うまいビールが飲みたい!【livedoorHOMME“酒特集” | vol.03】


ビールってどうやって作られているか、ご存知? 各社から発売されているビールには、さまざまなこだわりがある模様。それを知っておくのも、ビールを味わう楽しみのひとってもの。早速、「大人の社会科見学」といこう。

国内ビール生産発祥の地・横浜

訪れたのは、横浜市鶴見区にある「キリン横浜ビアビレッジ」。じつは日本におけるビール作りの歴史は、横浜で始まったとのこと。伝統を守る、由緒正しき工場、といったところか。

さっそく工場の中に脚を踏み入れると、こんな泡の演出がお出迎え。うぅ、自然と喉が鳴ってしまう。

さて、ビールの原料は大きく分けて3つ。二条大麦の麦芽、ホップ、そして水。ちなみにホップに含まれるルプリンという成分が、ビール独特の苦みと香りを生み出しているのだ。なお、キリンではヨーロッパ、北米、オーストラリアなど世界の良質な麦芽を、ホップはチェコ産のファインアロマなどを使用している。

まず水と麦芽、そしてコーンスターチなどの副原料を大きな釜で煮出し、麦芽に含まれるでんぷんを糖化させて、麦汁を作り出す。そういえば工場内には香ばしくも酸っぱい、なにか不思議な匂いが漂っている。これは原料である大麦を煮出したことで生まれる香りだとか。この麦汁をキリンのメイン商品でもある「一番搾り」といい、麦汁を一度とった後にもう一度水をいれて煮出して作った麦汁を「二番搾り」という。その後、麦汁にホップを加え、冷却後、発酵タンクへと移される。
発酵タンクでは麦汁に酵母を加えて、発酵させる。これが最も重要な工程である。酵母が麦汁に含まれる糖分を分解し、アルコールと炭酸ガスを作り出す。つまり、酵母によって発酵させないと、ビールにならないということ。発酵は4日でピークに達し、7日で終了、「若ビール」というものになる。

次は濾過。珪藻土などで若ビールに含まれる酵母や無駄なタンパク質を除去。これによりクリアで美しい黄金色のビールが誕生する。


最後は瓶や缶、お店で出される生ビール用の樽に詰められて、出荷される。ここ横浜ビアビレッジでは、樽は1時間に800〜1200樽、缶は“1分間”に最大2000缶も製造が可能だという。

ちなみに、飲食店で出される生ビール用の樽とコンビニなどで売られている缶ビール、中身は全く同じなのだ。ではどうして生ビールのほうがおいしく感じられるかというと、前回の話にも出た“泡”と“温度”が関係しているのである。缶で直接飲んでしまうと泡のふたがないので炭酸や風味が逃げてしまい、また缶は金属製なのでぬるくなるのが早い。せっかくのうまいビールは、冷えたグラスに泡を作るように注いで飲むのが、ベストなのである。

さてこうした一連の工場での過程、実は一般の人でも見学が可能。見学コースを専属の解説員の方から説明を受けながら、約1時間で回るツアーが用意されているのだ。このツアーの最後には、工場できたてのビールをタダでいただけちゃう特典付き。お酒が飲めない方や子供たちにもキリンのジュースを用意しているので、仲間で、家族連れで見学してみてはいかがだろう。

家飲みで実践したい“三度注ぎ”の極意

最後に、キリンおすすめのビールの飲み方をご紹介。工場見学ツアーでも紹介される、「三度注ぎ」といわれるこの注ぎ方、家でもカンタンにできるので、ぜひ実践を!

1、はじめはゆっくり、途中から勢いよく注ぎ、泡を作る

ビールの泡は酸化や炭酸ガスが逃げることを防ぐなど、ビールにとって非常に重要な役割を担っている。ここでしっかりと泡を作ることで、このあと注ぐビールが空気に触れにくくすることができる。また、高い位置から勢いよく注ぐことで、クリーミーな泡を作ることができるのだ。注いだ後は泡が落ち着くまで1分ほど待機。

2、二度目は泡がグラスの縁から1cmほど盛り上がるまで

泡が落ち着いたら、2度目を注ぐ。この時は勢いをつけ過ぎず、かといって静か過ぎず、普通に注いでOK。グラスの縁から泡が1cmほど盛り上がるまで注げば、第二段階終了。ここでも泡が落ち着くまで、1分ほど待機。

3、最後に静かに注ぎ、泡が縁から1.5cmほど盛り上げ、仕上げる

最後は残りのビールを静かに注ぎ、泡がグラスの縁から1.5cmほど盛り上げて完成。泡とビールが3:7になるのが理想。この「三度注ぎ」をすると、きめの細かい、クリーム状の泡を作ることができるのだ。ご覧の通り、傾けても崩れない、しっかりとした泡の完成! それにより最後まで泡が残り、おいしいビールが飲めるってワケ。ぜひ実践してみよう!


■キリン横浜ビアビレッジ【オフィシャルサイト
〒230-8628
横浜市鶴見区生麦1-17-1 キリンビール(株) 横浜工場内 
キリン横浜ビアビレッジ
工場見学のお問い合わせ TEL:045-503-8250

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