国際福祉機器展2018:言語・聴覚障がい者でも通話ができる!NTTドコモ、自動テキスト化などによるスマホなど向け通話補助アプリ「みえる電話」を展示【レポート】



NTTドコモが見せた「聞こえない」「聞き取れない」に苦しむ言語・聴覚障がい者に対する答え!

東京ビッグサイト(東京・お台場)にて10月10〜12日まで約550の企業・団体が出展するアジア地域最大級の福祉・医療関連などの展示会「第45回 国際福祉機器展 H.C.R.2018(International Home Care & Rehabilitation Exhibition 2018)」(主催:全国社会福祉協議会および保健福祉広報協会)が開催されました。

今回は前回に引き続き、NTTドコモと富士通が共同出展していたブースレポートの後編として、NTTドコモが来春の正式リリースに向けて現在開発中の通話補助アプリ「みえる電話」を展示していましたので紹介したいと思います。


通話内容のリアルタイム変換サービス「みえる電話」

みえる電話は、NTTドコモが現在開発中のスマートフォン(スマホ)など向け通話補助サービスで、通話相手の言葉をリアルタイムに文字へ変換してスマホなどの画面に表示して利用します。

これにより、耳が聞こえない人などでも通話ができるようになるとのこと。またサービス利用者側が文字で入力した言葉を音声に変換して相手側に伝えることのできるため、言語障がい者も利用可能だとしています。


「みえる電話」の概要

特徴は上記の概要にも書かれている通り、サービスを利用している側でない「通話相手」にはアプリの導入が不要であり、通話相手側は固定電話や他社携帯電話、フィーチャーフォン(従来型携帯電話、いわゆる「ガラケー」)などでもOKであるという点です。

・みえる電話の利用の流れ
利用するためにはまず、みえる電話の利用者が相手の電話に発信(または通常の電話機からみえる電話の利用者へ電話を発信)し、通話がつながると、非利用者側にガイダンス音声の要領で「相手側がみえる電話サービスを利用している」ことが案内され、その後に通話状態となります。

ここで、みえる電話利用者側がメールやメッセージの要領で、文章や言葉を入力して「▶発話」キーを押すと、即座に音声化して相手側に音声で入力した言葉を伝えることができます。


メールやダイレクトメッセージのように入力して発信するだけの簡単操作

また逆にみえる電話利用者の話し相手が声で話した内容もすぐに文字化され、みえる電話利用者のスマホにチャットやSNSのダイレクトメッセージに近いレイアウトで表示されます。


みえる電話からは文字でも声でも相手に発信できる(受けるときは音声となる)

実際にブースで試してみたところ、変換のレスポンスは非常に早く、みえる電話を使っている側の文字入力している間の時間が事実上のタイムラグとなってしまうことがあるものの、非常に実用度の高い精度と速さで音声と文字の相互変換がされていることがわかりました。

ただし、通話相手の話し方や周囲の状況によってはうまく変換されなかったり、音声が認識されなかったりすることもあるようです。

説明員によると、想定されている利用シーンとしては電話でしか予約のできないお店への予約にプラン変更といった使い方や宅配便の配達時間の変更(宅配の不在者票が入っていた時に配送しているドライバーへ直接連絡をとったりする場合も)やクレジットカードなどを紛失したときにコールセンターへみえる電話で電話してオペレーターに状況を伝えたりする場合など幅広い用途への活用を期待されています。


様々な利用シーンが想定されている

NTTドコモではこのみえる電話のアプリ配信をAndroid向け「Google Playストア」やiPhone向け「App Store」での配信を予定しており、SIMフリーのスマホなどでも利用可能だとしています。

利用条件としてみえる電話の利用者側がNTTドコモの回線であれば利用可能であるとしており、VoLTEでなくても3Gの通話でも問題なく利用可能であるそうです。つまり、SIMフリースマホにNTTドコモ契約の音声通話可能なSIMカードを挿せば利用可能となっています。

NTTドコモ回線を借りて提供している仮想移動体通信事業者(MVNO)のサービスにおける通話に対応するかどうかについては「利用する場合の電話回線がNTTドコモのものであれば、使える可能性があるが、開発中ということもあり、検証が終わっていないため、今のところは不明とさせていただきたい」ということでした。

・お試しサービスモニターも受付中
みえる電話は、2019年の春頃の正式リリースを目標に現在開発中で、現在サービスのモニター加入者を受け付けており、NTTドコモの公式Webサイト内にある『「みえる電話」特設ページ』からエントリーすることができます。

来年の春には正式に開始予定のサービスではありますが、興味のある方は是非エントリーしてみてはいかがでしょうか。言語・聴覚障がい者のコミュニケーションを助け、円滑にしてくれるであろう、本サービスに筆者は強く期待しています。



記事執筆:河童丸


■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・みえる電話|聞き取れないの不安をなくす|NTTドコモ
・国際福祉機器展

共有する

関連記事

【世界のモバイル】モバイルブロードバンド天国へ!海外で進む高速サービスにみる日本との格差

日本の携帯電話は世界でも最も進んだサービスを提供しているといわれている。ところが海外に目を向けてみれば、日本にはない便利なサービスが多く存在している。特に2006年から各国で開始されている「モバイルブロードバンド」は日本に…

【ケータイラボ】「極める」ケータイ登場!ドコモ 703iシリーズ発表会レポート

NTTドコモは20071月16日(火)、都内 代官山ヒルサイドテラスにおいて、携帯電話端末の新モデル「FOMA 703iシリーズ」など10機種を発表した。FOMA 703iシリーズは、スタンダードな機能を持ちつつデザインにも注力した個性的なモデルと…

【ケータイラボ】au初のテレビ電話対応機種「W47T」

持ち歩いてさっと使う携帯電話にテレビ電話なんて必要なのかなぁと最初は思ったものだ。カップルや親子同士などではアリなんかなぁなどと思ったりもしていた。しかし、知り合いの聴覚障害者がテレビ電話機能を利用して手話で会話してい…

【ケータイラボ】内線電話にもなる!ビジネスケータイ「WX220J」

「WX220J」は、高度化通信規格「W-OAM」に対応した京セラ製の音声端末。発売時期は2007年1月25日を予定。価格はオープンプライスで、ウィルコムストアでの販売価格は、1万1,000円前後の見込み。「WX220J」は、ビジネスシーンで長期に…

【ケータイラボ】3G携帯電話で世界最薄!薄さ約8.4mmのケータイ「708SC」

「708SC」は、ストレートタイプの3G携帯電話機として世界最薄※の約8.4mmを実現したSamsung電子製のケータイ。発売時期は3月上旬以降を予定し、価格はオープンプライス。「708SC」は、単に薄いだけではなく、重さが約73gという軽量設計…