Google Play非対応だっていいじゃない! 選択肢が増え多様化するAndroidタブレット市場 【デジ通】


先日紹介したオンキヨーが本格参入する1万円を切る価格からのAndroidタブレット「SlatePad」は、Google Playに対応していない。

そのためGoogleの認証を受けている一般的なAndroidタブレットとは利用できるサービスが若干異なっている。認証を受けたAndroidタブレットではGoogle Playからアプリなどをインストールすることができる。認証を受けていないとそれができないのだ。

このようにGoogle Playに対応するためにはGoogleに製品を認証してもらう必要があり、時間やコストがかかる。それなら自前でアプリやコンテンツを配布できる仕組みを自社のAndroid端末に組み込んでしまえば認証しなくてもOKになるし、なにより同じスペックなら、少しでも安くユーザーに提供できる。いわゆる「中華タブレット」として出回っているAndroid端末も同等だが、今回のオンキヨーの製品の狙いはどこにあるのだろうか。

前回紹介したように、オンキヨーが投入したAndroidタブレットは「Google Play」ではなく「Tapnow Market」に対応している。アップルのiPadは、iTunes Storeにしか対応していないが、AndroidはGoogle Playだけでなく、いくつかのストアに対応できるのが特徴だ。

TapnowなどGoogle Play以外のストアがある。サムスンも自前でストアを持っているし、AmazonもAndroid端末用にAmazon appsなどを提供している。Android端末ユーザーは好きなマーケットでアプリを選ぶことができる。

しかし、Android向けのアプリは、リリース直後は、まずGoogle Playに登録される。それ以外のマーケットにも同時に登録されるケースもあるが、アプリをなるべく広い範囲に拡販したい意識のある開発者に限られるなどGoogle Playに比べると他のストアに用意されているアプリは少ない。そのため、アプリのトータル数もGoogle Playより少なくなってしまう。

もちろんユーザーにとって、アプリの数は少ないより多い方がいいが、絶対に使いたいと思っているアプリさえ使えるのであれば、あえてGoogle Playに対応していなくても、より購入しやすい低価格のハードウェアを選択したいという割り切った考えができる人ももいるだろう。オンキヨーのタブレットは、そんなユーザーを狙っているわけだ。

同じようにGoogle Play非対応で1万円以下のAndroidタブレットは、秋葉原のショップなどで、いわゆる「中華タブレット」として提供されている。

もしろんわざわざ秋葉原に行ってそういう端末を買うという人は、Google Playに非対応であることをわかった上で購入しているユーザーで、相当コアな層だ。オンキヨーが提供する製品は、そのような個人ユーザーを「中華タブレット選ぶくらいなら、日本メーカーの我々の製品を使ってよ」と感がているわけだ。ただ、あとは、自社開発のアプリを組み込んで営業に回るような、企業の特定用途に利用することを狙った商品とも言える。

企業が自社で使うアプリが動く情報端末として使うなら、一度に数千〜数万と大量に採用されることもあり、アプリが豊富なことなどより、導入時のコストが大変重要になる。

しかもメールやWebブラウズなどの基本的なアプリ対応に加え、その企業で使う特定用途のアプリが動作することが確認できればGoogle Playに対応している必要はない。そうした用途では導入時のコストを下げるため、価格は1円でも安い方が良いわけで、まさにそうした層に向けてオンキヨーの製品はぴったりマッチする。

現在のタブレット市場は拡大し続けており、ユーザーの用途も拡大している。一部の機能がなくても、価格を重視するユーザーは少なくない。Androidをベースにした端末でAmazonのサービスを提供するKindle Fire HDのような製品があるように、オンキヨーのSlatePadのような製品もユーザーの選択肢としてはありだろう。今後はそうしたタブレットがさらに増えて行くかもしれない。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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