【IT革命児】世界最大級のポータルサイト「Yahoo!」を創った男「ジェリー・ヤン氏」


Yahoo!といえば、世界で最大級のポータルサイトだ。検索に始まり、ニュース、メール、コミュニティ、ショッピングなど、今日では80種類を超えるサービスを提供している。いらなくなった物を販売したり、お店で売っていない商品を購入できるヤフオクも、Yahoo!の日本法人であるYahoo!JAPANが提供するオークションのサービスだ。

そんなYahoo!は、ジェリー・ヤン氏※とデビッド・ファイロ氏の2人によって共同で設立された。ジェリー・ヤン氏が歩んだ道のりとともに、Yahoo!の誕生から今日までの経緯を振り返ってみよう。
※Jerry Chih-Yuan Yang氏。中国語繁体字で表記すると、楊致遠氏。


■Yahoo!創設者の半生
ジェリー・ヤン氏は1968年11月6日、台湾の台北市生まれた。母親は英語教師。2歳のときに父親をなくしている。1978年、彼が10歳のときには母親や弟とともにアメリカのカリフォルニア州サンノゼに渡っている。

●苦手な英語を克服
ジェリー・ヤン氏は英語を苦手としていたが、その英語をわずか3年足らずで習得する。高校では成績が優秀な生徒のみが履修できる大学レベルの英語を扱うクラスに分けられたというから驚きだ。

その後、スタンフォード大学で電気工学を専攻し、1990年に電気工学の理学士号と理学修士号を取得している。在学中は、ウッドロウ・ウィルソン大統領も入会していたことでも有名な学生友愛会「ファイ・カッパ・サイ」のメンバーにもなっている。

●大学時代の友と起業
1994年4月、博士課程に在籍していたときの友人 デビッド・ファイロ氏ともに、インターネットのディレクトリサービスを制作し、サービスを開始しはじめる。最初のうちは自分たちがよく利用するウェブサイトのリンク集を集めたサイトであったが、資金と運営ノウハウをベンチャーキャピタル※から提供され、1995年3月にYahoo!の共同設立に至っている。
※将来、成長が期待されるベンチャー企業への投資を専門とする金融機関

IT関連企業に勤めている人であれば、その後の快進撃をご存じのかたも多いであろう。1996年にNASDAQで株式公開すると、2人はたちまち資産1億ドル以上の億万長者となった。

●留学が結婚のキッカケに
ジェリー・ヤン氏は1992年、交換留学プログラムで1年間、京都のスタンフォード大学日本センターに滞在。その際に日系アメリカ人の人類学者 山崎晶子さんと出会い、5年間の交際を経て1997年に結婚。その頃に相撲に興味を持ったジェリー・ヤン氏は、Yahoo!を格納した彼の研究用ワークステーションに「アケボノ」、検索エンジンを格納したファイロ氏のコンピュータに「コニシキ」と命名している。

2007年6月、ジェリー・ヤン氏はテリー・セメル氏のCEO辞任に伴いYahoo!のCEOに任命され、今日に至る。現在はAlibaba.com、Asian Pacific Fund、シスコシステムズ、Yahoo! JAPANの役員、スタンフォード大学の理事も務め、多忙な毎日を送っている。


■Yahoo!快進劇の歴史
1995年3月に設立したYahoo!は快進撃を続ける。1990年代後半は、マイクロソフトのMSNをLycos、Exciteなど、多くのポータルサイトが立ち上がっているが、Yahoo!は独自のサービスを提供することで他社のサービスと差別化を図ってきた。

●企業買収でサービスを強化
Yohoo!が今日のように多岐に渡るサービスを提供できたのは、企業買収によるサービスの強化とネットの技術力にある。Yahoo!ユーザーであれば誰でも無料で利用できるYahoo! Mailは、1997年3月8日に買収した「Four11」のメールサービスを元に開発したものだ。Yahoo! GamesもclassicGame.comを買収して誕生している。

1999年1月28日にはGeoCitiesを買収。2000年6月28日にはeGroupsを買収し、Yahoo! Groupsとしている。Yahoo! Messengerのサービスは、2001年7月21日より開始した。

その後もYahoo!は、企業買収を続け、自社サービスを強化している。

●ITバブルで巨大企業へ
2000年頃は、アメリカを中心にインターネット関連の新興企業が急激に成長した「ドットコムバブル」の時期にあたる。Yahoo!は、このITバブルの波にうまく乗ったことで、さらなる大企業と成長した。Yahoo!の社会的な注目度は高く、株価は2000年1月3日に最高475ドルにも達する。

●Yahoo!の名前の由来は?
ところで、なぜ、「Yahoo!」という名前がつかられたのだろうか?

名前の由来には諸説あるが、2つの有力な説があるので、ここで紹介しよう。

ひとつめは、ヤン氏とファイロ氏は、彼ら自身を「ならず者」だと考えていることから「粗野な人」という意味を持つ「yahoo※」を選んだという説。ジョークなのか、真実なのかは、彼らのみぞ知るところだ。

もうひとつは、「Yet Another Hierarchical Officious Oracle(またしても出てきた階層的でお節介な神の言葉)」の頭文字をとり、「Yahoo!」としたという説である。
※「ガリヴァー旅行記」に登場する野獣の名前が由来


今日でもYahoo!は、良質のネットサービスを無料または低価格で提供し続けているが、ジェリー・ヤン氏が目指しているサービスとは、いったい何なのかだろうか?

その答えは、彼の名言の中にあった。

「インターネットは人々に公平な情報収集の機会を与えるというが、
情報発信手段を持つ人と持たない人との力の差は広がる。
人々の間に存在する格差を解消するサービスを提供したい。」ジェリー・ヤン


参考
ジェリー・ヤン | Yahoo! | ファイ・カッパ・サイ - ウィキペディアによる解説
Yahoo! Management Team(英文) - Yahoo!
Jerry Yang and Akiko Yamazaki(英文) - Asian Pacific Fund


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編集部:関口哲司
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