前代未聞の2画面タッチ!近未来ノートPCでシェア拡大を狙うエイサーの戦略が見えた【ITフラッシュバック】


日本エイサーは、日本市場でのシェアを大きく伸ばすべく、強力なノートパソコンを投入する。スマートフォンやゲーム機でお馴染みのタッチパネルは、「iPad」をはじめとした電子書籍向けに、あるいは「libretto W100」のようなモバイルノートPC用として拡大しているが、エイサーはスタンダードサイズのノートパソコン「ICONIA」にタッチスクリーンを搭載してきた。しかも、2画面ともタッチスクリーンという近未来ノートPCを感じさせる豪華な構成だ。エイサーのねらいは、どこにあるのだろうか。

■触らなければ、よさが伝わらない - 日本エイサー 瀬戸氏
今回のエイサーの発表会は、かつてないほど、豪勢なものだった。
発表会では、総理のモノマネをするお笑いタレントのテルさん、前総理のモノマネをするヒヨドリ来留夫(旧芸名:鳩山来留夫)さんが、「円高パソ安、買わせ介入」と円高還元セールのコントを行い、会場を盛り上げた。さらに、エイサーは、タブレットPCに関する調査を行って、発表会時に資料として配った。

会場でも「触らなければ、よさが伝わらない」(日本エイサー 瀬戸和信氏)との言葉どおり、まずは知ってもらって、量販店などで触ってもらわなければならない。このような能動的な行動をユーザーにとってもらうためにも、「ICONIA」のPRには努力を惜しまない様子だったのだ。

■市場調査で発覚!タブレットに不安もあり
「ICONIA」が成功するか失敗するかは、正直なところ、わからない状況だ。
エイサーの調査によると、タブレットPC未保有者の中で購入を希望するユーザーの割合は43.8%とそう低くない。2画面タッチタブレットPCを購入したいも22%もある。

その一方で、タッチスクリーンへの不満も多い。未保有者では54.8%がキーボードレスに不安を感じている。ところが、タブレットPC保有者でも57.3%がキーボードレス入力に不安を感じているという結果となっている。体験したからといって改善するわけではないのだ。

ただし、タッチスクリーンを使い始めて感じた魅力は、52.0%がキーボードレスのタッチ入力と答えている。キーボードレスの不安と魅力が混在しているため、本当に受け入れられるのかどうかが判断しづらいのだろう。

■どこにある?2画面ならではの利点
「ICONIA」は「ビジュアルキーボード」のほかに、タッチスクリーンを生かしたインターフェイス「エイサーリング」を用意している。キー入力が必要ないときには、「エイサーリング」が起動し、SNS、写真、動画、音楽などのコントローラーとしての役割を果たしてくれる。

必要なときにあわせてキーボードとなったり、コントローラーとなったり、2画面全体で表示したりと、いろいろな組み合わせができる。2画面ならではの利便性が、そこにはあるのだ。

ネットブックから始まったエイサーの日本戦略は、モバイルノートへ進み、そして新たにタッチタイプの「ICONIA」を投入することになった。次にはタブレットマシンも控えているので、「ICONIA」の失敗は許されない状況だ。「ICONIA」がユーザーに受け入れられて、新たなニーズの掘り起しができるのか。真価が問われるのはこれからだ。

■「ICONIA」の主な仕様
OS:Windows 7 Home Premium 64bit
液晶:14.0型×2(1366×768、2画面タブレット)
CPU:Core i5
メモリー:4GB DDR3
HDD:640GB(5400rpm、SATA)
グラフィックス:Intel HD
サウンド:Dolby Home Theater v3、スピーカー×2
インターフェイス:USB3.0、Bluetooth 3.0+HS
質量:約2.8kg
バッテリー駆動時間:約3時間
店頭想定価格:14万円前後
発売予定時期:2011年2月以降

日本エイサー

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