通話相手の存在感を伝える抱き枕『ハグビー』―ヴイストン ロボットセンター 東京秋葉原店で2012 年4 月27 日〜5 月27 日に展示【話題】




かつてSF映画で観た、テレビ電話のような通信メディアを使って、遠く離れていても親しい人の顔を見ながら話ができるツールは、あっという間に私たちの生活に浸透した。それでも物足りなさを感じるのはなぜだろう。やはり、スクリーンの向こう、スピーカーの向こうからは、どうしても伝えられない、相手の存在感だ。
大阪大学大学院 基礎工学研究科の石黒浩教授は、ATR 石黒浩特別研究室において、こうしたテーマに長年取り組んできた。ロボットセンター東京秋葉原店の店舗内の「H. Ishiguro デザイン展」では、研究室の今までの成果を特に一般の人に親しんでもらうべく展示会を開催中だ。展示品の中でも、写真の『ハグビー』は近日販売を予定しており、いち早くプロトタイプを見ておきたいものだ。

「アンドロイドを抱きかかえたり、握ったりしながら対話することによって聴覚だけでなく触覚も通して相手の情報を得ることが、相手の存在感を強く感じる効果的な方法である」というテーマのもと、ソフトな発泡マイクロビーズを内包した抱き枕『ハグビー』が登場。これに携帯電話を接続すると、鼓動を再現する振動を発生し、相手を抱きしめて話している感覚が味わえるという。なお、存在感を伝えるのにより効果的なバイブレーションについては、まだ研究開発を進めているところなので、近日販売するものは振動を発生しないタイプのようだ。

写真だけ見るとちょっと不思議な世界だが、何といっても人らしい存在感を伝達するための必要最小限の要素を研究し尽くして開発された通信用メディアなのだ。展示場でどこまで体験できるかは、行ってのお楽しみ。忙しい時代に足りないものを「しかたない」で済ますことなく求め続ける。そんな最新テクノロジーに触れて、前進しつづけるパワーをもらってこよう。

開催場所
ヴイストン ロボットセンター 東京秋葉原店
〒101-0021 東京都千代田区外神田1-9-9 内田ビル4F
Tel: 03-3256-6676
Fax: 03-3256-6686
*アクセス JR・東京メトロ秋葉原駅(JR 秋葉原駅電気街口)より徒歩3 分


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(MIYUKI KOMATSU)

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