女探偵が語る ″オトコとオンナの事情″(後編)


女探偵としてオトコとオンナ、人と人、さらにはお金と人など、多くの現場に立ち会ってきた大徳直美さんに聞く"オトコとオンナの事情"。前編に引き続きお届けする後編の今回は、探偵に寄せられた依頼が生んだ意外な感動話や、多くの男女を見てきた経験に基づいた「うまくいく男女・うまくいかない男女」などを聞いた。

――「探偵」と聞くとどうしても浮気や不倫などのドロドロした話を聞きたくなってしまうのですが、逆にイイ話系のエピソードがあればお伺いしたいのですが。
大徳直美(以下、大徳)そうですね。数が多くはないのですが、そういった案件もあります。これは既婚男性Aさんからの依頼でした。Aさんは今の奥さんと結婚する前には、結婚まで考えて真剣にお付き合いをしていた女性(A子さん)がいたのですが、ある日突然別れを切り出されて、フラれてしまったということでした。さまざまな理由を考えても思い当たる節がなく、失意の日々を過ごしていたようです。見かねたAさんの母親が「いつまでも気にしていないで次の恋を探しなさい」と励まされ、たまたまご近所さんが持ってきてくれたお見合い話がトントン拍子に進み、今の奥様と結婚したようです。両家ともにしっかりとした家柄ということもあり、しばらくは順調な結婚生活を営んでいたようですが、なかなか子供に恵まれなかったようです。そんなときお母さんがポロっと「こんなことならA子さんと結婚させればよかった」と口にした言葉をAさんが聞いてしまったようです。

――お母さんはA子さんのことを知っていたんですね。
大徳自宅にも遊びに来ていたので面識はあったようなのですが、なんとなくA子さんとの別れに母親が関係してるのではないかと疑問を抱き、別れてから5〜6年経過していたにも関わらず、別れの原因を調査して欲しいということで依頼が来ました。

――すでに結婚しているにも関わらず調べて欲しいと思うほど、気持ちが強かったんですね。
大徳私たちはなんとか彼女の行方を探し出して、Aさんとの別れの真相について聞いてみました。調査の結果ですが、A子さんとの別れの理由には、やはりAさんの母親が絡んでいたことがわかりました。

――そんなドラマのようなことが現実でもあるんですね。
大徳母親はデートしていた2人を尾行して、彼女の自宅まで突き止め、さらに彼女と2人きりで会って話しをしたそうです。彼のご実家は大きな事業している、いわゆる資産家といえる名家。しかし、彼が結婚を考えた時期というのは、あまり事業がうまく行っていない時期だったようです。
A子さんは彼の母親と2人で話しをしたときに「一般家庭がわたしたちの事業に対して何か貢献できますか?」という問い詰めをされたようで、家柄の違いを悟った彼女は泣く泣く身を引いたようです。

――母親の行動もなかなかパワフルですね。尾行までしますかね。
大徳ちょっと気の強いお母さんで、Aさんも育ちのいい男性という感じで、とても母親想い、いわゆるマザコン男性でしたね。そして、A子さんから聞いた事実を彼に伝えました。Aさんは「どうしても会って謝りたい」と言っていたのですが、彼女の答えは「NO」でした。彼女は彼と別れてから誰ともお付き合いをせず、ずっとひとりで過ごしていたようです。そして、彼への最後の伝言は「今の奥さんと幸せに暮らしてください」でした。さらにわたしたちには「私は結婚していて、おなかは子供もいることにしてください」とお願いされました。優しい嘘ってあるんだなと実感して、とても心に残っている案件です。

――その後、彼はどうしたんですか?
大徳彼女との縁を戻せないと知った彼は、離婚を決意しました。母親への復讐の意味合いもあったのかもしれません。

――すごい結末ですね。
大徳でも、この話には続きがあるんです。すべての原因は夫婦に子供ができないことだったのですが、後で病院で調べてみると、その原因が実は彼にあることがわかったのです。彼はこの事実を知り、結局は元の奥様と復縁されたようです。すべてがめでたしではないのですが、なんとも複雑な決着を見たパターンですね。


――依頼者も対象者もいろいろな方に接してこられたかと思いますが、うまくいく男女、うまくいかない男女に、何かわかりやすいポイントはありますか?
大徳お互いが精神的に自立している男女の場合はうまくいくことが多いように思います。わかりやすい判断材料としては、相手の今夜の予定を知っているか聞いてみることです。答えとしては「彼(彼女)はどこで何をしてるかわからない」ぐらいがちょうどいいですね。逆にお互いの行動を知りすぎてるいるのはNGかなと思います。「今夜は飲み会らしい」程度に把握していれば十分で、逆に「どこで、誰と、何時から飲んでいる」という詳細までしっかりと把握しているカップルは、別れてしまうケースが多いように思います。自立しているカップルの場合は、お互いにひとりの時間を確保しているので、それほどお互いのスケジュールが気にならないのかも知れませんね。

――男女の関係を保つのは精神的な自立が重要だということですね。
大徳さらに言える特徴としては、これも男女ともにですが、すべての行動理由がオトコ、オンナというウェートが高い人も要注意ですよね。仕事柄、日常的に多くの人の行動を観察したり、直接お話をしたりするのですが、異性への依存性が高くて、物事の優先順位がすべてパートナーとなってしまっている人も、恋愛が長続きしないパターンかもしれません。特に女性に多いのですが、このタイプの場合は、友人との約束ですら「ゴメン、彼が」という理由でキャンセルしてしまう。そういう人ってなかなか幸せになれない傾向にありますよね。

――他に何か恋愛で特徴的なタイプの人っていますか?
大徳これは女性の場合ですが、逆にいつでも男性の誘いに乗ってくるタイプの女性はストーカー気質の人が多いかもしれません。男性のみなさん、女性のストーカーにはホントに気をつけてください(笑)。誘いやすい女性を軽い気持ちで誘い続けて関係を持ってしまうと、揉め事に発展しやす場合もありますから。

――女性のストーカーはなかなか怖そうですね
大徳女性ストーカーの場合は、相手の男性が一番嫌なコトをわかって攻撃してきますからね。嫌がらせの方法を熟知していて、どうやっても振り向いてくれないオトコには会社宛にFAX送ったり、郵便物を送ったりと平気でやりますから。

――たとえばですが、浮気調査などの依頼を受けて現場に行かれて、調査対象者と浮気相手とのほうがうまく行くんだろうな、と経験的に思ったりすることもありますか?(笑)
大徳ちょっと、答え難い質問ですね(笑)例えばですが、専業主婦の方が旦那さんの浮気調査を依頼された場合ですが、尾行や打ち合わせの現場にもすっぴんで来られる場合もあります。お忙しいのは分かるんですが、「ちょっとお化粧したりしましょうか?」なんてアドバイスをすることもあります。旦那さんの浮気相手は、たいていの場合は綺麗で若いOLさんですからね。調査対象と明確に比較してどうこう、ということではないですが、ちょっと女性らしくしましょう、といったアドバイスがすごく有効になることもあります。

――探偵の職務内容にはカウンセリングのような内容も含まれているんですね。
大徳依頼者に真実をお伝えすることだけでなく、依頼主側にも悪い部分があった場合には、気づかせるというのも、大事な仕事ですから。調査ばかりが探偵の仕事ではないんです。


■プロフィール
大徳直美(だいとく なおみ)
探偵業界最大手の総合探偵社ガルエージェンシー(株)ゼネラルマネージャー。女探偵ナオミ』として浮気・離婚問題等さまざまな案件で活躍中。

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