はじける色彩とパッション!日本人の知らないタイがここにある【新-写真空間】


タイは、世界3大スープ トムヤムクンを初めとするスパイシーで美味しい料理や豊かで美しい自然が人気の観光でもある。また、約2ヶ月以上続いた反政府デモにより、タイに進出している日本企業の9割が業務に支障をきたすなど、日本との結びつきが深い国である。

「美しさ」と「危うさ」をあわせもつタイの「今」を写し出すタイ写真界で活躍する4人の写真家による「アジアの写真家たち2010−タイ」が東京銀座リコーフォトギャラリー「RING CUBE」 が公開された。

■噴き上がる個性!日本人が知らないタイ
開催当日の5月26日(水)には、出展作家3名が来日した。今回の写真展では、4人のまったく異なる個性的な写真家により日本人が見たことのない写真を通し、現在のタイの多様性を見せたかったと、マニット・スリワニチプーン氏は語った。
日本人が知らないタイの多様性を見て欲しい


■タイ社会の危うさを象徴し旅するピンク・マン
現在のタイ社会への風刺を写真で表現するマニット・スリワニチプーン氏

マニット・スリワニチプーン氏は、「ピンク・マン」シリーズで世界的にも知られるタイを代表する写真家だ。
ショッピングカートとともにピンクの衣装を身にまとう男を景色の中に写しこむ独特の写真には、現代タイ社会のコンシューマリズム(大量消費社会)への批評が込められている。

また、各地を巡り美しい自然を背景として作品に写し込んでいるのは、昨今のテロリズムにより容易に崩壊してしまう観光ビジネスへの儚さ、危うさも込めているという。テロは、常に身近にあり、テロに対する社会の戸惑いと姿勢を表現している。

マニット・スリワニチプーン氏は、商業写真家からアートフォトグラファーに移行し、現在はタイのカトマンズ
フォトギャラリー(www.kathmandu-bkk.com) を基点に活躍中だ。
Pink Man in Paradise #3

■ケータイにコンドームかぶせて水浴び! まさにポップアートなタイのストリート
爆発する色彩!生の不完全さを通して、今のタイを撮る

http://livedoor.blogimg.jp/itlifehack/imgs/8/d/8d069c15.jpg
ダーオ・ワーシックシリ氏は、バンコクで活躍する商業写真家だが、タイの商業写真はつまらなくなってきていると批判する。デジタル化が進み、レタッチや修正など完璧を目指している商業写真は、ワクワク感が無くなったという。

そこで、ダーオ・ワーシックシリ氏は、今、個人のプロジェクトとしてストリート写真を展開している。
街に出て、そこにある「生(Live)」を撮るというのだ。ストリートでは、不完全だが、この「生」の写真を愛していると、ダーオ・ワーシックシリ氏はいう。

また、ダーオ・ワーシックシリ氏の写真は、強調だれた強烈な色彩が大きな特徴だ。色を強調することで、ポップアートやコミックのようなユーモアのあるテイストが表現できるからだという。
ソンクラーン(水掛祭り)でケータイにコンドームかぶせて電話する人

■タイの美しい自然を愛し、観光を支える写真
タイの自然を愛し、余すところなく撮りきる

ウォラナン・チャッチャワンティパーコーン氏は、絵画的な手法で、タイの豊かな自然を写し出す写真家だ。政府観光局の依頼も受け、タイ全土を旅して美しい景色をファインダーに納めてきた。タイの観光地の写真は、氏の手によるものが多いという。現在でも9割がフィルムを使って撮影されており、現像も自身でおこなっている。

近年は、デジタルカメラのテスト使用や赤外フィルターを利用した写真などの試みも初めているという。

どの作家の作品にも共通して驚かされるのが、色彩の豊かさと力強さだ。様々に変化する社会状況に適応しながらも個性を作品で主張するタイの写真家たちの強さは、今の日本が失ったものなのかもしれない。

「アジアの写真家たち2010−タイ」は、タイを代表する写真家たちのはじける色彩と力強い作品を見られる貴重な写真展だ。


■「アジアの写真家たち2010−タイ」
開催期間:2010年5月26日(水)〜2010年6月6日(日)
     11:00〜20:00 ※最終日は17:00まで
     火曜日休館


アジアの写真家たち2010−タイ−「Thai Photography NOW Part -?」

リコーフォトギャラリー「RING CUBE」

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