ポケットに入る至高の画質 すべてを撮りきるキヤノンPowerShot S90
暗い夜景も、コントラストの高い海岸や日差しも、優しい光が射し込む部屋も、見た通りに撮れるカメラ。歩みを止めないデジタルカメラの進化が、幻に終わると思われた夢を現実のものにしようとしている。
PowerShot S90は、最高峰の一眼レフカメラを作り続けてきたキヤノンが、高品位の画質にこだわりつくしたコンパクトデジタルカメラだ。
■どこまでも小型で使いやすく - 秀逸なコントローラーリング
S90の撮像素子は、1/1.7型CCD・総画素数約1,040万画素、有効画素数は1,000万画素。レンズは、6.0−22.5mm、35mmフィルム換算で28−105mm(F2.0−F4.9)の光学3.8倍ズームを搭載する。 背面の液晶は3.0型TFTカラ−液晶(約46.1万ドット)。ISO感度は80−3200で、ローライトモ−ド時は最高ISO 12800まで可変する。画像処理プロセッサーは定評のある DIGIC 4を搭載している。
それでいて、ボディは幅100.0×高さ58.4×奥行き30.9mm(突起部を除く)、重さは約175g(本体のみ)と、ごく一般のコンパクトデジカメと同サイズ。このサイズであれば、シャツの胸ポケットやジャケットのポケットに入れても違和感なく持ち歩ける。素早くしまえて、撮りたいときには、素早く出してシャッターを切る。小型になったとはいえ、マイクロ一眼クラスのカメラには到底できない芸当だ。
新感覚の「コントローラーリング」が使い勝手を大きく向上 |
また、レンズ周りには、新感覚の「コントローラーリング」が備わった。このリングは、一眼レフカメラのレンズフォーカスや絞りリングを操作する感覚で、ISO感度やシャッター速度、絞り、マニュアルフォーカス時のピント調整ができるという新しい操作感を持つインターフェイスだ。
絞り優先AE時は絞りに、シャッター優先AE時にはシャッター速度に自動で切り替わる。プログラムAE時には、RING FUNC.ボタンでリングの操作をISOやマニュアルフォーカス、ズームなどに切り替えることができる。
RING FUNC.ボタンで機能を変更できる |
これがかなりの優れもの。この辺りが、S90をただのコンパクトデジカメと一線を画すデジカメにしている理由でもある。
■より美しく撮るために - デュアルクリアシステムの滑らかな再現性
PowerShot S90の特徴は画素数だけではない。画素数以上に低ノイズ&美しい画質で撮る範囲を大幅に広げたデュアルクリアシステムも見逃せない。
デュアルクリアシステムとは、キヤノンが新開発した高精細センサーだ。受光面積を約45%拡張してISO 80から3200までの高感度と低ノイズを実現し、キヤノンが誇る映像エンジンDIGIC 4との組み合わせで最大約2段階分のノイズ低減効果を発揮。ハイライトからシャドウに至るまで滑らかに描写できる技術である。つまり、どのようなシーンや被写体でもノイズの少ない美しい写真を目指したカメラといえる。
さらに、デュアルクリアシステムの真骨頂は、暗部にノイズがのって粗い写真になりがちな室内の間接照明のシーンでも、やわらかな明暗差を残しつつノイズを抑えた写真が撮れ、また、明暗差が大きく白飛びや黒つぶれになってしまうことが多い室内から屋外を望むシーンなどでも、滑らかなコントラストと質感を表現できるところだ。
■すべてをオートで美しく撮るために - こだわりのオート
PowerShot S90がこだわったのは画質だけではない。どのように高画質で撮れても、撮影が難しくなっては、多くの人が楽しめるカメラとはいえない。
「こだわりオート」は、青空、逆光、夕景、明るい、暗い、人物、風景、接写などの22のシーンを自動で識別して、最適なモードを設定する。また、子供やペットなどの動く被写体には、連続してピントを合わせる「サーボAF/AE」で露出も連続して調整されるよう進化を遂げている。
その他にも、新たに搭載されたi-コントラストにより、暗部を明るくしたり、白飛びを抑えたり、カメラが自動判断して補正してくれるのだ(補正は撮影後でも可能)。
■いつどこでも美しく撮れるために
PowerShot S90は、明るさが十分にある屋外や日中に美しい写真が撮れるのはもちろんだが、光が足りないシーンでも美しい写真を撮るための技術が注ぎ込まれている。広角側は、通常のコンパクトデジカメよりも明るい開放絞り値F2.0のレンズを搭載し、暗い室内や夜間でも多くの光を採り入れることができる。
開放絞り値F2.0の明るいレンズを搭載 |
また、暗い場所での撮影では、シャッター速度が遅くなり、手ブレが起きやすい。美しい画質を実現するうえでは、手ブレ補正も大きなポイントだろう。PowerShot S90には、振動ジャイロで手ブレを検出し、光学系の一部を平行移動することで手ブレを打ち消す独自の手ブレ補正技術が搭載されている。実にシャッター速度換算で最大4段階分の効果をあげることができるというわけだ。
さらに、ローライトモードを利用すれば、最大ISO 12800までの撮影ができるため、ストロボなしでも、夜間や暗い室内でも撮影ができる(画素数を250万画素に固定)。
■楽しく、簡単に、美しく――。誰もが手にできるカメラへ
現在では、コンパクトデジカメにも高性能・高画質化が進行しており、製品も増えてきた。確かに画質や機能にこだわるユーザーのニーズはある。しかし、必ずしも多くのユーザーがそれだけを求めるわけではない。なぜなら、高価で高機能・高画質なカメラであっても、ユーザーが楽に使いこなせなかったというケースは多々あるからだ。
これまでにない写真の楽しさを手にできるPowerShot S90 |
価格的にも高価格帯のコンパクトデジタルカメラの半分ほどで手に入るPowerShot S90は、これまでにない写真の楽しさを手にできるカメラと言っていいだろう。
■関連リンク
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