Kindle 4を100%活用するための便利ツール【デジ通】


Kindleは、基本的にAmazonから購入した電子書籍コンテンツを読むためのデバイスだ。しかし、現時点では、Amazonで日本語対応のコンテンツが販売されていない。そのため、Kindleで日本語コンテンツを読むには、ユーザーが日本語コンテンツを読めるように操作する必要がある。ここでは、テキストデータや自炊したPDFデータなどをKindle 4で読むためのポイントなどについて解説しよう。

■Kindle 4の購入ポイント
Kindleシリーズの購入方法だが、基本的には米国amazon.comからの購入になる。amazon.co.jpでも第4世代にあたるローエンドモデルの「Kindle,Wi-Fi,6" E Ink Display」、すなわち「Kindle 4」は購入できるが、「米国特別価格」という割高な価格設定になっている。なお、amazon.comからの購入は、基本的には個人輸入という形になるが、Kindleシリーズによって購入方法が異なるので注意が必要だ。

「Kindle 4」については、amazon.comで注文しても米国以外の国にも配送してくれ、しかも送料無料で配送してくれる。購入方法も、製品をカートにれて支払い作業を済ますという、日本のamazonco.jpでの購入方法とまったく同じだ。ただし、米国内で購入する場合は$76だが、日本など海外から購入する場合は国際版が適用され、価格は$109となる。それでも、amazon.co.jpで購入するより、円高の現在なら1万円以下という断然安い価格で購入できる。なお、筆者の場合、Kindle4を注文してから自宅に届くまで4日間だった。

これに対し、「Kindle Touch」と「Kindle Fire」の配送は米国のみとなっている。そため、一度amazon.comで購入し、それを個人輸入するという形でないと入手できない。といっても、個人輸入を代行する業者を利用すれば、Amazon.comでの購入代に加え、手数料+送料をプラスして入手できる。

Special Offersについて
Kindle_4の米国内販売バージョンには、スクリーンセーバーにスポンサー広告が表示される「With Special Offers版」($79)と、広告が表示されない「Without Special Offers版」($109)の2タイプがある。

■日本語の表示
Kindle 4には日本語フォントが標準搭載されているので、日本語がきちんと表示される。ただし、ゴチック体のため、必ずしも読みやすくきれいなフォントというわけではない。

ところで、現在のKindle Storeでは、まだ日本語の電子書籍が販売されていない。したがって、日本語の本を読むには、自分でなんとかしなければならない。

Kindle 4で日本語の書籍を読みたい場合、方法としては、Kindle 4がサポートしている電子書籍フォーマットMobipocket(.mobi、.prc)のデータを入手するか、あるいは自作する必要がある。あるいはテキストデータとPDFの表示にも対応しているので、これらの形式のデータを用意しなければならない。

日本語の書籍コンテンツとしては、青空文庫があるが、作者の死後50年以上を経て、著作権が消滅した古い作品ではあるが、無料で利用できる点はありがたい。ただ、個人的には新しい作品を読みたいのだが、この場合は、本をスキャンしてPDFなどに変換し、利用しなければならないのが実情だ。

●Mobipocket形式を利用する
Mobipocket形式のデータを作成するツールに、「Mobipocket Creator」というフリーソフトがある。HTMLファイルやWord文書、テキスト、PDFファイルなどを、拡張子が「.prc」のファイルを作成してくれる。

各種データをMobipocket形式に変換する「Mobipocket Creator」

あとは、Kindle 4とパソコンをUSBケーブルで接続し、Kindle 4の「documents」フォルダー内にドラッグ&ドロップでコピーすれば、Kindle 4で表示できる。

なお、PDFファイルの場合、そのままKindle 4にコピーしても表示できる。しかし、Mobipocket CreatorでMobipocket形式に変換すると、小さな文字などが読みやすくなることがある。

●テキストデータを利用する
Mobipocket Creatorで青空文庫のテキストデータをPDF変換すると、横書き状態でルビなども設定時のままで反映された形式で表示されることはない。しかし、やはりフリーソフトの「Chain LP」を利用すると、Kindle 4でも読みやすいPDFデータを出力できる。
*Chain LPを実行するには、ランタイム/ライブラリーの「Microsoft.NET framework 4.0」が必要。

「Chain LP」の編集画面

Chain LPはKindle専用のツールではなく、各種モバイルデバイスに最適化した形でデータを出力するコンバーターと考えればよいだろう。これを利用して青空文庫のデータを読み込むと、縦書き表示で、しかもルビなども反映された状態でPDF出力できる。このとき、「ガンマ補正」や「シャープネス」などを調整し、Kindle 4の解像度に合わせたサイズでPDFファイルを出力できることから、とても読みやすいデータを出力できる。

青空文庫のテキストファイルを、そのまま表示した状態(青空文庫、夏目漱石「こころ」より)

青空文庫のテキストデータを、Chail LPでPDF変換した状態(青空文庫、夏目漱石「こころ」より)

また、PDF出力時にフォントを埋め込むこともできるので、単にPDF変換するツールよりも、さらに視認性が高く、読みやすいPDFファイルの作成が可能だ。

なお、Chain LPでは、テキストデータのほかに、連番形式の画像データや、連番形式の画像データをzip形式で圧縮したファイル、あるいはテキストデータをzip形式で圧縮したファイルなども読み込み、Kindle用のPDFファイルとして出力できる。
出力ファイル形式も多彩で、PDFやMobipoket軽視のほか、ePub形式などでも出力できる。

Kindleだけでなく、モバイルデバイス用のデータコンバートツールとして備えておくとよいだろう。

Kindle Store
■「Mobipocket Creator
■「Chain LP

阿部信行 @ramunepapa [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。

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