フォー・スクリーン戦略の体制が整った!ソニーがソニエリを完全子会社へ


ソニーとエリクソンは2011年10 月27 日、ソニーがエリクソンの保有するソニー・エリクソンの50%の株式を取得し、携帯電話事業を営むソニー・エリクソンをソニーの100%子会社とすることで合意に至ったと発表した。

今回の取引により、ソニーはユーザーの利便性向上、また事業の成長に向けて、タブレット、テレビ、PC など、ソニーの幅広いネットワーク対応コンスーマー製品群の中にスマートフォンをより迅速に組み込んでいくことが可能になりる。

さらにソニーは、ソニーの全ての製品及びサービスを対象とする広範な知的財産権のクロスライセンス及びワイヤレスモバイル技術に関する5 つの重要特許群もあわせて獲得した。今回の取引に基づき、ソニーからエリクソンに対し、10 億5,000 万ユーロの現金が支払われる。

過去10 年の間に、携帯電話市場の中心は、単純な通話端末からネットワークサービスやコンテンツにもアクセスできる多機能なスマートフォンへと変化してきた。両社はこのような携帯電話の進化、そして市場における重要性を考慮し、合理的な結論として今回の取引に至った。

エリクソンにとっては先駆的な技術及び通信サービスのポートフォリオと、携帯端末事業双方を保有することによるシナジーは低下している。今日におけるエリクソンの重要戦略は、ワイヤレス通信を、電話という形を超えて人々、ビジネス、社会にとって有益なものにしていくことだ。

その一環として、エリクソンとソニーはワイヤレス接続の分野で協力し、様々なプラットフォームを接続するワイヤレス通信の普及を推進し、発展させていこうというもの。


ソニー株式会社 代表執行役 会長 兼 社長 CEO ハワード・ストリンガー氏は、
「今回の取引はソニーにとってもエリクソンにとっても有意義なものであり、そして何よりも、いつ、どこででも好きなコンテンツを楽しみたいというお客様の期待に応えるものとなるはずです。

スマートフォンという成長事業を統合し、同時に、広範なクロスライセンスを含む戦略上大変重要な知的財産権へのアクセスを取得することで、我々が目指す“フォー・スクリーン戦略”の体制が整いました。

ソニーは、スマートフォン、タブレット、ノートPC、テレビなどをシームレスに連携させ、より迅速にまた強いラインナップでお客様に提供しています。これらの製品とソニー自身が運営するネットワークサービスであるプレイステーションネットワークやソニーエンタテインメントネットワークを通じて、新しいオンラインエンタテインメントの世界を開拓していきます。

また、今回の株式取得によって、商品設計、ネットワークサービスの開発、マーケティング活動など多くの事業領域で、商品群を横断した事業の効率性の向上も目指していきます。ソニーは、自らが保有する映画・音楽・ゲームなど全てのコンテンツを、幅広い商品を通してお楽しみいただける環境を、ソニーにしか成し得ない形で広げていきます。」と、コメントしている。


エリクソン社 代表取締役社長兼CEO ハンス・ヴェストベリ氏は、
「両社が10 年前に合弁会社を設立した時には、ソニーのコンスーマー商品に関する知見とエリクソンの通信分野における技術力は、多機能携帯電話(フィーチャーフォン)を開発していくために、最適な組み合わせでした。

今日、当社の保有するソニー・エリクソンの株式をソニーが取得してスマートフォンを幅広いコンスーマー商品群と融合するということも、前回と同様に合理的なステップであると考えています。

一方、私たちは、研究開発の強みと業界随一の特許ポートフォリオを活かし、全てのデバイスに通信機能を持たせることで真につながった世界を実現するという目的に向かって注力していきます。」と、コメントしている。

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