同じLTEだけど何が違う?速いのはどっち?「docomo Xi」vs「EMOBILE LTE」を山手線1周速度を調査【レポート】
リアル山手線1周で調査してきましたよ〜 |
イー・アクセスが同社の携帯電話サービス「イー・モバイル」向けに2012年3月15日(木)から開始した次世代高速データ通信サービス「EMOBILE LTE」。筆者もようやく先日2日にEMOBILE LTE対応端末「Pocket WiFi GL01P」(ファーウェイ製)を購入することができましたので、早速スピードテストをしてみました。
今回試したのは、山手線1周の旅です!その実力はいかほどか!?
■ 「EMOBILE LTE」はどんなサービス?Xiとの違いは?
EMOBILE LTEは、NTTドコモの「Xi(クロッシィ)」に続いて、同じFDD方式によるLTE(Long Team Evolution)サービスとして開始されました。主な違いは、以下のようになります。
サービス | EMOBILE LTE | docomo Xi |
通信方式 | FDD-LTD | FDD-LTE |
周波数帯 | 1800MHz帯(Band3) | 2GHz帯(Band1) |
周波数帯域 | 5MHz または 10MHz | 5MHz×1(屋外) および 5MHz×2(一部屋内) |
最大通信速度 | 下り37.5Mbps/上り12.5Mbps または 下り75Mbps/上り25Mbps | 下り37.5Mbps/上り12.5Mbps または 下り75Mbps/上り25Mbps |
サービス開始 | 2012年3月15日 | 2010年12月24日 |
ともにLTEエリア以外では、3Gによるデータ通信が利用可能で、イー・モバイルでは「EMOBILE G4」(HSPA+/DC-HSDPA方式)で最大下り42Mbps/上り5.8Mbps、NTTドコモでは「FOMAハイスピード」(HSPA方式)で最大下り14.4Mbps/上り5.7Mbpsとなります。
現時点での主な違いは、EMOBILE LTEではEMOBILE G4をすでに展開しているエリアにおいて周波数幅10MHzが確保できない場合に5MHzで下り37.5Mbps/上り12.5Mbpsなり、一方のdocomo Xiも屋外では同じように最大速度が半分です。
そんな同じLTEを利用したデータ通信サービスですので、今回は「Pocket WiFi GL01P」の「EMOBILE LTE」だけでは寂しいかと思い、docomoのXiも参加させることとなりました。
端末は「GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D」です。というのも筆者、docomo Xiのデータカードは持っていないので、やむを得ずタブレットからテザリングという方法を選択してみました。
両方ともWi-Fiを利用するわけですが、速度計測した方法はできるだけ公平になるように、両方とも第4世代iPod Touchで、速度テストアプリの「XTREME SPEEDTEST」というアプリを利用しました。
それでは、山手線の駅に到着するたびにスピードテストという流れで計測した結果が以下のようになります。
画像にもありますが、計測日時は2012年4月2日(月)の平日で、15時〜17時となっています。ですので、通勤時間は避けているのですが、そこそこ人の動く時間帯となっています。
■ 利用人数が少ないのか、快適な「EMOBILE LTE」
結果としては、「EMOBILE LTE」の圧勝という結果となりました。山手線全駅でXiが勝ったのはわずか1駅で、それ以外は「EMOBILE LTE」の方が上りも下りも速いという結果です。
しかも、平日昼間という計測時期にも関わらず、田端駅では9Mbpsに近い数字も出しています。
内容としては、やはりサービスインからまだ半月ということで絶対的な利用者数が少ないという点があげられます。事実、LTEの電波よりも3G(HSPA)の電波が良好でそちらの通信を利用していた場合には下りでも1Mbpsを切ることもありました。
■ 散々な内容だったdocomo…しかし
対して散々な内容だったのが「docomo Xi」の「GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D」です。半数の駅ではLTEではなく3Gでの計測となりました。また、LTEであっても下りで1Mbpsを上回ったのはわずか2駅のみです。
しかも、Xi対応スマートフォンでは能動的に3GとXiを切り替えることができないために、ほぼ半の駅で3G計測となりました。もっとも、「EMOBILE LTE」でもLTEと3Gの自動切り替え設定でしたが……。
しかしながら、同じ第4世代iPod Touchで、速度テストアプリの「XTREME SPEEDTEST」というアプリを利用したとはいえ、片方はモバイルWi-Fiルーター、また片方はタブレット端末のテザリングです。
できるだけ公平にしようと思い「GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D」では自動更新をOFFにしてみたりしましたが、やはりモバイルWi-Fiルーターとは何かしら条件が違ってくるかもしれません。
したがって、docomo Xiでも同じモバイルWi-Fiルーターでは結果が変わってくる可能性があるかと思います。もしXi対応モバイルWi-Fiルーターが手に入ったら再チャレンジしてみたいところです。
■ 大事なのは下り最大速度のではなく、実際の速度
docomo XiやEMOBILE LTEですが、両方ともLTEという高速通信技術を採用しています。両サービスとも、「下り最速75Mbps!」とうたっていますが、これはほんのごく一部地域でのさらに理論値となっています。
LTEサービスエリアの大半は下り最速理論値でも広告表示スピードの半分である37.5Mbps。しかも理論値というだけあってまずそこまでスピードは出ません。実際に注目したいのは、広告上の速度ではなく実際の速度です。
つまり、広告上の速度だけに踊らされるのではなく、実際にデータカードを利用している方や販売店員の方の意見を採り入れると良いと思います。
今回はなかなかな速度が出た「EMOBILE LTE」なのですが、これはあくまでも利用者が少なかったというのがあると思います。今後、利用者が増えるにつれてどの程度速度が変わるのか、というのも追ってレポートできればと思っています。
■ おまけ|東武東上線でも「EMOBILE LTE」使ってみた
筆者の住んでいる埼玉県東松山市に帰る途中の電車内で、「EMOBILE LTE」がどの程度利用できるのかもちょこっと調べてみました。
池袋〜志木:「EMOBILE LTE」圏内でした
志木〜川越:「EMOBILE LTE」圏内ですが、圏外表示が何回も出てきます
川越市以北:「EMOBILE LTE」サービスエリア外のようです
イー・モバイルサービスエリアマップを見る限り、川越の東京よりのあたりが整備途中みたいなので、ほぼエリアマップ通りだと思います。
ちなみに、中途半端にLTE電波が入るよりは3G電波の方が速度が出ますので、安定した速度を求めるのであれば設定で接続先を3G固定にしてみても良いかもしれません。
記事執筆:ホセ(布施 繁樹)
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