格安スマホと格安SIMの組み合わせは値上げ難民の救世主になるか?セットで19800円の「ZTE Blade Vec 4G」と「OCN モバイル ONE」をレビュー【吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」】


「お買い得」「安物買いの銭失い」、格安スマホはどっち?

スマートフォン(スマホ)の利用料金や機種代金が上昇傾向にある中で、各社の「MVNO」(仮想移動体通信事業者)による月額1,000円以下の「格安SIM」が注目を集めています。さらに、最近ではSIMカード(回線契約)だけではなく、SIMフリーの「格安スマホ」をワンセットにした販売形態も登場してきました。

そんな中でもNTTレゾナントが「goo SimSeller」で販売している「ZTE Blade Vec 4G」と「OCN モバイル ONE」のセットはスマホとSIMカードのセットで19,800円(税込)という価格で話題になっています。

このような格安セットは高い“スマホ代”にあえぐ利用者にとって嬉しい選択肢と言えますが、これだけ安いとさすがに「これ、本当に大丈夫なの?」と疑いたくなってくるのも人情です。そこで、今回の連載「スマホのちょっと深いとこ」では今後数回に渡り、ZTE Blade Vec 4GとOCN モバイル ONEを本気で使い込んで、使い勝手を調査していきたいと思います。まずは初回として、セットに含まれる内容を写真で紹介していきます。

【意外と普通な格安スマホの外観】

ZTE Blade Vec 4GはAndroid 4.4.2(開発コードネーム:KitKat)とクアッドコアCPU、5インチのHD(720×1280ドット)ディスプレイを備えるZTE製のスマホで、今回紹介するOCN モバイル ONEとの組み合わせ以外に、So-netも自社MVNOサービスとセットで販売しています。余分なもののついていないボディーはシンプルという印象は受けるものの、あからさまに安っぽい感じは(個人的には)受けません。背面はカーボン調仕上げになっており、それなりに工夫している印象です。

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背面のカーボン調加工は端末の質感向上に一役

外部接続端子はmicroUSB端子(上部)とヘッドホン端子(下部)。右側面に音量ボタンと電源ボタン、左側面にはSIMカードスロットを備えます。対応するSIMカードのサイズはmicroSIM(3FF)です。

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充電や通信を行うUSBコネクタはボディ上部に
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ボディ下部にはヘッドホン端子
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右側面には上から音量ボタンと電源ボタンが並ぶ
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SIMカードは左側面から挿入。対応サイズはmicroSIM

画面サイズが5インチということで、同じく5インチディスプレイを備える「Nexus 5」とほぼ同じサイズになっています。

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Nexus 5(写真=左)とほぼ同じサイズ

付属品は説明書(クイックスタートガイド、安全のしおり)、保証書、ACアダプター、USBケーブル、SIM取り出しピンが付属します。

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付属品は最低限だが、使い始めるには十分

【IP電話とクラウドストレージがセットになったSIMカード】

一方、格安スマホで通信を行うために必要なSIMカードはOCN モバイル ONEが付属し、Webサイトで初期設定を行ってすぐに使いはじめることができます。

付属するSIMカードはIP電話サービス「050 plus」とクラウドストレージサービス「マイポケットプラス」がセットになっており、初期設定を行うと自動的にこれらのサービスにも申し込みが行われます。050 plusはOCN モバイル ONEとのセット価格で150円/月、マイポケットプラスは月額500円となります(いずれも税別)。最低利用期間は設定されていないので、必要なければ解約することもできます。

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OCN モバイル ONEのSIMカードですぐに使い始められる

料金プランは初期設定時に選択することができます。今回はOCN モバイル ONEで最も特徴的な1日当たり50MB(月額900円)のプランを選択してみました。1日50MBというプランの実用性はこれから評価していきたいと思います。

なお、付属するSIMカードはデータ通信のみ対応で、SMSや音声通話には非対応です。音声通話には050 plusを使ってほしいというのがOCNの提案なのでしょう。

【格安スマホと格安SIMは1台目になるか】

今回はZTE Blade Vec 4GとOCN モバイル ONEのセットについて、主に外観やセット内容を紹介してきました。これからこのセットを可能な限り1台目として試していき

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