インタビュー:忽那汐里「男性の涙というのは、とても特別なもの」


2006年、第11回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞に選ばれてから、『半分の月がのぼる空』『BECK』などの映画や、TVドラマ、CMなど、幅広く活動をするオーストラリア出身の女優、忽那汐里。今回、彼女が出演した『マイ・バック・ページ』は、騒乱の60年代末、若きジャーナリストが学生運動の幹部と知り合い、自衛官殺害事件に巻き込まれていく姿を描く、実在の事件を基にした映画である。学生運動という現在18歳の少女には想像がつかないだろう題材に対して、どのように取り組んだのかその本音を聞いてみた。

――今回の役どころを簡単に教えていただけますか?

忽那汐里(以下、忽那):「週刊東都」という週刊誌の表紙に毎回起用されているモデルさんです。主人公の週刊東都の記者をしている沢田(妻夫木聡)と、たまたま編集部で出会い、それから何度か絡んでいきます。

――今回、映画の要素の一つが学生運動についてですが、学生運動については御存知でしたか?

忽那:最初に「学生運動の話なんだけど・・・」とマネージャーから聞いたんですけど、「学生運動」っていう言葉を聞いてもイメージが浮かばないような世代なんですよ。

――そうですよね、見たこともないですよね(笑)。出演に際して、学生運動について何か勉強はされましたか?

忽那:経験とまではいかなくても、時代背景を知識として知っておくように、頂いたたくさんの資料を見ました。すごく特徴的な時代で、その中でも学生運動が1番大きかった時代だと思いました。ただ、監督がおっしゃっていたんですけど、「時代に翻弄されたくない」というのが一つのテーマでしたので、頭には置きながらもそれに「染まらないように」という感覚で取り組みました。

――忽那さんが、染まってしまって学生運動を始めるようになったら大変ですね(笑)。学生運動をはじめとした難しいテーマを扱うこの映画に、出演することが決まった時は、どう思われましたか?

忽那:この作品は、オーディションだったんですけれども、出演が決まった時は、すごく嬉しかったです。山下監督が憧れの監督だったんですよ。オーディションを受けられるということ自体もすごく困難なことだと思っていましたので、このとても大切な役どころに決まった時には素直に嬉しいという感情でした。

――監督のどんなところに憧れていたのですか?

忽那:やっぱり作品ですね。『リンダリンダリンダ』が大好きです。

――憧れていた監督に実際に会ってみていかがでしたか?

忽那:会う前は、単純に、映画好きの人から愛されている作品を生み出している監督なので、とても怖いのではという印象を強く持っていました。でも、オーディションの時にプロデューサーさんや脚本家の方が何名か一列に並ばれていた中で、「まさかこの人が監督?」って方がそうだったんですよ(笑)。ものすごく見た目も穏やかで、和みやすい方なんですよね。

――オーディションの雰囲気はいかがでしたか?

忽那:今回のオーディションは、特に時代背景を重視していて、その時代にそぐわない様なルックスですとか、ちょっとした醸し出す雰囲気というものを、多分、すごく見られていたのではと思っています。そういう意味で結構たくさん質問をされた覚えもありましたし、オーディションをしていく中で、予定になかった台本を読んだりもしましたね。

――自分が選ばれた決め手は何だったと思いますか?

忽那:オーディションは、嫌いな方じゃないんです。そういう意味で、ガチガチになったり、緊張して口篭っちゃったりすることがなくて、割と自由な面持ちで受けているんですよね。それがこの役の雰囲気とたまたま合っていたんじゃないかと思います。

――今回の役柄である雑誌モデル倉田と、忽那さん自身との共通点はどんなところですか?

忽那:今回の役においては共通点が考えられないんですよね。普段はどうしても演じていく上で、共通点とかそうでないところを感じてしまうものだと思っていたんですけど、彼女は、周りに居る人から孤立した場所に存在しているかのようにオーラを消していて、何にも染まることができないというような感覚だったんですよ。だから共通とか考えることもできなかったんですよね。

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