高速高耐久な2800MHzメモリーキット「HyperX PREDATOR」その性能に迫る!




高性能と手ごろな価格を高次元で両立したKingstonの爆速SSD「HyperX」の高速性を検証」でも紹介しているように、メモリーメーカーであるKingstonことKingston Technologyの「HyperX」シリーズは、高性能を優先するユーザー向けのブランドに位置づけられている。

HyperXシリーズは、それぞれ用途ごとにラインアップが分かれていて、そしてさらにそのラインアップにはそれぞれブランドが与えられており、たとえばHyperXシリーズのPC向けメインメモリー(DDR3 SDRAM)は、用途ごとにそれぞれ「BLU」ブランド、「GENESIS」ブランド、「PREDATOR」ブランドに分かれている。

さらにその中で3〜4種類に分かれるといった細かい製品構成をしている。このHyperXシリーズの基本的な性格である「高性能優先」はそのままで、さらにユーザーが必要とするポイント、たとえば「信頼性」だったり、「さらなる極限までの性能」だったり、といった具合にいくつかのポイントを組み合わせることで適切な製品選択ができるようになっているのだ。

今回、HyperXシリーズのPC向けメインメモリー「PREDATOR」シリーズでオーバークロック動作にも耐える高性能かつ高耐久なメモリーモジュールを搭載した2800MHzのメモリーキット「KHX28C12T2K2/8X」を入手できたのでここで紹介しよう。

■BIOSでのオーバークロック「Intel XMP」に対応
今回の2800MHzメモリーキットは、現在市販されているKingstonのメモリーの中では最上位の製品だ。高速駆動が余裕であることに加え、精悍なデザインの中に性能を高めるためのテクノロジーがギュッと詰まっている。このメモリーモジュールは見ただけでスタイリッシュさを感じさせるが、それは同時に一般的なメモリーと一線を画す製品であることの主張にほかならない。高クロック動作で高耐久なKHX28C12T2K2/8Xへの期待が高まる。
「HyperX」のパッケージ。2枚1組となっている。


本製品はIntel XMP(eXtreme Memory Profile)に対応しているので、この機能をBIOS設定で有効にするだけで性能を引き出すことが可能になっている。本製品を使用すれば、オーバークロックを手動で調整する必要がなく、BIOSでプロファイルを選択するだけで、簡単にオーバークロックすることができる。もちろん現在市販されている様々なメーカー製マザーボードを使ったテストおよび検証を実施しているので、自分が使っているマザーボードでも、XMP対応であれば利用できると考えていいだろう。

それではまずは、気になるメモリー本体を見ていこう。メモリーに装着された大型のヒートシンクは、「HyperX」を意味する「X」が誇らしげにあしらわれており、スタイリッシュさだけでなく精悍さを醸し出している。PC内部に装着するメモリーモジュールは、通常は見えるものではないが、このモジュールはひと目で「そこらのメモリーモジュールとは違う」と理解できるデザインだと言える。
「HyperX」の「X」がカッコイイ!


ヒートシンクのない普通のメモリーモジュールと並べてみるだけで、その違いが容易に理解できるだろう。このヒートシンクはインパクトを出すためのものではなく、高クロック動作時のモジュールの発熱を効率よく放熱して安定動作を確保するためだ。もちろん通常クロックでの動作時も、このヒートシンクがあることで、安定動作につながっている。
上がHyperX Predatorで下が普通のメモリー。違いは一目瞭然だ。

放熱効果を高めるための切り欠きやフィンが多数設けられている。

メモリーの倍近いヒートシンクで放熱対策も万全だ。


■ベンチマークでメモリー性能をチェック
ここからは、実際にKHX28C12T2K2/8Xを装着すると、一般的なメモリーとどういった違いが出るのかを、ベンチマークテストを使ってチェックしてみることにしよう。その前にメモリーの内部情報を知るためにシステム情報を表示してくれる「CPU-Z」を使用して情報を表示してみた。

本製品は2つのプロファイルが用意されている。1つ目のプロファイルは「Profile 1: 2800MHz, 12-14-14, 1.65V」というものだ。1400MHzの倍速駆動でCASレイテンシー(CL)が12-14-14、動作電圧が1.65Vというもの、もう1つが「Profile 2: 2666MHz, 11-13-13, 1.65V」で1333.3MHzの倍速駆動、CASレイテンシーが11-13-13、動作電圧が1.65Vというものである。ただ、CPU-ZではXMP 2800MHz時にCASレイテンシーが13-16-16となっており、実際のスペックと比べてタイミングが異なっている。こちらを信用したほうがいいかもしれない。
「CPU-Z」を見るとXMP 2800MHz時のCLが公式スペックとは異なっている。


筆者のシステム環境では、メモリークロック2800MHzの設定はシステムが起動せず、2133MHzは問題なく動作した。ここら辺の相性は、マザーボードに大きく依存しそうだ。
XMPを有効にすると、メモリー周波数を設定できる。


さて、ベンチマークテストの結果を紹介しよう。テストしたパターンは以下のとおり。
・メモリークロック2133MHz(1066.5MHz×2)
・XMP無効通常設定
・通常のDDR 3 SDRAM




利用したベンチマークテストはFuturemarkのPC Mark VantageとCrystalMarkのメモリーテストである。結果は見てもらえるとわかるが、PC Mark Vantageでのスコアの差は微小だが、CrystalMarkのスコアは20%ほどアップしている。特別なことはBIOS設定でXMPを変えるだけで、これだけの違いが出るというのは驚きだ。当然、その品質と性能は折り紙つきであることが理解してもらえたと思う。

以上、ざっくりとだがKHX28C12T2K2/8Xを紹介した。Intel XMPに対応したマザーボードであれば、メモリーをKHX28C12T2K2/8Xに交換するだけで、パソコンのパフォーマンスの向上が期待できる。そして耐久性を考えたデザインのおかげで、一般のメモリーモジュールよりも安定動作そして長持ちといった点に注目するのであれば、オーバークロックを行わない一般ユースでも、おススメの製品と言える。

もちろん自己責任にはなるがオーバークロックに精通している人であれば、手動でBIOSをいじることで、メモリーのパフォーマンスをさらに引き出せる可能性も高いだろう。

Kingston Technology

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