MMK
トップアップ料金:必要な分だけ追加

MPTのプリペイドSIMカードの購入にはパスポートの提示が必要で、1枚のパスポートで購入可能なSIMカードは1枚までに制限されている。

SIMカードを購入すると、その場でパスポート情報の登録を行うらしく、カウンターのスタッフがスマートフォンを使って購入者のパスポート情報をカメラで撮影していた。

パスポートの提示が必要
パスポートの提示が必要


MPTのプリペイドSIMカードはパスポートの提示とパスポート情報の登録が必要になっているものの、登録作業が完了するまでインターネットが使えないというようなことはなく、プリペイドSIMカードの購入とデータ通信プランの登録を行うと、すぐにデータ通信が利用可能になった。

ただし、データ通信を利用するためにはSMSによる利用登録が必要になる上、APN設定なども基本的には手動で行う必要がある点に注意して欲しい。なお、どちらもカウンターで行ってもらうことはできるので、お任せで問題ないと言えば問題ないけど。

◯データ通信を有効にするためのオーダー
宛先:1331
本文:Orderdata service
※上記内容をSMSで送信する

SMSが正しく送信されて受付されると、データ通信が有効になった旨がSMSで返送される。

データ通信を有効にするSMSメッセージ
データ通信を有効にするSMSメッセージ


データ通信が有効に
データ通信が有効になった旨がSMSで返送される


データ通信の有効化を行った後はアクセスポイント(APN)の設定を行う。今回、購入した空港のカウンターにて設定されたAPN情報は以下のようになっていた。

◯APN設定
APN:mptnet
ユーザ名:mptnet
パスワード:0000(数字の04つ)

データ通信の有効化とAPN設定が完了すると、すぐにデータ通信が利用可能となった。

データ通信が利用可能に
データ通信が利用可能に


データ通信用のパッケージなどは用意されておらず、データ通信料金は2Gなら2MMK/1分で、3Gの場合は4MMK/1分ずつがプリペイドSIMの残高から消費される形となるので、通信を利用しないときはデータ通信をオフにする必要があるのは定額制のインターネットプランに慣れていると非常に面倒な作業だった。

空港カウンターではデータ通信料は2MMK/1分としか説明されなかったけれど、MPTの公式Webサイト「MPT Myanmar | Mobile」には2GのGSMなら2MMK/分、3GのW-CDMAもしくはCDMAの800MHz帯を利用した場合は4MMK/分であることが記載されている。
2 Ks per minute for GSM customers
4 Ks per minute for CDMA 800 and WCDMA customers

空港カウンターで受けた説明とMPTの公式Webサイトでの説明を総合すると、SIMカード代とデータ通信のアクティベーションフィーだけではデータ通信を行う残高がゼロになるため、実際にデータ通信を利用するためには更にプリペイドSIMの残高を購入する必要がある。

それなりに手間のかかるプリペイドSIMカードの購入手続を終えると、快適なデータ通信が利用可能に……と言いたいところだけれど、残念ながら今回の滞在中にヤンゴン市内で使った限りでは、データ通信の速度は非常に不安定で、信頼性&データ通信速度共に「まだまだ」というのが率直な印象だ。

宿泊していたチャイナタウンのエリアや観光客が多く訪れるシュエダゴン・パゴダやスーレーパゴダ付近はエリア的にはネットワークの圏内になっているものの、通信速度は極めて遅く、実質あまり使い物にならないという状況が続いていた。

ヤンゴンに滞在中、あまりにも通信環境が悪かったので、プリペイドSIMカードを使ったモバイルインターネットを使うことはほとんどなかったけれど、最終日に空港へ移動中、市内の中心部を離れると意外にもそれなりの通信速度で通信を行うことができたので、市内の中心部以外の通信速度はそれほど悪くないのかもしれない。

市内中心部を離れてスピードテスト
市内中心部を離れてスピードテスト


ちなみに、ヤンゴン国際空港ではMPTの4G LTEを検出。商用サービスは提供されていないけれど、MPTが4G LTE提供開始に向けた準備を行っていることが確認できた。


ヤンゴン国際空港でMPTのLTEを検出。利用した機種はSIMロック解除を行ったNTTドコモの「GALAXY J SC-02F


記事執筆:shimajiro@mobiler


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