PCもケータイも不要!インターネットはMID時代へ?【最新ハイテク講座】
・通信関連業実態調査:報告書(世帯編) - 総務省情報通信政策局
これほどまでに急速にインターネットが世の中に広まったのは、ネットブックやiPhone 3G、携帯電話などに代表されるインターネットが使えるモバイル機器の普及によるところが大きいが、今、さらなる新たな展開が始まろうとしている。
ウィルコムは2009年4月15日、システム手帳に入る薄型MID「WILLCOM NS」を発表したのだ。
この「WILLCOM NS」は、パソコンでも、携帯電話でもない。
では一体「MID」とは、いったいなんなのだろうか?
今回は、謎に包まれたデバイス「MID」にフォーカスしてみた。
■「MID」ってなんだ?
MIDとは、「Mobile Internet Device」の略称で、インテルが提唱するモバイルコンピューティングのためのインターネット端末だ。
MIDはパソコンと携帯電話の中間的なデバイスで、通信機能によりインターネットへのアクセスを提供してくれる。
■携帯しやすく互換性がいいMID
携帯電話とパソコンでは、ハードウェアが大きく異なる。特殊なアプリケーションを使わない限り、携帯電話でパソコンのサイトを正しく表示はできない。
ネットブックのようなノートPCを持ち歩いていれば、外出先でもPCサイトを簡単に閲覧できるが、電車を待っている時間など、ちょっとした隙間時間にノートPCを開いてサイトを見るのはちょっと難しい。そういうときに役に立つデバイスがMIDだ。
MIDはモバイルでの使用を前提として開発されているので、デバイス自体の大きさがノートPCに比べて小さく、携帯電話並みに携帯性に優れている。しかもパソコンとの親和性が高く、パソコンのサイトをそのまま表示できるわけだ。
■MIDでこれだけ変わる
「WILLCOM NS」が国内初のMIDと思っている人がいるかも知れないが、実はウィルコムが2008年に投入したシャープ製の「WILLCOM D4」が日本市場で登場した初のMIDで、「WILLCOM NS」は東芝初のMIDとなる。
ウィルコムの薄型MID「WILLCOM NS」は、「新しい情報が、いつも手帳の中に」をコンセプトに、パソコン向けのサイトを快適に閲覧すること特化した製品となっている。
本体サイズは約147×80×11mm、重さは約160g(W-SIMを除く)。ネットブックに比べてはるかに小さく軽量なボディに、約4.1インチの液晶画面(480×800ドット)を採用。小型でもストレスなくネットサーフォンができるようになっている。
「WILLCOM NS」では、ウィルコムのW-OAM対応W-SIMによるPHS通信のほかに、内蔵の無線LAN(IEEE802.11b/g準拠)によるデータ通信も可能。無線LANのエリアであれば、高速なネットサーフィンが楽しめるようになっている。
さらに「jiglet」という便利なアプリを搭載しており、メモ帳やスケジューラー、地図検索などのアプリをあとからインストールすることもできる。システム手帳に挟んで持ち歩き、仕事の便利ツールとして活用できるわけだ。
・「WILLCOM NS」 - ウィルコム
■MIDはインターネットの利用スタイルを変えるか
MIDを提唱しているインテルは同社のモバイル戦略において、これまでノートパソコンでの展開を主軸としてきたが、MIDでの利用を考慮したプロセッサの出荷を予定している。
インターネットの世界はパソコンを中心として発展してきたが、MIDが世の中に普及してくればパソコンをしのぐネット端末に成長する可能性を秘めているのだ。
ネットブックや携帯電話が急速に普及したように、MIDが携帯電話のように身近な存在になる日もそう遠い話ではないかもしれない。
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