グノシー元CEO「日本のスタートアップには本当に優秀な人が来ていない」【イソスケのここだけ読んどけIT本】


どうもイソスケです。【イソスケのここだけ読んどけIT本】は、IT関連で注目されている人、物事、テクノロジー、その他、IT関連であれば「現在、多数の注目を集めて」いたり、「これくらい最低限知っておくべきこと」だったりといった事柄に関する書籍を、イソスケが読み、その内容を紹介する企画です。

書籍を読み解くには、それなりの時間が必要になるので、忙しいビジネスパーソンは、注目の書籍だからと言って片っ端から読んでいくわけにはいきません。

そこで、本企画ではイソスケなりの視点で、自分が読んだ書籍についてポイントを押さえた紹介をしようと思っています。

本連載を読んで気になったら購入してみる。または、話題に上った書籍のおおよその内容を把握するといった感じで、皆さんのお役に立てればと思っています。

なお、本連載は、記事執筆前に「書籍を読む」という準備が必要なため、書籍の内容次第では読破に時間がかかることもあるため、毎回決まった日に更新されるとは限らないことをあらかじめお断りしておきます。また、こんな書籍を読んで感想を聞きたいということがあれば、以下のメールアドレスまで、メールを送ってください。

itlifehack【at】mediabank.jpn.com
【at】は@

前回は『最速の仕事術はプログラマーが知っている』を紹介しました。

今回、第14回の書籍では「未来をつくる起業家  ~日本発スタートアップの失敗と成功 20ストーリー~ 」を紹介します。

アメリカと日本で有能な人材を発掘してきたトップヘッドハンターであり、エグゼクティブ人材に特化した人材紹介会社を経営するケイシー・ウォール氏が、 起業大国とは言い難い日本において起業し成功した20人に迫る本書。

本書のなかで昨年8月にGunosyの共同CEOを退任した木村新司氏が、日本のスタートアップについて感じた印象を語っています。

木村氏は東京大学を卒業後、戦略コンサルタントを経て、ベンチャー企業の立ち上げを経験。2011年、立ち上げた広告ネットワークのスタートアップをGREEに売却し、その後、エンジェル投資家・CEOとしてグノシーの資金調達やメディア戦略を担当してきました。

■日本のスタートアップはリスクとリターンが合っていない?

木村氏は自身の考え方を「他の創業者の人たちとは違う」といい、Gunosyの従業員は結構、自社株を持っていると語ります。それは、日本でスタートアップのエコシステムが回るためには、退職した社員がお金を持って、自らスタートアップをやりたい、かつキャッシュもある、投資をしてもいい、という状態にしたほうがいいと思っているからとのこと。

また「日本のスタートアップの多くは、社員のリスク・リターンが合っていない」として、「ここ10年くらい本当に優秀な人が来ていない」と語ります。そして彼らが来ないと日本のベンチャーはグローバルに展開できないため、もっと“こちら側”に来るようにしたいと希望を述べています。

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執筆:イソスケ

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