au天国は本当だった!KDDI関西支社も直撃 一足早い「大阪(都)vs 東京都」対決


スマホのネット環境を劇的にパワーアップさせる「次世代モバイルブロードバンド」に注目が集まっている。KDDI(au)の「WiMAX」搭載スマホやNTTドコモの「Xi(クロッシィ)」搭載スマホのCMがガンガン流れているので、否応なく耳にした人も多いはずだ。
既にWiMAXやXi対応機種が発売され、その速度もネットに公開されはじめている。

料金がさほど変わらないなら、通信速度は少しでも速いものを使いたいのが人情だ。
しかし、利用できるエリアとなると、人口の多い地域から順に対応されるのが定石とあって、自分が生活するエリアの対応状況が気になるところだ。

筆者の周りでもWiMAXやXi対応スマホを持つ友人や同僚、SNSのフォロワーが増え始めている。その中でも気になるのが、「大阪ではWiMAXが快適!速い!」といった声が多く聞かれたことだ。言われてみると、大阪ではガラケー時代からauの評判が高い、という感覚が筆者のなかに漠然とあるのだ。

これは、この際に長年の疑問を一気に調べてみよう!そんなわけで、「大阪au強し」の検証をすべく、大阪出張の合間を縫って速度計測を実施した。このデータを東京都で計測したデータと比較してみようというわけだ。加えて、KDDI関西支社の営業推進部販売促進グループの糸山新一郎氏に「大阪におけるauの強さ」についても、お伺いしてきた。

■大阪は安定&速い!大阪VS東京の速度対決
通信速度の測定に使うのはアプリ「Speedtest.net」だ。下り速度、上り速度に加えて、通信の反応速度を表すPING値を計測する(低いほどレスポンスが良好)。計測地点は大阪の主要歓楽街のキタ(梅田周辺)とミナミ(心斎橋〜難波間)に加え、大阪市東側の鶴橋、西側海沿いのユニバーサルスタジオジャパン(以下USJ)の4箇所で計測した。

比較する東京は23区内から新宿、渋谷、池袋、神田の4箇所で計測した。

せっかく大阪へ出向いたので、計測したデータと、観光ついでに撮影した写真と一緒にデータを発表していくことにする。

★ミナミ(戎橋)

ミナミのシンボルである戎橋のグリコ前で計測。下り約14Mbps、上り約2Mbpsと、いきなりの爆速!前回の記事でも書いたように、下り1Mbps前後の3G回線と比較すると14倍も高速な値となっている。

★鶴橋(駅近すぎるブックオフ)

一時期ネット上で話題になった「駅近すぎるブックオフ」が存在する鶴橋駅にて計測。ミナミとは異なり屋内での計測だったがこちらも下り10Mbps超えの爆速を維持。

★ユニバーサルスタジオジャパン

日も暮れかけたUSJにて計測。おおっと!なんと下り速度が15Mbpsを超えた!カップルの大群に紛れて黙々とスピードテストを行なっている寂しげな筆者を元気づける驚きの数値だ。

★ヨドバシ梅田

ラストは帰宅ラッシュの真っ最中のヨドバシ梅田前にて計測。下り速度は6.7Mbpsと低めだが、PING値と上り速度はほぼ変わらない。大阪屈指のターミナル駅である梅田だけあって、帰りの電車でケータイを利用する人が増えたことが下り速度に影響したと思われるが、6.7Mbpsと通常利用には全く差し支えない高速通信が可能なことがわかった。

★東京各地のデータ

東京各地でのデータは表でまとめた。時間帯は平日の16〜17時、全てJR山手線の駅ホームと改札口で計測をおこなった。池袋での計測が低調だったのが意外な結果だった。池袋以外でのデータで特徴的だったのは、改札口で計測した速度が爆速なこと。それに反してホームでは軒並み速度を下げた。

速度は場所や時間帯によって変化するので一概には言えないが、山手線は広いホームに比べて、改札口付近に隣接した商業施設などに設置されているWiMAXスポットの影響で、改札口付近の爆速な数値が計測できたと思われる。

東京の数値が低いわけでは決してなかったが、大阪では予想していたよりも快適&爆速な数値が計測できた。

■KDDI関西支社直撃!大阪での好印象は歴史に秘密アリ?
実測値による検証で、大阪のWiMAX回線が速いこと以上に、高い水準で安定して利用できている驚きの結果が、おわかりいただけただろう。それでは大阪、ひいては大阪でauに対する好印象があるのはなぜなのか? KDDIのコンシューマ関西支社営業推進部販売促進グループ糸山新一郎氏にお話を伺った。関西のau契約端末は10月末で600万件を超えるなど好調なようだ。

糸山氏は「確かに、全国的に見ても、関西はauをご利用いただているかたの割合が多い方ですね」という。「大阪のケータイ事業は、もともと『TU-KA』と『関西セルラー』の2社が地域密着型のビジネスモデルでユーザーから定評を得ていました。もしかしたら、そういったところも評価いただいているのかもしれません」と、地域に密着したサービス展開してきたという背景を教えてくれた。

その話を聞いて筆者も「なるほど!」と膝を打った。糸山氏の言った「TU-KA」も「関西セルラー」も現在はKDDI(au)と経営統合してサービスを存続してきた歴史背景がある。糸山氏曰く、ケータイ黎明期にはコンシューマは「キャリアの差」でケータイを選ばず、「地域に根ざしたショップ」を評価する傾向があったとのこと。

つまり、「大阪でau強し!」という評判が筆者の耳に届いたのは、地域密着型で好評だった「TU-KA」と「関西セルラー」に対して、大阪の“現KDDIユーザー”が潜在的な好印象を持っていたことが原因ではないか、ということだ。

■まとめ:東京と大阪の違い
今回の検証と取材でわかった東京と大阪の違いをまとめると以下のようになる

・主要な大阪のスポットでの実測値は東京並みもしくはそれ以上
・東京ほどのラッシュがないため回線が混雑しにくい
・ケータイ黎明期に「TU-KA」と「関西セルラー」が定評を得ていた歴史背景があった
・大阪は東京に比べて、接続できない・速度が極端に低下するといったエリアが少ない

というわけで、「東京以外の都市では、高速通信は使えないんじゃ…」と、不安に思っていた方の疑念は、スッキリ晴れたのではないだろうか。都構想も持ち上がって、期待が高まる大阪だが、筆者もますます大阪が好きになれた、実りのある大阪取材であった。

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