ピークシフト機能がさらに進化 パソコンの節電も高機能へ【デジ通】


東日本大震災後、各種電化製品の節電機能が話題になっている。パソコンも同様で、レノボや東芝などが以前から対応していた“ピークシフト機能”に追いつこうと国内メーカーを中心に2011年から採用が始まっている。

ピークシフト機能とは、夏の昼間など電力のピーク時にはAC電源での駆動を自動的に止め、バッテリーで動作させる機能で、充電は電力に余裕のある夜間電力で行うといったことができる。NECの新製品では、従来の手動設定によるピークシフトに加え、電力各社が公表している電力使用量に応じた動作が可能になった。



■ピークシフト機能のありなしで部材の質もわかる
ピークシフト機能を実現するためには、OSの状態などにかかわらず電源の動作を制御する必要がある。このためには、パソコンの内部にある「電源マイコン」による制御が必要だ。これに対応できる電源マイコンは、レノボのThinkPadや東芝の企業向けモデルなどに採用されていたが、実は日本製のノートパソコンの多くは、これに対応できる電源マイコンが搭載されていたのだ。
このため2011年にピークシフト対応機能が各社から登場した際に、いくつかの過去のモデルにさかのぼってピークシフト機能が使えるようなアップデートが行われた。しかし、コストパフォーマンスの高い海外メーカーなどは、使用している電源が非対応だったといったような理由で、この機能に対応できていないモノもあるようだ。
話の本筋からちょっと離れるが、ピークシフト機能のような通常はあまり必要とされない機能に対応しているかどうかは、調達しているパーツが高品質かそうでないかで区分できるので、こうした機能が搭載されているかいないかをチェックすることでもノートパソコンの品質を見極めることができる。

■電力使用量に応じたピークシフト
NECの2012年夏モデルでは、このピークシフト機能をさらに強化し、電力の利用状況に合わせて、動作するような仕組みが追加されている。東日本大震災後、電力各社が直近の電力使用量を公開するようになったが、この使用電力量を自動的にチェックし、AC駆動やバッテリ駆動を自動的に切り替えられるようになった。また、この機能が内蔵されているので、パソコンを使いながらも直近の状況を見て、他の家電機器の電力を抑えるようなことも手軽にできるようになる。

これまでのピークシフト機能では、曜日や時間帯といったパターンに応じて自動的にバッテリー駆動モードへ移行していた。実際にピークシフトが必要ではないケースでもピークシフト動作をしていたわけだ。しかし新しいピークシフト機能では、夏場などで昼間に加えて、夕方から夜にかけて電力のピークになるようなケースでピークシフトが“本当に必要になったとき”のみその機能を使うことができるようになる。また、PC自体に電力量をチェックする機能がついたことで、わざわざ自分でネットで調べることなく、他の機器を含めて、自主的に節電ができるようになる。一台では小さな節電だか何万、何十万台がピークシフトを使ってくれることで大きな節電効果になる。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。


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