Android旋風!魅力的なガラパゴス機能 VS 高い更新性【プロに学ぶ67WS通信】


こんにちは。ロクナナワークショップの佐々木です。
先日行われたドコモの新製品発表会を終えて、各キャリアの冬春製品が出揃いました。

前回と比べて大きく違う部分はやはりスマートフォン、特にAndroidのラインナップでしょうか。それまでAndroidスマートフォンは各キャリアに1〜3種類しかありませんでしたが、今回の冬春モデルでauから4機種、ドコモから5機種、ソフトバンクから6機種が新しく発表され、各社のAndroidに対する本気の度合いが伺えます。

■キャリアはAndroidでどんな戦略を立てている?
各社がいよいよAndroidに本気になったところで、それぞれプロモーションの方法や端末の仕様に違いがみえてきました。

ドコモは他の2社よりかなり早い段階からXperiaやHT-03AでAndroid端末を販売していましたが、広告のキービジュアルとなる部分にはAndroidという文字を一切使っていません。携帯電話ユーザーのスマートフォンに対する敷居を下げて販売しているように伺えます。冬春モデルのOSバージョンは2.1と2.2で製造されており、ガラパゴス機能(おサイフケータイなど日本独自の機能)がついた端末を多く取り扱います。

ドコモと同じようにガラパゴス機能に注力しているのはauで、ワンセグやFelicaなどが搭載されています。しかしプロモーションの仕方はドコモと反対で、キャッチコピーに大きく「アンドロイド」の文字を使ってAndroid=auと印象づけようとしているように感じ取れます。
auオフィシャルサイト

一方ソフトバンクはAndroidの本来の機能を重視したシンプルな端末をメインに取り扱い、全てのバージョンを最新の2.2で揃えて、OSのバージョンアップも即座に対応するとしています。

■多機能か、最新OSか
各キャリアのラインナップを見比べると、ガラパゴス機能を取り入れた端末とそうでない端末があることがわかります。ただ機能だけを比べると、おサイフケータイで買い物ができて、ワンセグが観られて、赤外線通信ができる端末の方がより魅力的に感じますし、実際に使うととても便利です。

しかしスマートフォンに限っては多機能ケータイが必ずしも優れているとは限らないのです。スマートフォンは新しいOSが発表されると、それぞれの端末に合うように最新のOSに調整を加えてからアップデート配信を行ないます。そのため、独自仕様をふんだんに盛り込んだ端末はOSの調整に時間がかかり、アップデート配信が遅れてしまいます。特にAndroidはリリース間隔が短くめまぐるしい成長を続けているため、それが落ち着くまでは独自機能に注力しない方がよいという意見が一般的とされています。

実際にドコモのXperiaはガラパゴス機能は搭載していないものの、独自UIなどの実装で本来のAndroidからかなり改良を加えており、当時の最新バージョンの2.1が発表されてから2ヶ月以上経過していたにもかかわらず1.6で出荷され、「2.1にアップデート予定」の告知とともに発売されました。しかし実際に2.1のアップデートが配信されるのは11月10日となり、それまでの間に2.2が発表され、2.3の発表も目前に控える結果となってしまいました。

2.1の目玉機能のひとつであるマルチタッチはXperiaではハードウェア的にサポートしていなかったためアップデートしても使えるようになりません。いくら販売時で多機能だとしてもOSのアップデートが遅れてしまったりできなかったりということが起こると、さまざまなデメリットが発生してしまいます。

今後発売される冬春モデルでバージョン2.1ですとXperia以上の遅れを取ることになるので、ちょっと考えものかもしれませんね…。

■バージョンで変わる!アプリの動作
Androidの各バージョンの違いについてはWikipediaのAndroid項目(リンク:http://ja.wikipedia.org/wiki/Android)に詳しく記述されています。主に2.1ではマルチタッチ・ HTML5・ライブ壁紙・カメラのデジタルズームやフラッシュのサポートなど、2.2では処理の高速化・Adobe Flash/AIR・テザリングの対応などがあります。

マルチタッチやデジタルズームやAdobe Flash/AIRについてはアプリにも親密に関わる部分なので、特にアプリ開発者の方には気になるところです。せっかくAdobe AIRでiPhoneとAndroidに対応したクロスプラットフォームアプリを作っても、動作できない端末があるのは悲しいですよね。

■高まる需要! Android向けアプリの開発ができるクリエイター
こうして、今後も様々なキャリアから思考錯誤のオリジナル端末が出てくるのは間違いありません。そして、制作業界でどんどん需要が高まるのは、Android向けアプリの開発ができるクリエイター。加速していくマーケットを考えると身につけたい技術です。

ロクナナワークショップでは、2011年1月より「AIR for Android」を使ったAndroid向けアプリの開発講座の開設を予定(近日公開)しています。「AIR for Android」を使うとFlash・ActionScript 3.0を使ってAndroidアプリを開発することが可能になります。


1月から開設予定「Android端末向けアプリ開発講座」紹介映像

今後のAndroidアプリ開発者を目指すクリエイターの方は、今のうちにロクナナワークショップでFlash・ActionScript 3.0講座を受講されてはいかがでしょう?

ロクナナワークショップ
林拓也のActionScript 3.0入門講座

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