IT関連企業 取締役「塩ごはんさえご馳走だった」 - 年収1000万円プレイヤー図鑑 vol.1


大学卒業後、大手通信キャリアにエンジニアとして入社した緒方氏。もともと将来的には弁理士になろうと決めていた緒方氏は、26歳にして特許事務所に転職する。年収289万円という逆境において、「塩ごはんさえご馳走だった」という緒方氏だが、数年後には某IT企業の取締役にまで登りつめ、約10倍の年収を得るに至る…。そんな彼のサクセスストーリーを追った!



Q.現在某IT企業の取締役をされていますが、日々の業務はどういったものですか。

グループ会社10数社の法務面での管理・監督が主な業務です。また、特許関連の子会社の役員も兼務しています。合間をぬって政府団体や業界団体との会合に出席したりと、かなり飛び回っていますね。

Q.確かに非常に驚異的なスケジュールをこなされているようですが、やりがいや苦労はどういったところにありますか。

今でこそ数百名の社員を抱える会社へと成長していますが、私が入社した当時はまだ50名程度の小さなベンチャー企業でした。それを数年のうちに、規模を拡大し、事業領域を広げ、上場を実現させるって、こんなにエキサイティングなことはないですよ。

そもそもインターネット関連の事業自体、前例や成功モデルが少ないですから、自分と自分の会社が先頭を走っていることを日々実感できます。ノウハウ不足で壁にぶつかることも多いですが、それを解決する戦略を立て、実行して、成果を出すという一連の流れを、全て自分がイニシアチブを取ってやれるというのは、この上ないやりがいです。ただ、私は工学部出身ですから、法律関連の専門的な勉強を毎日死に物狂いでやらないと正直追いつかないという苦労はあります。業界団体の会合などでは気の利いたコメントを求められますからね、プレッシャーですよ(笑)


Q.新卒で入社された大手通信キャリアを4年で退職して、 特許エンジニアに転身されていますが。

もともと大学を卒業したらすぐに弁理士を目指そうと思っていたんですが、まずは民間の事業会社で経験を積んでからと思い通信キャリアに入社しました。特許エンジニア時代はかなりの極貧生活でした(笑)もらっていた給料だけでは満足にごはんも食べられなくて、家庭教師のアルバイトもしてましたね。
その後、その特許事務所は専門分野の違いから離れることを決意し、「インターネットに精通した弁理士になろう、自分が第一人者になれるフィールドを目指そう」と、現在の会社への転職を決めたんです。

Q.一担当者で入社したにも関わらず、たった数年で取締役になり、年収も2500万円にまで達するとは驚きです。

運もよかったんだと思いますよ。ちょうど事業の拡大期に入社したため、特許の仕事だけでなく法務の>仕事まで任されるようになり、必然的に経営者層とのやりとりも増えました。その中で、目の前にある仕事に真摯に向き合い、時にはハッタリもかましながら(笑)、歯切れよく発言し、方向性を示して来れたことが功を奏したのだと思います。もちろん寝る時間も惜しんで努力を重ねて来たことも事実です。そしてそれを影で見ていてくれて、私を引き上げてくれた人がいることも、です。

Q.緒方さんが考える、成功の秘訣って何でしょう。

「無心」ってことじゃないですかね。私の場合、お金がほしいとか地位を得たいとかなかったですから。「会社のため」「お客様のため」と思ってやって来たことが、自分に跳ね返って来た感じです。報酬という意味でもそうです。これは私の持論ですが、結局のところ「腹黒い」人は立場を追われると思います。適度な野心は必要ですが、欲をかき過ぎるのはよくありませんね。

あと、「多少のリスクなら恐れてはいけない」ということです。自分の可能性に賭けること、例えば転職などは勇気がいることです。しかししないで後悔するより、やってみて後悔する方が納得がいく。どっちみち未来永劫繁栄し続ける会社なんてごくまれです。会社にしがみつくより、自分のやりたいこと優先で考える方が健全ではないでしょうか。私がいた通信キャリアは幾度となく大リストラをしていますが、会社に残る道を選んだために行き場を失って戦々恐々としているた元同期も少なくないんですよ。

Q.なるほど。前向きな選択をするかどうかが明暗を分けるということですね。では最後に今後の目標を聞かせてください。

ゆくゆくは今の会社を1兆円規模の会社へと育てていきたいですね。

「食べ歩きとスパ巡り、クルージングが趣味の年収2500万円プレイヤー」とだけ聞くと、うらやましさを通り越して嫉妬心まで感じてしまいそうな境遇にある緒方氏だが、彼がそこに行き着くまでの苦労、努力、背負ってきたリスクを考えると、今の成功は当然と言っても過言ではない気がする。しかもその語り口調や物腰は非常に紳士的で落ち着きがあり、重役にありがちな威圧感などかけらもなかった点がとても好印象だった。彼が今いる会社をどこまで成長させられるか、そしてそれを達成した時、彼自身もどんなビジネスパーソンに成長しているのか。このサクセスストーリーの続きに、要注目だ。
(情報提供元:@type)

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