【カオス通信】マニアック芸人の明日はどっちだ?
■ガンダム芸人編
●若井おさむ 〜「こんにちは、アムロ・レイです」〜
初代ガンダムの主人公アムロ・レイのモノマネが持ちネタのピン芸人(吉本興業所属)。COSPA製(※1)の連邦軍制服を着用し、初代ガンダムの名セリフ・名シーンを随所に散りばめたコントを披露する彼の芸は、長年にわたるガンダム啓蒙活動の成果の結実です。昨年後半頃からTVのバラエティ番組でちょくちょく見かけるようになったのですが、最近同じネタをTVで繰り返し披露してしまう状況が増えているのが気になります。
私を含むガンダムネタに反応する視聴者は、高確率でネタを録画しています。よって「自動車教習所」「タコ焼き屋」「ファミレス」などは脳内再生できるほどに何度も見ている可能性大なのです。彼にとって新ネタを考えることは最優先事項だけに、ネタを1人で考えるが大変ならば、ガンダム好きのコント作家と協力することも今後考えるべきでしょう。
彼はライブ&営業を中心に置いて、TVは控えめにした方が良い気がします。トーク&アドリブはどうやら苦手みたいですし。彼は30歳まで居酒屋を経営していながら突如お笑いを志した人生経験豊富な男ですから、対処方法も既に考えているとは思いますが……。遅咲き・狂い咲き・坊やじゃないの三拍子が揃った若井おさむが本気になれば、あと10年は余裕で戦えるっ… …(かもしれない)。
(※1)COSPA:コスプレ衣装やキャラクターグッズの制作・販売を行っている会社。
●土田晃之 〜種までチェックしている真正ガノタ(※2)〜
記憶に新しいのは、TV朝日バラエティ『アメトーーク!』での出来事。彼は同番組で行われたプレゼン大会(2006年7月放送)で「ガンダム芸人企画」をプレゼンし、ネット投票でダントツの1位を獲得。同年12月の企画放送時には、ガンダムを知らない制作スタッフの代わりに番組の完全プロデュースまでをも行い、収録を見学しに来ていたガンダム知識ほぼゼロのギャル達(茶髪度高め)を前にマニア魂全開のパフォーマンスを展開しました。
TVアニメを大胆にパロったオープニングから始まり、「ミノフスキー粒子」などの専門用語や「あえて言おうカスであると!」といったセリフも多用。その後もTVシリーズの紹介、ガンプラ話、ララァからの生電話、若井おさむのコントなど、内容は盛り沢山。一応、地上波の人気番組という状況に配慮して、ガンダムを知らない人でも楽しめる構成になっていたようですが、ネタがわかる私には客観的な判断は難しいので明言は避けておきます。ちなみにガノタ内での評判はあまり良くなかった模様。いろいろ制限がある中で放送実現に貢献したことは評価するべきだと思うのですが、マニアは厳しいですね。
土田晃之のガンダム愛を示すエピソードは他にもいろいろあり、例えば彼には愛日菜(あいな)という娘がいますが、この名は『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のヒロイン、アイナ・サハリンが元ネタとなってます。また、何かと批判も多い『機動戦士ガンダムSEED』を評価している擁護派としても知られ、MSイグルー(ジオン視点の作品)などのOAVまで細かくチェックする姿勢は天晴れというしかありません。
この趣味は仕事にも活かされていて、「月刊ガンダムエース」でコラムの連載をしたり、通販番組でガンダム製品の紹介に駆り出されたり、NTT東日本の光ネットサービス内の情報番組「INSIDE ガンダム」に起用されたりしています。現在ガンダム芸人を知識・経験・芸暦などで総合的に評価した場合、ランキング1位の座は土田晃之で確定でしょう(若井おさむは芸暦が浅すぎるので却下)。彼はこのまま迷わずガンダム道を邁進すべきかと。ひたすらガンダム芸人・土田の野望実現に励むのが吉でしょう。
(※2)種:「ガンダムSEED」の俗称。ガノタ:「ガンダムオタク」の略称。
<補足>他にもガンダム好きの芸人には、有野晋哉(よゐこ) 、千原靖史(千原兄弟) 、品川祐(品川庄司)、田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、井上聡(次長課長)、片桐仁(ラーメンズ)などが挙げられます。アニメ好きの芸人は大抵初代ガンダムは基本として押さえていると考えて問題ないようです。
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