ぶっちゃけ本当に便利?電池持ちは大丈夫?Googleのスマートウォッチ「Android Wear」の気になる機能を使い込んで評価【吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」】


事前の予想よりは実用的!?

Googleが提案するスマートウォッチ「Android Wear」。初号機「LG G Watch」と「Samsung Gear Live」が7月上旬に販売開始されましたが、筆者はLG G Watchを発売直後に購入して以来、唯一の腕時計として利用してきました。

そこで、今回の連載「スマホのちょっと深いとこ」では、Android Wearスマートウォッチの電池持ちや時計としての使い勝手、機能の実用性など、何かと気になる様々なトピックについて、筆者の実体験に基づき紹介します。読者の皆様がAndroid Wearの購入を検討する際に参考になれば幸いです。

【電池持ち:意外と実用的】

Android Wearに限らずこの手のスマートウォッチで真っ先に気になるのは電池の持ちではないでしょうか。通常の腕時計と異なり、現状のスマートウォッチでは定期的な充電が欠かせません。

gwatch_005
電池の持ちはスマートウォッチ最大の問題

筆者の場合、LG G Watchを朝(6〜7時ごろ)にフル充電しておけば、同日夜(21時過ぎ)60%程度の残量が残っている状態でした。そのまま充電しないで放置した場合、翌日19時ごろにバッテリー切れとなりました。またバッテリー切れから充電を行った場合、20分で30%程度、1時間で80%程度、2時間弱で100%での充電が可能でした。

 使用開始時刻使用終了時刻終了時電池残量
1回目7:3021:3063%
2回目6:2021:0052%
3回目6:4021:3064%

もちろん使用環境によって電池消費は大きく変動しますが、少なくとも1日1回充電しておけば余裕をもって利用できそうです。なお今回の測定は「常に画面表示」設定をONにした状態で行っているので、常に画面表示しなくてもよいならばさらに電池寿命を延ばすことができます。

【屋外で画面が見えるか:正直厳しい】

LG G Watchの画面はスマートフォンと同じ液晶ですので、屋外での見え方は基本的にスマートフォンと同じで、晴れた屋外だと時刻を含めて画面が確認しづらくなります。ただ少し日陰に入れば十分視認可能なレベルになります。屋内で視認性が問題になることはありませんでした。

androidwear_001
直射日光下では画面が見えづらい

【実用的な機能と、ちょっと使いづらい機能】

Android WearはAndroidスマートフォンと連携して様々な機能を提供していますが、現状で十分に実用的な機能と、正直現状では使いづらい機能があります。筆者の独断と偏見で以下にいくつか列挙します。

・天気やスケジュールなどの情報表示:○

Android WearではスマートフォンのGoogle Nowと連携して、現在いる場所の天気や最寄り駅の時刻表、よく行く場所への所要時間などを随時画面に表示します。またGoogle カレンダーと連携して、直近のスケジュールを画面に表示して利用者に確認を促します。このようなちょっとした情報を確認するのにスマートウォッチは最適です。ただ見るだけならばスマートフォンを取り出す必要はありません。

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天気はAndroid Wearの定番コンテンツ(写真=左)、その日のスケジュールをリストで確認できる(写真=右)

・電話やメール、LINEなどの通知:○〜△

Android Wearでは電話やメール、LINEなどが着信したときに、その旨をバイブレーションや画面表示で知らせてくれます。電話の場合Android Wearの画面で着信や着信拒否の操作ができます。(Android Wearだけで会話することはできません)。

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電話着信時には電話帳から相手が表示される(写真=左)、左フリックで電話に応答できる(写真=右)。右フリックで着信拒否も可能

Gmailへのメール着信はAndroid Wearの画面でメール全文を読むことができ、音声入力や定型文で返信を行うこともできます。一方LINEはAndroid Wearへの最適化が進んでいないため表示内容は最低限です。既読スルーを防ぐには十分ですが、やはりAndroid Wearへの最適化が望まれます。LINEに限らずアプリ側のAndroid Wear対応が進めば、通知の表示がより実用的になっていくでしょう。

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GmailはAndroid Wearで全文読める(写真=左)、LINEの通知は現状Android Wearに最適化されていない(写真=右)

・歩数計、メモ:○

Android Wearは歩数計をサポートし、日々の歩数がさりげなく画面に表示されます。過去履歴や曜日別傾向も表示され実用性は十分です。また音声入力によるメモはそれなりの精度で認識してくれる(かつメモは自分がわかればよいので多少の認識ミスは問題にならない)ので、ちょっとした備忘録を記録しておきたいときに便利です。

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日々の歩行量を記録してくれる歩数計(写真=左)、音声入力によるメモは実用的に使える(写真=右)

・ナビ:△

Google マップと連携してAndroid Wearにナビを表示できますが、ざっくりした指示(進む方向や交差点の名前など)のみが表示され、周辺地図は表示されないため、結局どこで曲がってよいかわからない場合がありました。スマートフォンの画面でGoogle マップを参照することが大前提で、その補助として使う機能と言えます。

・メール・SMSの新規作成:×

「太郎にメール送信、金曜日会える?」といった音声入力でメールやSMSが送信できることになっていますが、実際には送信相手を認識させるのに苦労しました。数回に1回程度正しく認識するのですが、確定したメールがすぐに送信されてしまうため(数秒間の取り消し猶予時間はある)、誤認識を考えると(メールやSMSはメモと異なり認識結果を相手が読むため)怖くて使えない印象です。

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ナビは使う側のスキルが必要(写真=左)、メールは誤認識のリスクが高く実用になりづらい(写真=右)

【まとめ:十分実用的、新し物好きならおすすめ】

筆者は「電池がもたない割にたいしたことはできず、結局普通の腕時計にすぐに戻しそう」と購入前に考えていました。ただ実際に使ってみると電池のもちで困ったことはあまりなく、情報表示や通知、歩数計など情報表示・参照の機能を中心に便利に使うことができています。音声入力の精度に課題はありますが、そこを割り切れば現状で十分実用的ではないでしょうか。

記事執筆:えど(吉川英一)

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