最大の売れ筋となるか? 日本エイサーのChromebook「Acer Chromebook C720」【デジ通】


「デルと日本エイサーよりビジネスおよび文教向けのChromebook登場」で紹介したように日本エイサーのChromebookが発表された。エイサーは、長い歴史を持つ台湾系PCメーカーで日本における8インチWindowsタブレット人気のきっかけとなったメーカーだ。なお現在注目されている低価格のChromebookでは、アメリカ市場でトップシェアとなっている。
海外では何機種か発表されいてるが、日本で投入されるのはのAcer Chromebook C720で、この1モデルで国内展開が始まる。

今回、日本で投入されるChomebook C720は、現在いくつかあるエイサーのChromebookの中でも最も売れ筋の製品となる。11.6インチ液晶に、インテルのCeleron 2955U、メモリ4GB、16GB SSD、Webカメラ、USB端子、SDカードスロット、HDMI出力を搭載。日本で発売されるのはこの仕様のみとなる。価格はオープンプライス。

■Acer Chromebook C720の主なスペック
型番:C720
カラー:グラナイトグレイ
OS:Chrome OS
CPU:Intel Celeron 2955U(1.4GHz)
メインメモリー:オンボード4GB(増設・交換不可)
ディスプレイ:11.6型(1366×768ドット)/16:9画面/LEDバックライト/ノングレア
GPU:Intel HD Graphics
内蔵ストレージ:16GB SSD
光学ドライブ:なし
Webカメラ:Acer Crystal Eye HD Web カメラ
メモリーカードスロット:SDカードリーダー
ネットワーク:IEEE802.11a/b/g/n準拠※有線LAN非搭載
Bluetooth:Bluetooth 4.0 準拠
インターフェイス:USB3.0ポート×1、USB2.0ポート×1、ヘッドフォン/スピーカー×1
映像出力:HDMI(HDCP対応)出力ポート×1
キーボード:Acer FineTipキーボード(78キー/日本語)
バッテリー駆動時間:約8.5時間
サイズ:288(幅)mm×204(奥行)mm×19.05(厚さ)mm
重量:約1.25kg
保証:1年間センドバック保証

初期のChromebookの中には、タッチパッドの操作性に難がある製品も発売されていた。これは、Chrome OSが出たばかりでWindowsと違って細かな調整が必要な部分として残り、最適化ができていなかった例だ。最近ではほとんどの製品で問題はなくなったが、スクロールのスムーズさといった、細かな使い勝手は、ハードウェアスペックがほとんど同じでも、各社のドライバ開発といったノウハウによって差が出てくる部分だと言える。

そうした点では、エイサーはChromebookの初期段階となる2012年から製品を提供していたため、Chrome OSとハードを合わせるノウハウの蓄積がある。日本に投入される製品でもそれが生かされ、使い勝手の点では特に問題のない製品となっている。

日本で正式に発売される前にすでに一部教育機関に試験的に導入されているのも、そうした完成度の高さのよるものだ。先行導入の1つである広尾学園では、1クラス全員と教員がChromebookを授業や生徒同士のコミュニケーションに現在も活用している。バッテリー駆動時間は8.5時間で、ACアダプターなしでも校内で十分運用できており、4GBのメモリーもブラウザのタブを多く開くような用途で生きているとのこと。

Chromebookの利点の1つに管理が比較的簡単という点がある。学校のように専門の管理者がいない環境では、教員が管理者にならざるを得ない。ここでChromebookに用意されている「管理コンソール」で簡単に管理ができることが重要なポイントになっていると言える。

Chromebookは、これから育っていくまったく新しい製品だが、一部で導入が始まっていることでAndroidタブレットよりも、よりWindows PCライクな使い方が、かなりの低コストで実現できる製品として受け入れられ始めているようだ。今後、導入事例が増えていくことで、日本市場では日本エイサーの製品が力をつけて行きそうだ。他にもChromebookを出しているメーカーがあるわけで、早く動かないとエイサーとデルに、おいしい部分を持って行かれるかもしれない。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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