Qualcomm、スマホなど向け新ハイエンドチップセット「Snapdragon 835」の詳細を正式発表!搭載したARスマートグラス「ODG R-8」をはじめ、AndroidだけでなくWindows 10もサポート



クアルコムが新SoC「Snapdragon 835」の詳細を発表!

Qualcommは4日(現地時間)、アメリカ・ラスベガスにて2017年1月5日(木)から8日(日)まで開催される世界最大級のIT・家電関連イベント「2017 International CES(CES 2017)」に合わせてプレスカンファレンスを開催し、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けハイエンドチップセット「Snapdragon 835」を正式発表するなどしています。

同社の最上位統合チップセット(SoC)となるSnapdragon 835は、初の10nmプロセスルールで製造され、パッケージ面積を30%削減したとのこと(写真の左から820、835、1セント硬貨)で、同社の通信チップ「X16 LTE」(DL:LTE UE Category 16、UL:LTE UE Category 13)やCPU「Kyro 280」(2.45GHz×4コア+1.9GHz×4コア)、GPU「Adreno 540」、ISP「Spectra 180」、DSP「Hexagon 682」、セキュリティーパッケージ「Haven Security Suite」を内蔵しています。

また、ODGと共同でSnapdragon 835を搭載したARスマートグラス「ODG R-8」を開発していることを発表し、Googleが開発を進める3Dカメラ機能「Tango」やVR機能「Daydream」、機械学習機能「TensorFlow」などをサポートしているほか、AndroidだけでなくMicrosoftが発表したARMコア向けWindows 10もサポートします。

Snapdragon 835は、昨年11月にすでに概要は発表されていましたが、新たに詳細とともに正式発表されました。現在出回っているハイエンドチップセット「Snapdragon 820」や「Snapdragon 821」の後継となるハイエンドチップセットで、他社に先駆けて10nmプロセスルールで製造することで、820や821と比べて大きさが30%小さくなり、消費電力が25%削減されているということです。

また820や821ではコアは同じKyroシリーズのCPUでしたが、2コア+2コアの4コア(クアッドコア)だったものの、新たに4コア+4コアの8コア(オクタコア)に再びコア数を増やしています。メモリー(RAM)についてもLPDDR4-1866MHzまでをサポート。

GPUも820や821のAdreno 530からAdreno 540になり、処理性能が25%向上。OpenGL ES 3.2やOpenCL 2.0 Full、DX12、VulkanなどのAPIをサポートするほか、4Kプレミアムムービーを再生するのに必要なHDR 10をサポート。デュアル14bit対応ISP(Image Sensor Processor)のSpectra 180も搭載し、シングルなら約3200万画素まで、デュアルなら約1600万画素までのカメラ撮影に対応しています。

DSPのHexagon 682を搭載したことで従来までは「Caffe」だけだったフレームワークも新たにTensorFlowにも対応。セキュリティーもHaven Security Suiteで強化されるなど、かなりリッチなSoCとなっています。

またwith X16 LTEとして搭載される通信チップセットも下りがカテゴリー16による最大1Gbps、上りがカテゴリー13による最大150Mbpsとなり、無線LAN(Wi-Fi)においてはIEEE802.11acの2x2 MU-MIMOやIEEE802.11ad(WiGig)、Bluetooth 5、NFCなどもサポートしています。

充電も新たに急速充電「Quick Charge 4」(QC4)が導入され、新たにデュアルチャージ技術を導入することで「Quick Charge 3.0」(QC3.0)と比べて最大20%高速、最大30%高効率に充電可能となり、0から50%までを約15分で充電可能になるとのこと。さらにUSB PDやUSB 3.1にも対応。

OSも従来までのAndroidだけでなく、昨年末にMicrosoftが発表したARM版Windows 10もサポートし、最初の製品はSnapdragon 835を搭載して年末商戦に登場することがアナウンスされました。

記事執筆:memn0ck


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