君も宇宙人になれる!3D変身のiPhoneアプリで海外進出に挑戦


顔写真を3Dで動かす独自技術「3Dモーション技術」を利用したiPhoneアプリで、ユーザーの注目を集めてきたモーションポートレートは、本格的な海外進出をねらったiPhoneアプリ「ZombieBooth: Alive in 3D photo(ゾンビブース)」と「PhotoAvatar(フォトアバター)」をリリースした。

これまで国内向けの「PhotoSpeak」や「HourFace」では、ユニークな3D技術でヒットを続けてきた同社だが、海外向けアプリでもヒット作品となるのだどうか。

今回は、後編ということで、「PhotoAvatar」の開発チームにお話しをうかがった。

■いろいろなエイリアンに変身できる「PhotoAvatar」
「PhotoAvatar」は、iPhoneで撮影した顔写真を、まるでハリウッド映画に出てくるような宇宙人の顔(アバター)に変身させることができるiPhoneアプリだ。

動画:いろいろなエイリアンに変身できる「PhotoAvatar」(動画)
いろいろなエイリアンに変身できる「PhotoAvatar」(動画)

●3DのCGにも初挑戦 - 深澤さん
「昔からエイリアンに変身するようなアプリを出したいというアイデアはありました。宇宙人やSFものの映画が好きで、エイリアンのようなものを出したいという構想があったんです。「映画『アバター』との繋がりで紹介されることがあり、メディア露出的には良かったですね。」と、深澤さんは語る。

深澤さんは映画「エイリアン」でデザインを担当したH.R.ギーガー氏のアタマの長いエイリアンが好きで、小さい頃はそのエイリアンをよく描いていたという。今回の「PhotoAvatar」の3体のエイリアンには、そのエイリアンの面影は見られないが、怖いアバターにしていこうという考えがあったという。
とはいえ、怖いエイリアンに偏らないように、女性のようなエイリアンも用意してある。現在のエイリアンは3体だが、バージョンアップでエイリアンの数を増やしていく予定とのこと。

初めて使うツールを用いながら、3DモデルでハイクオリティなCGに仕上げたという。1〜2週間くらいでモデルをつくったそうで、「ツールに慣れながら、自分のイメージをかたちにしていく。それを短期間でやらなければならなかったので、その点がけっこう大変でした。」と、初挑戦はやはり苦労したそうだ。

苦労してリアルに仕上げたものの、宇宙人の合成があまりにリアルになったことで本人と似ていない宇宙人ができてしまうという問題が発生した。そこで、目や口の素材だけを入れ替えて、本人のままで宇宙人の変な動きをさせる地球人擬態モードをあとから追加したという。設定としては、地球に潜伏している宇宙人の擬態モードというコンセプトとのこと。

プロモーション活動について深澤さんは、「PhotoAvatar」を海外で流行らすために海外のiPhoneレビューサイトなど、影響力がありそうな上位30〜40のサイトにプレスリリースや情報をメールで送ったという。密なコミュニケーションをとって信頼関係を築いたサイトで載せてもらったことなどが功を奏し、「PhotoAvatar」の売り上げにも大きく貢献したという。
「PhotoAvatar」について語る、深澤さん

●サーバー側での対処が多かった - 近藤さん
「PhotoAvatar」のプログラミングを担当したのが、「HourFace」と「NullFace」のインタビューでも登場した近藤 亮さんだ。「『HourFace』で培ってきたiPhoneアプリの技術を駆使して、なるべく最短で作ろうとしました。」と、近藤さんは開発当時を振り返る。実は、「PhotoAvatar」では、「HourFace」よりも高解像度の画像を使っているという。

近藤さんは、「iPhoneアプリでは、10MBを超えると、3G回線でのダウンロードができなくなる(WiFiでのダウンロードになる)ので、なるべく10MBで抑えられるようにして、データの圧縮技術を取り入れることになりました。」と、開発時の苦労話を語ってくれた。

モーションポートレート技術では、iPhoneで撮影した写真をサーバーに転送し、サーバーで加工したデータをiPhoneに戻す処理を行っているので、「HourFace」のときには、テレビ番組などで取り上げられると、一時的にサーバーに負荷が掛かりすぎてサービスが止まってしまうことがあった。それだけ反響が大きかったわけだが、「PhotoAvatar」からなるべく通信のやりとりが少ないようにしている。

具体的には、サーバー側で顔が写っているか否かを判断すると、それだけで時間が掛かってしまうので、その処理をiPhone側にまかせた。さらにサーバーを増やした結果、現在はサーバーにアクセスが集中しても、サービスが中断することないという。実際、テレビの番組で取り上げられて、アクセスが集中した場合でもサービスが中断することがなくなったそうだ。
今回は、iPhoneアプリよりも、サーバー側のシステム的に対処したところが多かったそうだ。
「PhotoAvatar」について語る、近藤 亮さん


モーションポートレートは、「PhotoAvatar」からプレスリリースを海外のPR会社に依頼している。そしてAppStoreのコメントを英語だけでなく、ドイツ語とフランス語にも対応した。コピーも、今までは日本語を直訳していたものを使っていたが、現地の人に依頼して作成してもらっているという。iPhoneアプリのローカライズについては、今後の課題だという。

今後の展開は、まずは「ZombieBooth」と「PhotoAvatar」の素材を増やして充実させていくとのこと。夏にあわせて日本の幽霊などを取り上げるのも考えているそうだ。


モーションポートレート株式会社

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