記憶メディアから周辺機器へ!「SDカード」の最前線【最新ハイテク講座】


デジタルカメラやデジタルビデオカメラの記録用メディアといえば、SDメモリーカード(以下、SDカード)やコンパクトフラッシュカードを真っ先に思い浮かべる人が多いであろう。とくにSDカードはデジタルカメラに限らず、デジタルビデオカメラやポータブル音楽プレイヤー、フォトフレーム、ボイスレコーダーのメディアとしても使用されている。
身の回りにSDカードを使うものは何個ある? - トレビアンニュース

また最近では、ニンテンドーDSiやネットブックの記憶メディアに、OSにWindows Vistaを内蔵したマシンではメモリーを利用して高速化を実現する「レディーブースト」のメディアとしても使用される。さらに小型版のmicroSDカードは携帯電話に使用されているのだ。

そんなSDカードが大きく変わろうとしている。SDカードの規格化団体である「SD Association」は2009年1月7日(現地時間)、現行のSDメモリーカードの上位規格「SDXCカード」の仕様を策定したと発表した。メディアサイズは同じだが、機能は大幅に強化されるのだ。
SDXC SIGNALS NEW GENERATION OF REMOVABLE MEMORY WITH UP TO 2 TERABYTES OF STORAGE(英文/PDF形式)

SDカードは身近なメディアであるだけに気になる人も多いであろう。そこで今回は、さまざまなデジタル機器に利用されている「SDカード」の最前線に迫ってみよう。


■SDカードの歴史とその技術
SDカードとは、どういうものなのか。SDカードはどのようにして誕生したのだろうか。これまでの歴史をみてみよう。

●SDカードとは?
SDカードとは、Secure Digital Memory Cardの略称で、フラッシュメモリーカードの規格のひとつ。1999年8月25日、パナソニック(当時は松下電器産業)、サンディスク、東芝によって、メディアの共同開発規格として発表された。

メモリーの中には電気が切れると記録を保持できないチップもあるが、SDカードで使われているフラッシュメモリーは電気が切れていてもデータを保持し続けることができる。


●SDカードの仕組みは?
SDカードは、インターフェイスドライバとフラッシュメモリー、および、それぞれを制御する回路から構成されている。SDカードは著作権保護技術(CPRM)を内蔵し、機器間との相互認証が正しく行われないと、フラッシュメモリー内のデーターにアクセスができない。
SDメモリーカードの魅力 - パナソニック


■SDカードの種類と用途
一口にSDカードと言ってもいくつかの種類があるので、簡単にまとめてみた。

●SDメモリーの種類と大きさ
SDカードは本体サイズの違いで3種類に大別することができる。

・SDカード
カードサイズは切手とほぼ同サイズだが、大容量のデータを記憶できるのが最大の特徴。SDHC規格であれば、最大32ギガバイトぶんのデータを記録できる。

・miniSDカード
SDカードの小型版。端子はSDカードよりも2本多いが、SDカード変換アダプターに装着することで、SDカードとしても使用することができる。

・microSDカード
microSDカードは、サンディスクが2004年2月に開発した「TransFlash(トランスフラッシュ)」の仕様を引き継いだもの。変換アダプターを用意すれば、SDカードやminiSDカードとしても使用することができる。

SDHCカードはSDカードの上位規格。SDカードの記憶容量は最大4ギガバイトまでだが、SDHCカードは最大32ギガバイトまで対応できる。ただし、SDHCカードはSDHCロゴが機器または説明書に表記されている製品でしか使用できない。

表1.SDカードの仕様
 SDカードminiSDカードmicroSDカード
動作電圧2.7〜3.6V2.7〜3.6V2.7〜3.6V
端子数9ピン11ピン8ピン
端子ガード突起ありなしなし
誤消去防止スイッチありなしなし
サイズ(幅×長さ×厚さ)24×32×2.1mm20×21.5×2.4mm11×15×1.0mm
重量約2g約1g約0.4g

●SDカードの速度
SDカードは、データの転送速度の違いを表現するために、「倍速」「Class」という2種類の速度表記がある。

・倍速表記
初期のコンパクトディスク(CD-ROM)の読込速度である150メガバイト/秒を基準とし、転送速度を表現したもの。ただし、測定条件は規格で定められていないので、同じ速度表記のSDカードであっても、メーカーや型番が違えば、転送速度も違う場合がある。

表2.倍速表記と転送速度
速度表記転送速度
60倍速9メガバイト/秒
70倍速10.65メガバイト/秒
80倍速12メガバイト/秒
133倍速20メガバイト/秒
150倍速22.5メガバイト/秒


・SDスピードクラス
SDHCカードから新たに登場した速度表記。クラス(Class)の違いでClass 2/Class 4/Class 6の3種類があり、数字が大きいほど転送速度が速い。

表3.SDスピードクラスの種類と転送速度
クラス転送速度
Class 22メガバイト/秒(16メガbps)以上
Class 44メガバイト/秒(32メガbps)以上
Class 66メガバイト/秒(48メガbps)以上


・速度の違いは、何に影響するのか
速度の違いをもっとも体感できるのがデジタルカメラだ。デジタルカメラで高解像度の(ピクセルが大きい)写真を撮影した場合、転送速度の遅いSDカードは速いカードにカードに比べてデータの書き込みに時間が掛かるので、次の撮影を行うまでの時間が長くなる。

OSにWindows Vistaを採用したパソコンでは、「レディーブースト(ReadyBoost)」と呼ばれる機能によって外部メモリーをキャッシュとして利用できるが、低速なSDカードはレディーブースト用のメモリーとして使用することができない。

転送速度が高速なSDカードは低速なものに比べ、製造にコストが掛かる。あくまでひとつの目安だが、転送速度が表記されていない安価なSDカードには、転送速度が遅い製品(Classが低い)が多く見受けられる。


■SDカードが築く未来
●32ギガバイトの壁を超える - SDXC
SDカードの規格化団体である「SD Association」は2009年1月7日(現地時間)、現行のSDメモリーカードの上位規格「SDXCカード」の仕様を策定したと発表した。
現在のSDHCカードでは、メモリー容量は最大32ギガバイトだが、SDXCカードは最大2テラバイトまでの大容量化を実現するというのだ。

SDXCカードはSDカードと上位互換があるので、SDXC機器はSDカードを使用できるが、その逆はできない。またSDXCカードにはminiSDカードサイズが用意されずに、SDカードサイズとmicroSDサイズ(microSDXC)の2種類となっている。

利用機器としては、デジタルカメラや業務向けのデジタルビデオカメラ、携帯電話向けの大容量メディアとして使用される予定だ。
Ces 2009: New SDXC Memory Card Spec Supports 2TB Capacities - GIZMODO
SDXC SIGNALS NEW GENERATION OF REMOVABLE MEMORY WITH UP TO 2 TERABYTES OF STORAGE(英文/PDF形式)


●メモリーから周辺機器へ
SDカードにはメモリー規格のほかに、「SDIO」「Embedded SD」と呼ばれる周辺機器の規格がある。

・SDIOカード
SDIOカードは、インターフェイスを想定した規格だ。SDIOのSDカードも大きさの違いで、SDカードと同じサイズのSDIOカードとminiSDIOカードの2種類が製品化されている。

・Embedded SD
SDメモリーカードとの互換性を高めることを目的とした、デジタル機器の内蔵メモリー規格。SDカードの仕様をベースにさまざまな機器で共通のインターフェイスを利用する。


以上のように、メディアとして誕生したSDカードだが、今やスマートフォンをはじめとする小型デバイスの周辺機器として使用されている。SDカードは小さなカードであるものの、統一規格であるだけに今後もさまざまな分野での利用が期待できるカードと言えるであろう。


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