12インチ液晶だけじゃない デルの「DNA」を受け継ぐネットブック戦略【気になるPC】


「ネットブック」と呼ばれるミニノートPCがパソコン市場で人気を集めているが、通常のノートPC並みの製品として他社を圧倒しているのがデル「Inspiron Mini 12」だ。「Inspiron Mini 12」はネットブック初となる12.1インチ液晶(1280×800ピクセル)と大きく打ちやすいキーボードに加え、40/60/80ギガバイトのハードディスクを選択できるなど、機能的な面でも通常のノートPCとして使えるだけのパフォーマンスを備えている。
ネットブック時代到来か 12.1インチ液晶搭載デル Inspiron Mini 12 - ITライフハック

低価格が魅力のネットブックで、使いやすさと高機能化を進めるのことは大きな冒険ともいれるが、ユーザーとっては歓迎されるのも事実で販売も好調のようだ。

いったいデルはどのような戦略から「Inspiron Mini 12」を開発し、日本市場へ投入したのだろうか。

日本/アジア太平洋地域のコンシューマー市場を統括する、プロダクトマーケティングマネージャー 佐々木隆氏にお話をうかがった。

■「Inspiron Mini 12」は日本人にウケる
デルの佐々木氏によれば、A4サイズの「Inspiron Mini 12」とA5サイズの「Inspiron Mini 9」は新興国向けの製品として開発を行い販売をしてきたが、もともと単価が安い製品であったことからパソコンが普及している国でも需要があると判断、ほかの地域での販売にも踏み切ったという。とくに「Inspiron Mini 12」は薄くて軽いノートパソコンを好む日本人に受け入れられると考えたそうだ。
写真1 液晶ディスプレイを開いた「Inspiron Mini 12」写真2 液晶ディスプレイを閉じた「Inspiron Mini 12」

ターゲット層としては、「Inspiron Mini 12」は「Inspiron Mini 9」と同様に2台目、3台目の需要、およびインターネットを楽しむ主婦、20〜30代のビジネスユーザーを想定している。リビングに1台しかない家庭でも同社のパソコンを導入することで、誰でもプライベートなパソコンを確保できる。

「Inspiron Mini 12」はネットブックとしては後発となるマシンだったが、ユーザーの反響も良く要望の多かったXPモデルの販売も開始した。昨年12月の価格改定では最大3万5,000円の値下げを行ったことで、ノートパソコンの販売にさらに拍車が掛かったそうだ。


■画面が大きい、軽い、静かさ=使いやすさを重視したネットブック
「Inspiron Mini 12」の魅力を佐々木氏にうかがってみると、「俗に言うネットブックのカテゴリでは、12.1インチという画面の製品がなかったので、画面が大きく見やすい点。それに伴うキーボードの打ちやすいさ。薄くて軽い商品である点です」と、予想通りの回答が返ってきた。
写真3「Inspiron Mini 12」について語る、デル 佐々木氏写真4「Inspiron Mini 12」のキーボード

「Inspiron 12」は脚の部分含めても厚さが27mmしかなく、重さはA4ノートパソコンとしては非常に軽い約1.2kg。実際に本体を持ってみると、軽いと感じるだけなく、熱くないことにも驚かされる。さらにCPUファンもないので、動作音も静かで、傍らに置いておいても気にならない点も「Inspiron Mini 12」の大きな魅力だという。

さらに他社のネットブックはCPUにはインテルAtomプロセッサー N270が主に採用されているのに対し、「Inspiron Mini 12」ではAtomプロセッサーZ530/Z520が搭載されいる。この点について佐々木氏にうかがってみると、「消費電力はN270も低いですが、そこからさらに低いですね」という答えが返ってきた。

参考までに公称のバッテリー駆動時間をうかがってみると、「Inspiron Mini 9」は4セルのバッテリーを内蔵し、最長で約3時間40分。「Inspiron Mini 12」は3セルで約3時間27分。6セルの大容量バッテリーで約7時間22分の駆動が可能だという。CPUの変更がバッテリーの長時間駆動に大きく貢献しているわけだ。


■自分好みのネットブックにカスタマイズ
「Inspiron Mini 12」のもうひとつの魅力は、ネットブックには珍しいカスタマイズできる点だ。
主なカスタマイズをあげると、CPUはZ520 1.2GHz、Z530 1.66GHzの2種類、OSはVistaとXP、Ubuntuの3種類、バッテリーは標準(3セル)と拡張(6セル)の2種類、ボディカラーは黒と白、赤、ピンク、デザイナーモデルの5種類からの選択が可能となっている。

佐々木氏は「もともとBTOで有名になった会社(デル)ですので、DNAのようなものです。ネットブックでも選択できるパーツは選択できるようにしています」と述べている。

カスタマイズできる機種はネットの直販に限られるわけだが、ネットだけではスペックはわかるが詳細がわからないという人もいるだろう。そのような人に対して、デルではチャットによる24時間の質問ができる体制を整えている。疑問点があれば、夜中でもその場で解決できるわけだ。


現在の「Inspiron Mini 12」は店頭モデルがWindows Vista、ネットモデルがWindows VistaとWindows XPのセレクタブルとなっているが、店頭モデルにもXPモデルを投入する予定だという。今後の展開としては、他社のネットブックに対抗し、ラインナップの拡充を行っていくそうだ。

デル Inspiron Mini 12
デル株式会社


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