【スマホ集中連載 第10回】 ″キャリアの動向も気にしていますか?″〜各アプリマーケットのコンテンツや決済、審査などを徹底研究


ライブドアの開発・運営ノウハウを公開する「livedoorディレクターブログ」で「スマホ集中特集」。第10回は、第2回および第3回、第7回、第9回に続いてライブドアのスマートフォングループ ディレクターをしている石野さんの記事となります。

こんにちは、石野です。今日はiPhone / Androidアプリが掲載されるアプリマーケットについて、Apple・Googleそして携帯キャリア各社が運営するものも含めまとめたいと思います。

各コンテンツ、そして課金システムの違いなど気になる方はぜひご確認ください。

(課金に関してはこの数ヶ月で仕組みが大きく変わっています!)

まとめ


最初にまとめ・比較表を出しておきます。
後で各々の説明を行っていきますので、まずはさらっと眺めてください。

アプリマーケット審査アプリ
ダウンロード
会員登録レビューランキング決済
App Store1〜2週間程度App Store上で完結
Android Market公開後 順次Android Market上で完結×
ドコモマーケット数ヶ月程度Android Marketへ××○ キャリア決済選択可(SP決済)
au one Market1〜2週間程度au one Market上で完結キャリア決済(auかんたん決済)
Softbankピックアップ/おすすめ情報Android Marketへ×○ キャリア決済選択可


[Apple] App Store


2008年7月より開始した、Appleが運営するアプリマーケットです。
App Storeの規模感として記載すると、2011年1月時点で35万本ものアプリが公開されているとのことです。



アプリに対するレーティング&レビュー投稿機能があり、また、アプリのダウンロード数を大きく左右するランキングもあります。
iOSアプリを配布・入手できる唯一の場所となっています。

ユーザはApple IDを設定しておき、アプリをダウンロードします。
有料アプリの購入にあたっては、クレジットカードの登録が必要です。
[訂正]
有料アプリの購入にあたっては、基本的にはクレジットカードが必要です。が、無くても「iTunesカード」と呼ばれるプリペイドカードを利用することができ、クレジットカードを持てないユーザにも門戸を開いています。

◆有料アプリ販売にあたっての注意点

アプリの価格を決める際は、予め決められている販売価格表から“選択”するという仕組みになっています。(Price Tier)
Freeを選択すれば(もちろん)無料、Tier1で115円、Tier2で230円、Tier85で115,000円アプリ、といった具合です。
また、アメリカではTier1は$0.99と、海外においても同様に設定されています。

これは、App Store内の為替レートは一定であることを意味しています。(実際の為替レートとは開きがあります。)

◆その他特徴

Androidアプリに無いものだと、アプリ紹介によるアフィリエイトが存在します。
iTunesアフィリエイトプログラム

また「Gift This App」という、有料アプリを誰かにプレゼントすることもできます。(プレゼントする側に課金されます。)
どちらも興味があれば、ぜひ確認ください。

[Google] Android Market


2008年10月より開始、Googleが運営するアプリマーケットです。
公開アプリ数は2011年2月時点での報道・Google CEOのコメントによると、15万本とのことです(実際はもっと多く、25万超の可能性もアリ)。
昨年10月の時点で10万本の報道がありましたから急加速している様が分かります。

am

特徴(?)として、ランキングがありません。アプリの表示順に関するアルゴリズムは不明であるため、アプリダウンロード数を伸ばすためにはプロモーション方法を考える必要があります。

App Storeと同様に、レーティング&レビュー投稿機能はあります。

ユーザはGoogleアカウントを設定しておき、アプリをダウンロードします。
購入にあたってはGoogle Checkoutを通じてクレジットカードで支払います。

審査については割愛します。App Store含め詳細はiPhoneとAndroidを比較した第2回の記事の「レベル3: アプリ編」を参照ください。



ここからは国内携帯キャリアが運営するマーケット / Webサイトについて紹介していきたいと思います。

[docomo] ドコモマーケット


2010年4月開始、docomoが運営するポータルサイトです。

dcm

「お出かけの際に役立つコンテンツ」など特集ページが用意されており独自のAndroidアプリ ピックアップが行われています。
その他にも天気情報やニュース記事が並んでおり、アプリ以外の要素が多いです。
アプリの紹介も最終的にはAndroid Marketへのリンクになっており、そちらでダウンロードさせる仕組みになっています。

ランキングやレビューなどの要素はありません。
掲載にあたっては審査があります(数ヶ月程度)。アプリ掲載本数としては数百という規模です。

◆決済

最終的にはAndroid Marketでアプリを購入するため、ドコモマーケットにおける決済はありません。が、先日Google Checkoutにキャリア決済(SP決済)が対応しましたので、ユーザはAndroid Marketでアプリ購入する際に、クレジットカードではなくdocomoからの料金請求のタイミングに上乗せすることができるようになりました。(ただし全機種ではありません。)

参考: spモードのコンテンツ決済サービスがAndroidマーケットでご利用いただけるようになりました - NTTドコモ"2011/3/31〜"

[KDDI] au one Market


2010年6月開始、KDDIが運営するアプリマーケットです。

au_sp

ドコモマーケットとの違いは、au one Market上でアプリをダウンロードできることです。
ランキングもあります。
また、掲載にあたっては審査があります(1〜2週間程度)。ラインナップされているアプリは数千程度あります。

◆決済

au one Marketでのアプリの購入代金は“ケータイ料金”と一緒にキャリア決済(auかんたん決済)で行えます。
またdocomoと同様にGoogle Checkoutにキャリア決済が最近対応したため、Android Market上で購入したアプリもキャリア決済を利用することが可能です。(ただし全機種ではありません。)
参考: 「Android マーケット」への「auかんたん決済」提供開始について - KDDI株式会社"2011/3/31以降 順次"

[Softbank] Softbankピックアップ / おすすめアプリ情報


docomo・auがAndroid Marketとは別軸での展開をしているのに対して、Softbankピックアップはテイストが違います。
2010年11月からAndroid Market内に登場した、アプリ紹介枠です。「Android Marketをより便利に」をコンセプトにしています。

fig_app_recommend

Android Marketの、通常は「マイアプリ」となっているメニューが、ソフトバンク端末でアクセスした際に「softbank」へと切り替わっています。

おすすめアプリ情報はソフトバンクが運営するWebサイトで、Yahoo!トップページからリンクされています。こちらもソフトバンク端末でしかリンクは表示されません。

sb_app

特集やランキングなどコンテンツも多くあります。
ただ、どちらもダウンロードはAndroid Marketから行います。
また、アプリ掲載にあたっての申請フローは明示されていないようです。掲載本数は数十となっています。

◆決済

Google Checkoutと、それに対応しているキャリア決済が選択可能です。



もう一度、冒頭の比較表を見直してみてください。各アプリマーケットの現状を把握できたでしょうか。

Androidのアプリマーケットについては、今回紹介していないものが実はまだまだ存在しています。
BIGLOBEが運営するandronavi(アンドロナビ)や、Amazon Appstoreなどです。まだ開始間もないですがAmazon Appstoreは非常にユニークで、Amazon側がアプリ販売価格を調整(ディスカウント)することができるという面白さがあります。
今後も“乱立”が続くのか注目ですが、また状況が変わってきましたらまとめてみたいと思います。


ライブドアではスマートフォン事業に力を入れています。
アプリ開発・サービス企画、挑戦できる環境を用意していますのでご応募お待ちしております。




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記事執筆:livedoor ディレクターブログ


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