メガネ不要!SHARP製の3D液晶スマートフォンが出てくるかも【プロに学ぶ67WS通信】


こんにちは。ロクナナワークショップの佐々木です。

3D映画、3Dテレビ、3Dパソコン、3Dフォトフレーム……。
去年末に公開されたハリウッド映画「アバター」を火付け役に、3D映像が各業界で注目されています。
3Dスマートフォン用の3D液晶(試作)

67WS通信でも4月の記事で、Google Mapをアナグリフ方式の3Dで見ることができたことを取り上げましたが、まだまだ3Dブームは成長を続けているようです。
今回は、注目の新製品に搭載が予定されているSHARP製の3D液晶についての話です。

■3Dスマートフォン!?
SHARPは先日、auから初となるAndroid搭載スマートフォンを発売し、今後もAndroidに力を入れていくとの発表がありましたが、さらに、3D液晶を搭載したスマートフォンを開発中であるということも公表しました!

この端末に搭載される3D液晶には、「視差バリア方式」と呼ばれる技術が使われていて、任天堂の次世代携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」にも採用されると言われており、最大の特徴として裸眼で3D映像を見ることができるという点があります。

エイプリルフールのGoogle Mapで使われた3D映像は「アナグリフ方式」と呼ばれるもので、赤と青の色メガネによってその色で描画された映像をそれぞれ遮断し、左右の目に映る映像に差を作るという古典的な技術です。このアナグリフ方式と比べて、一番大きな違いはやはりメガネの有無だと思いますが、見え方などにも違いがあるのでしょうか?

■「視差バリア方式」とはいったい?
実は視差バリア方式の理論も真新しいものではなく、約100年前に既に考案されていましたが、実用化にこぎ着けたのは2002年のこと。昨今の3Dブームに則って、満を持して注目されています。
視差バリア方式の3D液晶(試作)

人間の目は左右で約65mm離れていますが、その距離があるために左右の目に見える映像に差が生じて、その2つを脳内で瞬時に合成することで距離感を認識しています。

この視差バリア方式では、図のように1枚の映像と視点の間に格子状のフィルターを挟むことによって、左右の目に見える映像に違いを付け、立体に見せる技術です。SHARPの液晶では、従来のTFT液晶とバックライトの間にスイッチ液晶を挟み、立体映像として出力します。
視差バリア方式のイメージ図

視差バリアやアナグリフ以外にも3D技術には様々な種類がありますが、それぞれメリット・デメリットが存在するので、一概にどれがいいとは言いがたいのが現状です。

視差バリア方式では以下のような特徴があります。
・専用メガネが不要
・従来のTFT液晶を利用するため、低コストで生産することが可能
・スイッチ液晶により2Dと3Dを切り替えることが可能
・近距離でないと効果が発揮できない
・3D時は横の解像度が半分になる
これらの特徴を見る限りだと、スマートフォンや携帯ゲーム機と相性がよい液晶になりそうですね。

■iPhone/iPadでも3D映像が体験できる!
特別な液晶などを搭載していないiPhone/iPadでも、傾きセンサーを利用して擬似的に3D映像を作るアプリ「HoloToy」があるみたいです。
iPhoneアプリ「HoloToy」

なんだか不思議な感じですが、思ったよりキレイに立体に見えますね!スマートフォンや3DSがこれくらい綺麗な映像で立体感を再現できたら、革命的な製品になるかもしれません。

まだまだ3Dブームは始まったばかりのように感じます。今後、3Dディスプレイが“普通”となる時代はくるのでしょうか。3Dウェブサイト、3D YouTube、3Dアプリケーション……。想像が膨らみますね。
10年後には、「隣を歩いていた人が実は3D映像だった!」なんて世界になっているかもしれません。

制作者にとっても表現の幅が広がることで可能性が広がります。これからもワクワクするコンテンツを生み出していけるといいですね。3Dとは少し離れてしまいますが、そんな好奇心たっぷりのクリエイターにオススメの講座はこちら「FlashとFunnelで始めるArduino入門講座」

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FlashとFunnelで始めるArduino入門講座
HoloToy - iPhoneアプリ

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