【ケータイラボ】片手の指で操作できるWindowsケータイ ドコモ「HT1100」


株式会社ドコモが2008年6月に発売を予定しているスマートフォン「HT1100」は、先に発売された「F1100」と同様に最大3.6MbpsのHSDPA通信サービスに対応した高速モバイル通信端末だが、特徴はそれだけはない。海外ではiPhone対抗端末として今、注目を集めているスマートフォンなのだ。

HT1100はどのようなユーザー層をターゲットとしているのか? 日本で発売が決定した経緯や戦略は何だったのか?

HT1100の開発担当者であるNTTドコモ 市川一興氏に開発までの経緯とともに同社のスマートフォン戦略をうかがってみた。

■使い勝手にこだわりぬいたケータイ
編集部:まずはじめにHT1100のコンセプトなどを教えていただけますか。
市川氏:HT1100は法人市場もターゲットではあるものの、よりコンシューマーにも受け入れられる形状ということでテンキーを採用しております。

ほかのスマートフォンですと、本体を横にスライドさせてQWERTY配列のキーボードが出てくる端末、あるいは片手で本体を持って、別の手でスタイラスペンを使う形でお使いになると思います。HT1100はテンキーでもおわかりになりますとおりスタイラスペンを使わずに普通のケータイのように片手で操作できるように作られています。

編集部:片手で操作できるとおしゃっていましたが、「TouchFLO」というインターフェイスがポイントでしょうか。
市川氏:はい。HT1100では、「TouchFLO(タッチフロー)」というメニューを用意しています。TouchFLOは3次元のキューブ(立体)を起動して、指でクルクルと操作することで電話帳やアプリケーションを起動することができます。
写真1 指でクルクルと操作することで電話帳やアプリケーションを起動できる
写真1 指でクルクルと操作することで電話帳やアプリケーションを起動できる

その先はスタイラスペンを使う場面もありますが、アプリケーションの入口のところまでは、なるべく指だけを使って操作していただくことをコンセプトに開発いたしました。

編集部:タッチパネル式の端末で指だけで操作できるのは、HT1100が初めての端末でしょうか。
市川氏:これまでのタッチパネル式の端末も指で操作はできましたが、アイコンが小さいので、指のツメで操作する必要があり、アイコンをうまく押せなかったり、違うアイコンを押してしまうということがありました。見ていただくとおわかりになるのですが、HT1100は指でも簡単に操作できるように、アイコンが大きめに作られています。
写真2 TouchFLOのメニュー画面写真3 TouchFLOのメディア画面
写真2 TouchFLOのメニュー画面写真3 TouchFLOのメディア画面

TouchFLOとは違いますが、一番上の電波状況や電池の状態がわかるアイコンも、その周辺を押すと大きく表示されるようになっています。たとえば、電池のアイコンを押すと、バッテリの残量がわかります。
写真4 電波状況や電池の状態がわかるアイコンは、その周辺をタップすることで大きく表示される
写真4 電波状況や電池の状態がわかるアイコンは、その周辺をタップすることで大きく表示される

編集部:ほかのスマートフォンとの違いを教えていただけますか。
市川氏:TouchFLOの機能のひとつですが、写真を表示させた場合に右回りに円を描くとズームイン(拡大)、左回りに円を描くとズームアウト(縮小)で表示します。
写真5 写真を表示させる機能を備える写真6 右回りに円を描くとズームインする
写真5 写真を表示させる機能を備える写真6 右回りに円を描くとズームインする

あとはTouchFLOに親しんでいるケータイユーザーが使いやすいように、QWERTY配列でない点。

編集部:TouchFLOのほかに特徴的な機能はございますか。
市川氏:FMラジオの機能があります。日本だけでなく、海外でもお使いいただくことができます。あとは通常のWindows Media Playerに加えて、HTC独自のミュージックプレーヤー「オーディオプレーヤー」や、YouTube Mobileなどのコンテンツを楽しめる「ストリーミングメディア」を備えています。Bluetooth機能も備えていますが、これはほかの端末にも載っています。

編集部:ちなみにBluetooth機能では、どういった周辺機器を利用できますか。
市川氏:弊社の共有オプション品としてはワイヤレスイヤホンセット「P01」が利用できます。その他にもHT1100では多数のプロファイルを搭載しておりますので、周辺機器が増えていくことを期待しております。

編集部:盛り沢山の機能ですね。ところで、開発時に一番苦労された点はどこですか。
市川氏:マナーモードやドライブモードです。日本では当たり前のように搭載されている機能ですが、HT1100のベースとなる端末には搭載されていませんでした。これらの機能を組み込んでいただくことをお願いいたしましたが、日本とは文化が違いますので、マナーモードがなぜ必要であるかを説明させていただくところから始めました。

編集部:今おっしゃっていたマナーモードやドライブモードのほかに、海外モデルとの違いはどこにあるのでしょうか。
市川氏:ハードウェア的なところですと、キャップですね。海外では、USB端子やmicroSDスロットがむき出しの端末を多く見かけますが、弊社の端末ではホコリが入ることを考慮してキャップを付けていただくことをお願いいたしました。
写真7 HT1100の特徴について語る、市川一興氏
写真7 HT1100の特徴について語る、市川一興氏

編集部:ソフトウェア的な面では、どこか違いはありますか。
市川氏:M1000でも同じ機能が入っていますが、moperaU端末自動設定があげられます。メーラの設定ではメールサーバーやパスワードを設定する必要があり面倒な作業ですが、moperaU端末自動設定を使用するとネットワークの方から設定データをダウンロードして端末のほうで自動設定いたします。

編集部:HT1100独自のサービスなどは、何か用意されているのでしょうか。
市川氏:HT1100というよりも1100シリーズを通してですが、定額のパケット通信サービス「Biz・ホーダイ」に対応しております。

HT1100は、先に発売されたF1100を同じWindows Mobile 6ベースだが、タッチパネル対応のProfessional版を採用している。また、F1100が内線電話のリプレースとなる機能や通常のケータイ互換的なインターフェイスで電話らしさに配慮しているのに対し、HT1100はYouTube Mobileなどのコンテンツを楽しめる「ストリーミングメディア」の搭載や「TouchFLO」による片手だけで画面を指で操作できるなど、楽しく使えるWindowsケータイに仕上がっている。

海外で人気の「iPhone」に対抗する機能「TouchFLO」という先進的な独自インターフェイスを採用することで、タッチパネルを片手の指だけで操作することが可能となり、ほかのスマートフォンと一線を画す魅力を持った端末といえるだろう。

F1100製品情報
株式会社NTTドコモ

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編集部:関口哲司
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