人気インストラクターに訊く ゴルフ〜はじめの一歩 <入門編>
かつては“富裕層のスポーツ”、“おじさんのスポーツ”といったイメージもあったゴルフだが、最近では、メーカーやアパレルブランドからスタイリッシュなウェアや用具が相次ぎリリースされ、また、ゴルコンや婚活といったイベントも登場するなど、随分と身近でフランクなものになってきた印象もある。
しかし、ゴルフは“紳士のスポーツ”といわれるだけありマナーも多く、各種ショットやアプローチ、パターなど学ぶべき技術や練習方法も多岐に渡ることから、依然として敷居の高さを感じることも少なくない。
では、実際、クラブも握ったことのない素人がゴルフを始めるには、どのようなステップを踏んでいくのだろうか。その先にあるコースデビューや、身に付けたいマナー、男性必見といっていい女性に好かれるコースでの立ち振る舞いに至るまで――、東京・代官山のオシャレで、有名人も数多く通うという人気のゴルフスクール「K's Island Golf Academy」でインストラクターを務める伊藤祐子さんに話を伺ってきた。インタビュー初回となる今回は、「入門編」から――。
――最近では、人気アナウンサー・小林麻耶さんのブログでも紹介されている伊藤さんですが、今日は宜しくお願い致します。
「宜しくお願いします。パーゴルフという雑誌で1年半くらい小林麻耶さんの連載レッスンコーナーを担当させて頂きました。麻耶さんとは、そこから仲良くなりましたね。彼女は当時で、180くらいのスコアだったのが、今はベストで100までいくようになったんです。同じ歳で、血液型も一緒で誕生日も近くてっていう共通点が沢山あったんです」
――女子アナウンサーの方でゴルフされている方、多いですよね。某局ではゴルフのDVDまで出ていましたし。
「すごく多いですね。世間的にもゴルフをやるっていう方が昔よりも、ちょっとずつ年齢が下がってきたことは確かですよね。女性ゴルファーは本当に増えていると思います。昔はおじさまのスポーツっていう印象がありましたけど……」
――実際に指導されている中で、競技層の移り変わりのようなものを感じることはありますか?
「インストラクターによって担当するターゲットって、なんとなくできてくるんですよね。多分、インストラクターの色もあると思うのですが、そういう意味でも、私は若い方々を担当させて頂くことも多いです。ただ、会社に入って、やらなきゃいけない状態になっているという方もいらっしゃるでしょうし、自らやりたいという方もいらっしゃいますので、最初の動機は分かれますけど、やり始めてしまえば、やっぱりのめり込む方が多いですよね」
――伊藤さんの場合はいかがでしたか?
「私も色々とスポーツはやってきましたが、自分でいうのもアレですけど(笑)、(他のスポーツは)そこそこできてしまったっていうのもあるんですね。ただ、ゴルフって、今は教える仕事はしていますが、それでも奥が深いなって思います」
――最初は競技スキーをされていたと伺いました。ゴルフに転向されたきっかけというのは何だったのでしょうか。
「夢があるのか、ないのか分からないんですけど(笑)。それを職としてやりたいという考えがあったんですね。スキーだと、どうしても、職業にしていくというのはかなり厳しいと思ったんですが、実は、小さい頃は少年野球もやっていたんです」
――えっ、そうなんですか!?
「はい。女子一人でリトルリーグでピッチャーをやっていたんですよ。その時にも“ゴルフやれば?”なんて言われていたんですけど、当時は“おじさんがやるスポーツじゃないの?”なんて思ってましたから」
――ただ、ピッチャーをするって、それだけでかなりの運動神経ですよね。
「大学生になって、親に連れられてゴルフの練習場に行ったら、ボールにパンパン当たるんですよ。これは面白いなって思ったら、プロの方が声を掛けてくれたりして、その時は軽々しく“プロになる”なんて言ってたんですけど、今考えてみれば、大変な世界ですから……」
―― 一番最初にゴルフをした時の記憶ってありますか?
「初めてクラブを握った時ですかね?正直、止まってるボールだし、当たるんだろうっていうのはありましたね」
――野球やられていたなら、なおさらですね?
「うん、なおさら!動いているボールを打ってた訳ですからね。でも、止まっているボールを打つのもまた難しいんですよね。テニスでも、野球でもボールの方から飛んできてくれるので、バットやラケットを出してやりさえすば、当たって前に飛ぶことはあるかもしれませんけど、ゴルフはこっちが動かないと絶対に前に飛ばないですから」
――確かにそうですね。
「もう私の場合は最初から先生に付きました。その時点で。これは一人でやっても絶対当たらないって思いましたし、壁がすぐ見えてしまいました。それは様々なスポーツをやっていた経験だと思うんですよね」
―― 直感的に独学では限界があると感じた訳ですね。では、一回目となる練習って覚えていますか?
「ビックリするくらい前ですけど(笑)。でも、フェースにしっかりとボールを当てることからだったと思うんですよね。見よう見まねで(クラブを)振ったとしても、あんな小さいボールに当たるわけないですから。当たったとしても、先っちょや根元に当たっちゃったりってなりますから」
――それが第一歩目ですね。
「まずはボールに対して、フェースがしっかりミートする練習をしたと思います。で、ミート率を上げていき、そこからスイングのバリエーションを加えていったという感じでしょうか」
――それは今の指導の中でも一番最初の基礎練習になりますか?
「特に初心者の方はそうですね。ゴルフって何となくテレビなどで観ていると思いますので、こうクラブを上げて、こうやって打つんだなっていうのは分かると思うんです。だけど、なんでそこにボールが当たるのかっていう根本的なメカニズムを説明させて頂いて、だからゴルフってフェース面にボールがしっかり当たらないと真っ直ぐ飛ばないんだよとか、今は地味かもしれませんけど、この練習からやりましょうという流れで指導をさせて頂きます」
――最初からフルスイングをするというよりは、しっかりとフェースにボールをミートさせる訳ですね。
「もちろん、最初といっても、人によってスタートラインは違いますけど、豪快にスイングをしたい男性の方にとっては地味に感じるかもしれませんね。でも、これが意外と近道になりますよ。全くやったことがなくて、握り方も分からないという方でも、少しは振ったことがあるという方でも、基本はやっぱり飛んで曲がらないゴルフが一番いいと思うのです」
<練習編に続く>
・K's Island Golf Academy - 公式サイト
・ゴルフ特集2010 - livedoor HOMME