LINE、LINE電話における電話番号偽装に対して「第三者による悪用は極めて困難」と説明!問題があった場合は個別対応に?



LINE電話における電話番号偽装に対して「第三者による悪用は極めて困難」と説明!

LINE Corp.は28日、同社が無料通話・無料メールサービスとして展開する「LINE(ライン)」において今月17日にAndroid版を先行提供開始した一般の固定電話や携帯電話に電話をかけられるIP電話サービス「LINE電話/LINE Call」( http://line.me/ja/call )について番号通知の仕組みを利用して番号偽装できることについて説明を公式ブログにて公開しています。

それによると、LINE電話は現状SMS認証を行ったアカウントのみで利用できるようになっており、SMS認証を利用しているため本来の電話番号の持ち主に気づかれずに、第3者が電話番号をなりすましたり、偽装をして悪用をする可能性および発生の頻度は極めて低く、現実的には極めて困難だという認識だということです。また、もちろん架空の電話番号を登録して利用することもできないとのこと。

ただし、現段階でも悪用されるリスクは非常に低いとしながらも、今後も引き続きユーザーの利用動向を見ながらさらなる技術的対応策についても検討していくとしています。

なお、個別の対応内容およびその方針については、セキュリティー上の理由により公開を控え、電話番号偽装問題に限らず、LINEなどを利用した犯罪への対応について、警察などの公的機関からの正当な要請に応じて、適宜行っているということです。

LINE電話の仕組みについては当ブログメディア「S-MAX(エスマックス)」でも連載「吉川英一の「スマホのちょっと深いとこ」」にて「普通の電話と仕組みはどう違う?LINEから固定電話や携帯電話へ通話ができる「LINE電話」の裏側を通信内容から探る」で紹介していましたが、これとは別に電話番号の偽装ができることが各所で指摘されていました。

指摘されているのは、例えば、スマートフォンを「機種1」と「機種2」という2台持っているユーザーが機種2にLINEをインストールし、機種1の電話番号を入力してSMS認証のワンタイムパスワードを得て機種2で登録すると、機種2のLINE電話から発信した場合でも発信者番号通知には機種1の番号が通知されてしまうというもの。

これにより、悪意のあるユーザーが機種1を他人名義のものを一時的に借りたり、解約してしまっている場合など、LINE電話を犯罪行為に悪用するなどのリスクがあるのではないかといったことになります。

今回、同社ではこれらの指摘に対する公式見解を掲載。同社ではLINE電話の提供開始直後より多くのユーザーに利用されており、LINEを使っていない家族への電話や飲食店の予約電話をする際に役立ったなどの感想が寄せられる中で、「LINE電話の番号通知の仕組みを利用して番号偽装を行い、利用者本人になりかわって悪用される恐れがあるのではないか?」という懸念の声が一部で出ていることを把握しているとのこと。

それによって、不安に感じている人もいると思われ、改めて説明するとして以下のような説明を行っています。
◯番号偽装が出来るのでは?という懸念
SIMカードを差し替える事で、番号を偽造する手法があるのではないかというご意見がございますが、実際には、本来の電話番号の持ち主に気づかれずに、第3者が電話番号をなりすましたり、偽装をし、悪用をする可能性・発生の頻度は極めて低く、現実的には極めて困難だと考えられます。

LINEは、1つの電話番号につき、1つの端末の認証ができる制度を採用しており、本人の電話番号として入力された番号に、LINE側からSMS発信を行い、それを受信して内容(暗証番号)を確認した後、利用・設定が可能となります。(以下、SMS認証といいます)

既にSMS認証されているアカウントをSIMカードの差し替え等によって、他の端末でログインした場合、もとの端末ではLINEおよび「LINE電話」が再度SMS認証されるまで利用できなくなります。そのため、通常の利用では発生しませんが、万が一、故意や悪意のある第3者によって自分のアカウントがログインされた場合や、電話番号をなりすまされた場合は、もとの端末を保持している本人のLINEが利用できなくなるため、全く誰にも気づかれずに悪用され続ける可能性は非常に低いです。なお、現時点で日本国内ではLINEユーザーの9割以上の方が既に電話番号によるSMS認証を行っており、国内のユーザー数は5000万人を超えております。

認証のために電話番号を入力する際、故意や悪意を持って第3者の電話番号や、他の端末の電話番号を入力するなどして、仮にその端末の電話番号と異なる番号の場合でも、SMS認証は、入力した電話番号の端末に届きます。そのため、本人と全く関連のない第3者の任意の番号を利用して身元を偽装することは、道端に落ちていた携帯電話を拾って犯罪利用するような非常に限定的な状況だと想定しています。

したがって、1つの携帯番号を複数端末で同時利用することが出来ない仕組みを構築しており、第3者が本人に気づかれずに認証済み電話番号を登録して「LINE電話」を利用することは非常に発生しづらい状況であると考えています。また、架空の電話番号を登録して利用することは、もちろんできません。

なお、このSMS認証による仕様は、大手グローバルメッセンジャー各社が提供するIP電話アプリにて採用されている、国際的にも標準な仕様です。
また、「LINE電話」は、「コールバックシステム」と呼ばれる仕組みとは違い、IP電話の仕組みを活用しています。そのため、コールバックシステムを悪用し偽の発信者番号を表示させて振り込め詐欺をするようなことも不可能です。

◯「LINE電話」番号通知機能についてのLINEの見解
番号通知機能は一般の電話はもちろん、他の大手グローバルメッセンジャーでも広く使われている世界標準のサービスであり、ユーザーの皆様にとって価値が大きいことから標準機能としての搭載を決定いたしました。また、番号非通知による犯罪利用を抑制する効果もあると考えております。

◯番号偽装に対するLINEの対策
現段階でも悪用されるリスクは非常に低いと考えていますが、今後も引き続きユーザーの皆様の利用動向を見ながら、更なる技術的対応策についても検討してまいります。

なお、個別の対応内容及びその方針については、セキュリティ上の理由により公開を控えさせていただきますが、本件に限らず、弊社は犯罪への対応に関しては、警察などの公的機関からの正当な要請に応じて、適宜行っております。


このように第3者による悪用は極めて困難だという説明となっています。確かに他人名義や解約後の問題については可能性としては低いと考えられることながら、事象としては偽装可能であるためこれらについては個別対応となるのでしょうか。今後の動向にも注視したいところです。

記事執筆:S-MAX編集部


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「LINE電話」の仕組みに関するご説明 : LINE公式ブログ

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