インテルが次世代次世代のモバイル用プロセッサーIntel Core Mの概要を公開【デジ通】


インテルが今年の年末に登場が予定されているIntelのモバイル向けの新型プロセッサーである「Core M」および、同プロセッサーの製造に採用されている14nmプロセスの概要を発表した。Core Mの呼称自体は6月に行われたCOMPTEX TAIPEIで発表済みだった。今回は製造で利用される14nmプロセスルールの概要が公開された。

Core Mは現行世代より、さらに微細化した14nmプロセスで製造される初のモバイル向けのプロセッサーで、開発コードネームは「Broadwell-Y」となっている。このプロセッサーを搭載する製品は、ファンレスが可能になり、さらに本体の厚さが9mm以下でも余裕で設計できるようになる。

Core Mは、Intel Coreとは異なる新しい製品ブランドへと変わるが、世代的には現行世代のCoreプロセッサであるHaswell-Yの後継に位置づけられる。Haswell-Yを搭載した製品としては、DELLのWindowsタブレット、Venue 11 ProのCore i7 4300Y等がそうだ。Venue 11 Proの厚みはモデルにもよって異なるが10.2mmからとなっている。

このクラスの製品でも新しいBroadwell-Yを採用することで9mm以下に設計できるようになるというのだから、これはうれしい進化だ。小型の製品を設計する際に、熱源となってしまうプロセッサーの発熱量が非常に重要だ。発熱量が高ければ高いほど、冷却するための冷却機構がけっこう大がかりになってしまう。しかし発熱量が低ければこれを簡略化できる。コストをぐんと安くすることができるわけだ。

発熱量はTDP(Thermal Design Power)で、ワットで表わされるのは知っていると思うが、現行のHaswell-Yでは11.5ワットが、Core MのBroadwell-Yではそれが半分以下になるという。このためCore Mでは冷却用のファンが不要になり、搭載製品の薄型化が可能になる。発熱量が低い=消費電力も低いことになるので必然的に同じバッテリー容量であればバッテリー駆動時間が長くなる。

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■発熱量の低下の最大の要因が製造プロセスの14nmプロセス化
これを実現した大きな要因は22nmから14nmへとプロセッサーの製造プロセスを微細化したことだ。微細化したことで大サイズも小型化された。そしてプロセッサーのパッケージ面積が半分になり、厚みも3割薄くなっている。

単純に微細化しただけではなく、22nmから導入された3D形状のトライゲート・トランジスター(FinFET)も2世代目になり「3DL」というモジュールをプロセッサーの下部に配置するような改良もなされている。プロサッサーのアーキテクチャ自体は現行世代のHaswellを引き継いでいるが、各種改良により1サイクルあたりの命令数である「IPC」が5%改善されている。こうした改良により、Core Mを採用する製品は、従来よりも薄型軽量化しつつもバッテリー駆動が長くなり、モバイル用途に最適なプロセッサーになっている。

搭載製品の登場は2014年末と言われているが、9月にはドイツで「IFA」という展示会、インテルも開発者向けイベントの「IDF」を予定しているため、近いうちにさらなる追加情報が出てきそうだ。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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