通常の3倍速で動かせ!操縦技術やプログラムでバトルだ【真ロボット伝説】


- 第7回ロボプロステーションチャレンジカップ -

2010年3月6日、大阪のヴイストン本社で行われた「第7回ロボプロステーション チャレンジカップ」の模様をお伝えしたい。
今回は、前回の二足歩行ロボットによるバトル競技をご紹介したが、今回は車輪型ロボットやバトル以外の競技を見てみたいと思う。

■通常の3倍速で迫れ! 正確とスピード操縦の覇者をきめる「ナノクラス」
ヴイストンから発売されている「Robovie-nano(ロボビー ナノ)」を使った旗倒し競技の「ナノクラス」だ。

この競技では、チャレンジカップのほかのロボット競技とは異なり、コース内に設置してある障害物を避けながら、中心の旗を先に倒した方の勝ちというルールだ。相手との駆け引きが勝敗を分けるバトル競技とは異なり、正確な操縦と対応の素早さが求められる競技である。

このRobovie-nanoという機体は、パソコンでプログラミングができる本格派二足歩行ロボットでありながら、本体重量がわずか600gと、非常に軽量・コンパクトなロボットだ。
誰にでも組み立てられるキットということもあって、ナノクラスにはベテランからビギナーまで、幅広いユーザーがいるのも特徴だ。速い機体であれば、試合時間が1分にも満たないほどで決着するなど、素早さが求められる展開となった。

このスピード競技を制したのは大阪のベテラン機体「みりん」だ。
「みりん」は、なんと前回のチャレンジカップ・ナノクラスでも優勝をしており、見事に2連覇を果たした。
操縦技術が勝敗を分ける「ナノクラス」

次回からは優勝候補の筆頭にあがることは間違いなく、どのユーザー「みりん」の速度を超えるのか、今後の展開から目が離せそうもない。

■ハードじゃないよ、ソフト(プログラミング)の力で勝て!「Beautoロボコン」
ヴイストンから発売されている学習用教材「Beauto Chaser(ビュート チェーサー)」などを使用したライントレース競技が「Beautoロボコン」だ。

Beauto Chaserをそのまま利用するほか、同社の製品である学習用CPUボード「VS-WRC003」を使った自作機体でも出場ができる。

昨年はこのルールで全国大会も開催されたというから、かなりメジャーな競技となってきている。
ユーザーが多い理由は、C言語のプログラミングに対応した学習用教材であるので授業で使われることが多いからだろう。ほかの競技に比べても学生の参加者が多いのがこの競技の特徴だ。

「ライントレース」といってなめてはいけない。周囲の明るさや床面の微妙な変化、様々な形のコースに対応せねばならず、実際にやってみると、速く走りきるのは一筋縄ではいかないのだ。とても奥が深い競技だといえるだろう。

このBeautoロボコンで勝利を収めたのは、全国大会で2位に入賞した実力ユーザーによる「Tribute(トリビュート)」だ。

Tributeは、高性能を目指した自作機体ではなく、Beuato Chaserをそのままの状態で走らせたマシンなのだそうだ。それにも関わらず、ほかの機体と比べて圧倒的といえるほどの安定した挙動の違いを見せ、プログラミングの重要さを改めて感じさせてくれた。
プログラム(頭脳)3倍速で勝利を勝ち取れ「Beautoロボコン」

2位には、大阪の西野田工科高等学校の学生による「ヒノキ」が入賞し、学生の意地を見せた。ただ、ヒノキのタイムは40秒40と健闘したが、優勝の Tributeは17秒72と、大きな開きがある。学生の皆さんは、今回の結果に満足することなく、さらなる高みを目指していただきたい。

■逆立ちロボットでバランスならお任せ!「Duoクラス」
こちらもヴイストンから発売されている学習用教材「Beauto Balancer Duo(ビュート バランサーデュオ)」を使ったライントレース競技だ。Beauto Balancer Duoは、逆振り子である「倒立振り子」の状態のままで、無線コントロールやライントレースができる学習教材だ。

Duoクラスは、これをライントレースさせ、その走破タイムを競うという、今回が初開催という競技だ。
前述のBeautoロボコンより小振りなコース上を、車輪型ロボットが倒立しながら進んでいく光景は、なかなか可愛らしい。

次回以降の開催では、より難易度の高いコースが予想されるだけに、のんびり見ていられたのは今回だけかも知れない。その意味では幸運だったかも知れない。

Duoクラスの優勝者は、大阪のロボットユーザーによる「ダーティ スノーマン」だった。機体に「手」の外装を付け、「コケても可愛い」というコンセプトの機体だったのだが、意外にも走行性能も高いというオールマイティ性を発揮した。
逆振り子である「倒立振り子」でバランスをとりながら「Beautoロボコン」

■いろいろな面白さがあるロボット競技
二回にわたって「第7回ロボプロステーション チャレンジカップ」の模様をお伝えしたわけだが、最近では、このような二足歩行ロボットの競技会が全国各地で開催されるようになってきた。

二足歩行ロボットには、単に組み立てて動かすだけではなく、このような多彩な競技会に参加するという楽しみ方もある。競技を楽しむだけではなく、会場では様々なユーザーと交流することができるので、新しい情報や発見が得られることも楽しいだろう。

これからもこの連載を通して、素敵なロボットライフをお手伝いしていけたらと思う。


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