「夫のおこづかい3万円では出世できない!」美人FPによるマネーアドバイス
今回は、花輪先生にlivedoorユーザーが気になるであろう、お金の悩みについて質問してみた。
――2011年のサラリーマンの平均お小遣い額はバブル崩壊後最低額の3万6500円となりました(新生フィナンシャル調べ)。そんな中、先生は著書の中で「夫のおこづかい3万円では出世できない」という、僕たちにとって、なんとも心強いメッセージを発していらっしゃいますが、その意図をおきかせください。
花輪陽子先生(以下、花輪):確かに家計を切り盛りしていると、おこづかいは狙われやすいので減らされがちですが、サラリーマンの場合、「必要経費」って絶対にあると思うのです。
たとえば3万円では、飲食代だけで大部分が消えてしまいます。時にはお付き合いで飲みにいくことも大切ですし、自己投資も必要です。3万円ではそれが難しいことは明らかです。
――心強いお言葉ありがとうございます!このページを印刷して自宅のテーブルにひそかに置いておきます(笑)ちなみに、「おこづかい」は給料の何%くらいが適当、という目安はありますか?
花輪:はい、あります。収入によって変わってくるかとは思いますが、「年収の10%」が一つの目安です。といいますのは、諸外国では10%以上の国が多いのです。10%以上にして夫に裁量を与え、その中から付き合いのための費用ですとか、自己投資のために本を買ったりですとかをしてもらっているのです。それから、私はそもそも「おこづかい制」にこだわらなくてもいいと思っています。昔は、家計は奥さんがにぎるものというのが常識でした。しかし今はライフスタイルが変化していますので、男性も勉強して自分で管理、または夫婦2人で管理してもいいと思うのです。男性も勉強することで発言権や裁量が増えます。つまり、パートナーにまかせっきりにしないことが大事なのです。
――要求するばかりではなく、男性も能動的になるべきということですね。反省です。反省といえば、僕はついコンビニで買い物をしてしまうのですが、コンビニの上手な使い方ってありますか?
花輪:コンビニですか。そうですね、サラリーマンの方って、かなりの頻度でコンビニを利用されているかと思います。まずアドバイスしたいのは、必ず「レシートをもらってください」ということです。おそらくレシート置き場に捨ててしまう人が多いかと思いますが、持ち帰ってください。
そして可能であれば、ファイリングでもなんでも構いませんので、コンビ二のレシートを貯めてほしいのです。すると、ご自身がどれだけ買っているかが視覚化されます。
――なるほど。見たくない現実を直視するわけですね。想像するだけでも効果がありそうです。それから先生、コンビニで「ポイントカードを持っていますか?」と毎回聞かれるのですが、あれは持つべきなのでしょうか?
花輪:ポイントカードは異業種店舗が連携しているケースが多いので、貯めるとお得ですが、各コンビニ毎にカードの種類が違いますので、ひいきにするコンビニを絞って利用された方がいいかと思います。
――ポイントカードといえば、クレジット機能がついているものもあります。クレジットカードのメリットと気をつけるべき点について教えてください。
花輪:クレジットカードは使い方次第です。私自身昔クレジットカードを使いすぎてしまった、苦い経験があります。ある調査によると、カード払いにすると消費が2割増えるそうです。便利なので使いすぎてしまうわけです。また、リボ払いにしてしまう方も多いです。実際、読者から「リボ払いで苦しんでます……」というお便りをよくいただきます。クレジットカードに関する知識もなく、安易にリボ払いにしてしまうと危険です。
その一方で、消費に対してポイントが付与されるというのはクレジットカードならではのメリットでもあります。支出をすべてカード払いにするのも家計簿代わりになったりもします。たとえば、公共料金・税金・保険料などの絶対払わなくてはいけないものや、結婚費用などの支払い金額の大きいものはカード払いにすると、特にメリットを享受できます。
――タイムリーな話題として、「ボーナス払い」はどうなのでしょう?最長半年支払いを先延ばしでき、利息もつかないのでお得な気がしますが……?
花輪:リボ払いよりは良いかと思います。しかし、このご時勢ボーナスはカットされることもあります。また買った時は得だと思っても支払う時点ではそうでもなくなっているものもあります。
私も、リボ払いとボーナス払いを併用してやっていました。夏のボーナス→冬のボーナス→夏のボーナス、という感じで、ボーナス払いループから抜けられなくなる危険性がありますので、注意が必要です。
――続いては、少し大きな額の話題に移らせていただきます。livedoorユーザーの中には、持ち家を購入すべきか、このまま賃貸でいくべきか迷っている方も多くいることと思います。ケースバイケースかとは思いますが、先生のご意見をおきかせください。
花輪:まずコスト面から考えると、どちらがお得とも一概に言い切れません。転勤が多い方や両親の持ち家を引き継げる方は特に、賃貸でよいかと思います。
今回の震災でも明らかになったように、ある日突然住宅価格が下がってしまうこともあります。また、病気や失業など、働けない状況に陥った場合に住宅ローンを払えなくなってしまう可能性もあります。住宅を購入する場合には、もろもろのリスクが発生した場合に、“返済できる金額”しか借りない、これが鉄則です。
――では一歩踏み込みまして、住宅ローンを組む金額の目安がありましたら、教えてください。
花輪:ローンを組む時点の年収の3倍程度にとどめていただければ、余裕を持って返済できます。一般的には年収の4倍といわれています。ただし銀行は年収の5〜6倍は貸してくれますが。また、みなさん安易に売却すればいいやと考えがちなのですが、新築マンションは買った時点で2割価格が低下します。売るにも売却価格と同じくらいのローンの返済が進んでいないときびしいということを頭にいれましょう。
「みんなが買っているから自分も買う」という漠然とした発想ではなく、くれぐれも自分や家族のライフプランをしっかりと考えてから判断してください。
――最後に、「貯蓄」の話題です。病気や震災などの緊急時に対応するために、僕たちはいくら用意しておけばよいのでしょうか?
花輪:ご相談があった際には、「緊急資金は家計で200万円を目安に貯めましょう」とお話ししています。これは半年分の生活費に相当します。ですので、今現在何も貯蓄ができていない方は、まず緊急資金200万円を用意しましょう。
【終わりに】
スペースの関係でカットしたが、インタビュー中先生が「家族全員が健康でいることが奇跡。お金の備えがあれば、少なくともお金の心配をしなくて済む。平時から備えておくことが大切」と、おっしゃっていたのが印象的であった。「持ち家」「夫が働き妻は専業主婦」など、僕たちの両親の時代には常識であったライフスタイルは、既に過去のものになっている。
僕たちは、月の「おこづかい」から将来の「貯蓄」まで、自分のあたまで考え、変化に対応できるライフプランを立てていく必要があるのだ。
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