女探偵が語る “オトコとオンナの事情”(前編)


女探偵としてオトコとオンナ、人と人、さらにはお金と人など、多くの現場に立ち会ってきた大徳直美さん。修羅場から感動の場面に至るまで、最前線で見てきた大徳さんに、実際のエピソードを元に、女探偵としての目線から語られる、さまざまな形のオトコとオンナの事情を聞いた。

――探偵をされていますが、大徳さんのところに来る依頼のうちメインとなるものはどのような案件ですか?
大徳直美(以下、大徳):やはり、全体の約7割が浮気調査ですね。依頼者のうち、6割が女性、4割が男性です。ここ最近では男性の割合がとても増えてきている傾向にありますね。

――みなさん、どのぐらいの確証を持って依頼に来られるのですか?
大徳:ほとんどの場合は、ご自身で相手の手帳やカバンを探って、証拠を掴んでから相談されますね。探偵の私から言うのも問題かもしれませんが、相手の携帯ののぞき見なんてしても、ひとつもいいことはありませんけどね(笑)

――では最近の浮気調査の中で、具体的な事例を教えていただけますか?
大徳:ある女性・A子さん(30代前半)が、2〜3年お付き合いしていた男性・Aさん(30代中盤)から、ある日、急に別れ話を切り出されたということでした。その理由が「不景気の折、仕事が上手くいっていない」というもの。当然ながら、彼女との結婚は考えられないと。彼女も「私が働いているから大丈夫」といったようなんですが、彼のほうが「無理」の一点張りで、話が平行線のままだったので、仕方なく女性が身を引いたようです。

――女性側が身を引いたんですね
大徳:そして、別れてから数ヶ月後。彼女は友達から「Aさんが他の女性と歩いているのを見た」という話を聞かされたようです。気になって彼に電話して「新しい彼女できたの?」と聞いても「こんな状況じゃ、できるわけないだろ」とあっさり言われてしまった。さらに、他の友人からも「別の女性と歩いていた」という目撃情報があったようです。もともと2人は勤務先が近くて、ランチタイムでも遭遇するような環境でしたから。
結局、どうしも納得できなくて。最終的に私たちに調査を依頼してきたという経緯です。

――なるほど。気持ちの整理をつけたかった、ということでしょうね。
大徳:私たちが調査した結果、やはり彼には新しい彼女がいました。しかも、その彼女というのは、A子さんの友人だったのです!
彼が別れを切り出したのは仕事上の都合からでしたよね。その話を、A子さんは友人に相談し、それを聞いた友人が彼に近づき「あなたが仕事で全力を出せるようプライベートでバックアップしてあげる」と誘ったということがあったようなんです。つまり、その友人の強行作戦ですよね。
このケースのすごいところは、彼の発言がすべて本当だということです。私たちも最初は彼の浮気を疑っていたのですが、別れたい言い訳はすべて本当だったということですよね。A子さんは身を引いたことをとても後悔していました。

――身近なところで浮気、というケースは多いですか?
大徳:ここ4〜5年の間ですごく増えてきています。みなさんの言い訳としては「出会いがなかった」というものが圧倒的ですね(笑)。旦那さんの不倫相手がママ友や近所の奥さんなんてケースもすごく多いですよ。本人たちにしてみると、身近なほうがドキドキ感もあっていい、と、勝手なことを言っていますが。

――わかりやすい浮気のサインってありますか?
大徳:男女ともに身なりに気を遣い始める、という点が特徴でしょうね。男性だったら歯磨きや髭剃りの時間が長くなったりするでしょう。また、男女ともにですが、急にタンスをひっくり返して、使えそうな洋服を探したりするはずです。急に新しい洋服が増えるとバレれてしまうので、あるものでより綺麗にみせようと努力します(笑) 逆にバレない方法としては、常に洋服を買っておく、とか、女性は勝負下着もあらかじめ買い置きしておけばいいでしょうね。

――時間や行動も大事ですよね?
大徳:急に帰りが遅くなったり、生活時間が変わることも浮気のサインかもしれません。だから浮気が上手な男性は常に忙しいですよね(笑)いつも早く帰っていると、急に遅くなるのは怪しいですからね。

――見破るためのテクニックはありますか?
大徳:上手に見極めるための方法としては、携帯をお揃いにすることですね。いきなり携帯だと厳しいので、ストラップや機種をそろえて、最終的には色も機種も同じにしてしまうんです。そうすると、朝急いで出ちゃって、間違えて持って出ちゃう、ということも起こりますよね(笑)そこで、悪気はなかったけど見てしまった。というシチュエーションを作り出せばいいんです。
もちろん、逆に見られる可能もありますから気をつけてくださいね。

――ほかのケースも教えてください
大徳:これは、夢だけを求めているという男を好きになった女社長B子さんのお話です。いわゆる夢を追っている、歳の離れた若い男性Bさんとお付き合いをしていて、彼の生活全般を助けていたみたいなんです。あるとき、彼が寝てるときに携帯と財布がテーブルの上に乗っているのを見てしまい「どっちでもいいから見たい」という衝動に駆られたようなんです。依頼者は、実は私の個人的な友人だったので、私に直接電話が来て、「ねえ、どっちなら見ていい?」って(笑) 私は即決で「財布!」って答えたのですが、それが実は判断ミスでした。

――判断ミスですか!
大徳:そうですよ。アーティストとして食べていくことを夢見て、大して働きもしない彼の財布には、数枚のゴールドカードが入っていることを発見してしまったのです。名義も彼のものという確認も取れたので。ちょっと調べようか、ってことになって調べたら、実は彼、ネットショップの社長さんだったんです。社員は2〜3人だけど、とても売上のいい会社でした。

――なぜ彼はそんなウソをついたんでしょうね?
大徳:冗談で、夢を追いかけて働いている時間なんて無いと言ったら本気で信じてくれたから、そのまま引き下がれなかったと言ってました。いつか本当のことを打ち明けようと思っていたんだ、ごめん、と。彼女が一番ムカついたと言っていたのは、他の女の子とデートして、カードで支払っているという事実だったみたいです。微妙な女性心理としては「私の見たことのない姿」を他の女性に見せているということに対して怒っていたことが印象的でした。

――すごく微妙な女性心理ですね。
大徳:女性って「自分と違う」ということが一番イヤなんですよ。もし、浮気をしたいのであれば、彼女や奥さんと同じデートをすることです。例えばバレたとしても怒りのレベルが違いますよ(笑)同じルート、同じ店でご飯食べてる、という安心感を与えることが大事なんですよ。
結局は依頼者も相手方も幸せになってほしいというのが私のホンネです。疑いや浮気の源って、基本的には言葉の行き違いや、相手への配慮の足りなさに原因があるものなので。

今回は浮気の話を中心に聞いたが、やはり所詮はオトコとオンナ、小さな原因からどこでどうこじれてしまうものかわからないもの。

■プロフィール
大徳直美(だいとく なおみ)
探偵業界最大手の総合探偵社ガルエージェンシー(株)ゼネラルマネージャー
「女探偵ナオミ』として浮気・離婚問題等さまざまな案件で活躍中。

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