デュアルSIMデュアルスタンバイや指紋センサーに対応したSIMフリースマホ「ZTE BLADE V7 MAX」の性能をベンチマークでチェック!艦これは快適にできる?【レビュー】
発売されたばかりのSIMフリースマホ「ZTE BLADE V7 MAX」のマシンパワーはいかに? |
ZTEジャパンより9月22日から発売された新しいSIMフリーのAndroidスマートフォン(スマホ)「BLADE V7 MAX」(ZTE製)。
メーカー希望小売価格は税別34,800円、税込37,570円ですが、9月30日まではヨドバシカメラにてY!mobileのSIMカードとセットなら19,800円(税込)で販売されています。
格安SIMとしてやや高めの価格設定ではあるものの、動画の視聴やゲームプレイには嬉しい大き目の画面と「デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)」に対応しているなどの特長を備えたミドルハイレンジクラスとなっています。
そんなBLADE V7 MAXについてレビューを行っていますが、前回のプリインストールアプリなどの紹介に引き続き、今回はベンチマークアプリを使って性能を調べてみましたので紹介します。
【基本スペックを確認する】
アプリ「CPU-Z」で取得した「ZTE BLADE V7 MAX」の基本スペック
今回使用するベンチマークアプリは、総合的な機能を計測する定番ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」と「PC Mark」、主にゲームなどで活用される3D描画能力をテストする「3DMark」、そして、CPUをシングルコアとマルチコアの性能を個別に計測する「Geekbench 4」の4つアプリを使って計測します。
BLADE V7 MAXの国内向けモデルでは、基本スペックがチップセットにMediaTek製1.8GHzオクタコアCPUの「MTK6755M」、内蔵メモリー(RAM)が3GB RAM、画面解像度がフルHD(1080×1920ドット)のディスプレイと、CPUはミドルハイクラスといったところですが、RAMが3GBと大き目で動作には余裕を持たせたものになっております。なお、グローバルモデルに存在する4GB RAMモデルの少なくとも現時点では国内での販売予定はないそうです。
搭載されているCPUのMTK6755Mは国内向けスマホでは比較的少数派のMediaTek製で、グローバル向けモデルなどではコスト的に優位なことから主にミドルからミドルハイクラスの製品に採用されることの多いCPUです。
またMTK6755Mに内蔵されているGPU(画像・動画などを処理するプロセッサーのことで「Graphics Processing Unit」の略)はARM Mali-T860となります。
【定番ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」でテスト】
Antutu Benchmarkのスコア(画像=左)とスコア比較(画像=右)
今回のAnTuTu Benchmarkでの計測スコアは45025点。ランク表記を見てもかなり下の方ですが、AnTuTu Benchmarkでは「Nexus 6」ですら75000点へようやく届くくらいの世界で、他のミドルレンジクラスもおおよそ同程度なのでこんなものかなと思います。
【もう一つの定番ベンチアプリ「PC Mark」でテスト】
PC Markでのスコア(画像=左)とスコア比較(画像=右)
こちらも総合力ベンチのPC Markです。スコアは4521点。トップがAndroid TVの据え置き製品である「Nvidia Shield Android TV」で7980点なので、まずまずといったところでしょうか。
スコアの近い機種には「Xperia X」や「Xperia Z3 Tablet Compact」、「HUAWEI P8」の名前が見られます。これらは現行のミドルクラス、あるいは1〜2世代前のミドルハイレンジクラスの製品なのでこちらのスコアで見る総合力は健闘しているといったところでしょう。
【「Geekbench 4」でCPU能力に注視してテスト】
Geekbench 4の計測結果(画像=左)とマルチコア性能の他機種との比較(画像=右)
CPUのシングルコア性能とマルチコア性能を個別にスコアづけできるベンチマーク「Geekbench 4」での結果がこちらになります。
シングルコアでのスコアは690点。画像は割愛していますが、通常使う程度では特に問題のないレベルであるものの、シングルコアのスコアは高くありません。
しかし、マルチコアでのスコアは2701点で「Nexus 6P」に迫るものとなっています。イメージとしては「高くないシングルコア性能をマルチコアでカバーしている」といったところでしょうか。実際に使ってみるとわかりますが、動作自体はかなり軽快で、動作のひっかかりは処理の重いゲームなどをしないかぎりはほぼありません。
【3D描画能力ベンチ「3DMark」でテスト】
3DMarkでのテスト結果(画像=左)とスコア比較(画像=右)
主にゲームなどの立体的な画像処理の能力を計測する3DMarkでのスコアは316点と低いスコアになっています。
この端末の場合、快適にゲームで遊ぶことがセールスポイントではないのですが、せっかくの大きい画面を活かしきれないのは少々惜しい気もします。とはいえ、筆者の手持ちのスマホではベンチマークが完走できずに落ちてしまったSIMフリースマホもあった中で完走しきったのはRAMなどに余裕があったからではないかと思います。
特に(3DMarkの結果が影響する)ゲームの場合はハイエンドからフラグシップ級の製品以外では大きくスコアを落としがちなテストなので、ミドルからミドルハイレンジの製品でベンチマークを完走しきったのは頑張ったと言っていいのかと思われます。
【まとめ〜中程度の性能ながら安定した動作が魅力!?】
今回、テストをしていて思ったのは「BLADE V7 MAXはCPU(チップセット)の基本性能は抑え目ながら大容量RAMによる安定した動作と大きな画面による使いやすさ」を重視しているのかなというところです。処理の重い3D描画のゲームなどは苦しい点が見られたものの、基本的な動作やWebブラウジングやSNSアプリの処理に動画の閲覧は快適に行えたため、DSDS機能と併せて、特性を理解して使いこなせば活躍できるシブい製品ではないでしょうか。
なお、これまでに筆者がAndroidのベンチマークを行うときは毎回、3D描画と動作の「目安」として他にもアプリ「LukaLuka Bench」でテストをしているのですが……今回、描画しきれずにグロテスク画像と化してしまいましたので、こちらについては「計測失敗(不可能)」とさせていただこうかと思います。
さすがにこれはちょっと厳しい……(※閲覧注意)
逆に3D描画能力をほとんど使わないAndroidゲームアプリの代表格としてAndroid版「艦隊これくしょん」(以下、艦これ)で遊んでみましたが、非常に快適でした。
画面も大きめで誤タップも少なく遊びやすいですよ。
ちょっと変わった使い方ですが、Android版艦これはさほど通信速度を必要としないため、艦これ用に通信容量が無制限のSIMカードを使用して、艦これ以外のときに通信に利用するSIMカードと切り替えて使うといったことも可能です。DSDS対応なので、どちらかのSIMカードが音声通話に対応していれば電話がかかってきても大丈夫ですし。
次回は、そんなBLADE V7 MAX最大の特長であるDSDS機能について紹介していこうと思います。
記事執筆:河童丸
アプリ名:AnTuTu Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール