厳しい時こそ驚きのある商品!ソーラーでV字回復を目指すシャープ
■SOLAR HYBRIDを育てたい - シャープ 大畠氏
シャープは、携帯電話の市場動向に即応可能な体制を構築すべく、国内向け携帯電話事業と海外向け携帯電話/通信融合端末事業の2つに通信事業を分割した。
海外市場への取り組みでは2008年より中国市場へ本格的な商品展開を開始し、これまでに6機種の端末を市場へ投入している。
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シャープ株式会社 執行役員 通信システム事業本部長 大畠 昌巳氏 |
景気が低迷する時期に保守的な商品開発を行っていては製品の差別化が難しく技術も停滞しやすいことから、シャープでは1973年のオイルショック時は液晶電卓、1991年のバブル崩壊時にはビューカム、2001年のITバブル崩壊時にはAQUOSなど、景気が厳しいときにこそ驚きのある新しい商品を開発してきた。最近では、手書きやマルチタッチ操作ができる「光センサー液晶パッド」を搭載したノートパソコン「メビウス」もそのひとつだ。
シャープでは、液晶テレビ「AQUOS」やビューカムの技術を携帯電話に取り入れるなど、垂直統合により特徴ある商品を展開してきたが、今年からは環境先進企業としてソーラー技術を活かした新たな需要の創造を目指し、「SOLAR HYBRID」と題したソーラー技術を応用した製品を全社的に展開するという。
NTTドコモとソフトバンクモバイルから販売されるソーラーパネルを搭載した「SOLAR HYBRIDケータイ」が、「SOLAR HYBRID」の第一弾となる。
大畠氏は「このSOLAR HYBRIDで新たな可能性のトビラを開きます。未来につながるブランド・技術としてSOLAR HYBRIDを育てていきたい」と、ソーラー技術を取り入れた製品への意気込みを述べた。
シャープは今後、「SOLAR HYBRID」を筆頭に、需要創造型の商品を国内外へ展開し、通信事業のV字回復を実現するとしている。
■家電と繋がるケータイをデモ - タッチ&トライコーナー
事業説明会とは、別の階に設けられたタッチ&トライコーナーでは、2009年 夏に各キャリアから発売される携帯電話の夏モデル全12機種を取り揃え、自由に触ることができた。
数ある新端末の中でとくに注目の商品は、太陽電池を搭載した「SOLAR HYBRIDケータイ」と、カメラ機能を重視するユーザーへ向けた「AQUOS SHOT」だ。
「AQUOS SHOT」は、10メガのCCDカメラや高輝度LEDフラッシュにより高画質を追求したカメラケータイ。夜景も撮れるISO12800相当の高感度撮影に加え、明るく照らして適正露出で撮影ができるようになった。さらにシャッターボタンを押してから被写体にピントを合わせて撮影するまでの時間が最大40%も短縮され、シャッターチャンスに強くなっている。
「SOLAR HYBRIDケータイ」は、外出中に携帯電話の電池切れになったことがあるというユーザーが多いことから開発されたソーラーケータイ。1時間の充電で約6分の連続通話ができる。
このほか、家で録画したテレビ番組を携帯電話に転送して外出先で楽しめる「ブルーレイ連携」や、携帯電話で得たドライブ情報をカーナビに転送して目的地を設定できる「カーナビ連携」など、携帯電話とデジタル家電を組み合わせたデモンストレーションも展示された。
■シャープ株式会社