au向け最新スマホ「HTC 10 HTV32」の性能をベンチマークでチェック!前機種「HTC J butterfly HTV31」と比較したらこんなに違った【レビュー】


HTC 10 HTV32の基本性能をベンチマークで測定してみた!

現在、auから「2016年夏モデル」として販売中の新ハイスペックスマートフォン(スマホ)「HTC 10 HTV32」(HTC製)。

おサイフケータイ(Felica)やテレビ(ワンセグ・フルセグ)などといった日本向けの機能を省きつつも最上位のハイエンドCPUや大容量メモリーを搭載し、現時点での最上級クラスの性能を持つハイエンドモデルとなっています。また前回に紹介したようにこれまでと比べて内蔵アプリも少なくなっており、アプリ一覧もすっきりした印象に。

そこで今回はベンチマークアプリを用いて実際にHTC 10 HTV32の性能を計測し、そして、前機種「HTC J butterfly HTV31」と比較してどれだけパワーアップしているのかを紹介していきたいと思います。

【まずはスペックを比べてみる】

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CPU-Zで表示したHTC 10 HTV32のスペック(写真=左)とHTC J butterfly HTV31のスペック(写真=右)

今回使用するベンチマークアプリは、総合力を調べる定番のベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」、3D描画能力をテストする「3D Mark」、そして、CPUをシングルコアとマルチコアの性能を個別に計測する「Geekbench 3」の3つのベンチマークアプリを使って計測します。

また、その前に「CPU-Z」を使ってスペックを確認してみます。画面のサイズは約5.2インチでピクセル数はWQHD(1440×2560ドット)とHTC 10 HTV32とHTC J butterfly HTV31で同じです。

また、内蔵メモリー(RAM)はHTC J butterfly HTV31比で1GB増加(HTC 10 HTV32は4GB、HTC J butterfly HTV31は3GB)され、CPUはQualcomm製チップセット「Snapdragon 820 MSM8996」になりました。これはHTC J butterfly HTV31が搭載している同じQualcomm製「Snapdragon 810 MSM8994」の後継となる現時点における最新のハイエンドチップセットとなっています。

CPUはコア数こそSnapdragon 810が2.0GHzのCortex-A57コア×4と1.6GHzのCortex-A53コア×4の合計8コアから、Snapdragon 820の2.2GHzのKryoコア×4と合計4コアに減っていますが、KryoはQualcommが64bit対応ARMコアを独自に実装しており、製造プロセスが14nmと小さくなったほか、最大クロック数も上がっています。

一方、GPU(Graphics Processing Unitの略で画像処理能力を司るプロセッサーのこと)もSnapdragon 810のAdreno 430からSnapdragon 820のではAdreno 530に強化されています。

【定番ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」で比較】

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AnTuTu Benchmarkの計測結果。左がHTC 10 HTV32、右がHTC J butterfly HTV31

まずはスマホの総合ベンチマークアプリの定番のAnTuTu Benchmarkで比較計測を行いました。結果としてHTC J butterfly HTV31比で約1.7倍ものスコアとなっており、圧倒的な差が出ています。

HTC J butterfly HTV31は去年発売とはえハイエンドとして発売され、現行のスマホとしても十分すぎるほどに高いスペックを持った製品ですが、にもかかわらず、ここまで大きい性能差を数字で見てしまうとさすがにビックリしました。

【「Geekbench 3」でCPU能力を比較した】

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HTC 10 HTV32でのベンチ計測結果(写真=左)とHTC J butterfly HTV31の計測結果(写真=右)

続いて、CPUの性能をシングルコアおよびマルチコアを個別にチェックできるGeekbench 3を使ったテストを行いました。

結果からCPUの純粋な比較ではHTC 10 HTV32がHTC J butterfly HTV31比でマルチコア性能では約30%、シングルコア性能ではほぼ倍の数値が出ました。

このベンチマークアプリに限った話ではないのですが、HTC 10 HTV32はベンチマーク計測において「同時に計測を開始したのにHTC J butterfly HTV31より明らかに速く計測をし終える」状況を連発しており、基本性能の高さを見せつけていました。

【ゲームには大事!3D描画能力ベンチ「3D Mark」で比較】

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3D Markの計測結果。左がHTC 10 HTV32、右がHTC J butterfly HTV31

最後にCPUとGPUの能力をテストし、3D描画能力を数値化するベンチマークアプリの3D Markで比較計測しました。

画面では少しわかりづらいですが、HTC 10 HTV32が「2080」に対し、HTC J butterfly HTV31が「1089」と約1.9倍となっており、CPUだけでなくGPUも圧倒的なスコア差が出ています。これはGPUがHTC J butterfly HTV31のAdreno 430からHTC 10 HTV32のAdreno 530に変更された部分が大きいものと思われます。

また、テスト中はHTC 10 HTV32とHTC J butterfly HTV31でともに動作のカクつくところがありますが、HTC 10 HTV32はカクつきを起こす時間がHTC J butterfly HTV31と比べて非常に少なくなっていることが確認できました。

今回はHTC 10 HTV32を1世代前の製品であるHTC J butterfly HTV31とベンチマークで比較してきました。2機種でOSバージョンが違うこともありますが、その性能差は確実にあると思われることが確認できました。

前述通り、おサイフケータイやテレビ機能を搭載したHTC J butterfly HTV31とは方向性の異なりますが、どの部分を重要視するかで評価は変わってくるとは思います。しかしながら、シンプルな構成とハイエンドなスペックで快適な使用感や高スペックを要求するゲームをさらにスムーズに遊ぶなどの方向で選ぶのであれば、HTC 10 HTV32は文句のないスマホに仕上がっているのではないでしょうか。



記事執筆:河童丸


[Image] QRコードアプリ名:AnTuTu Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール

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