メインマシンにも使える? ネットブックは進化中【気になるトレンド用語】


最近話題なのが、低価格なミニノートパソコン。3万円台から6万円台と、これまでのノートパソコンの1/3から半額程度で購入できることから2008年のヒット商品となっています。

世界のPC出荷台数、当初の悪い予測を覆す好調ぶり--ネットブックが急成長 - インターネットコム

このミニノートパソコンはネットブックともよばれていますが、ネットブックって単に安くて小型のノートパソコンのことを指すのでしょうか。

今回は、話題のネットブックについてみてみましょう。

■ネットブックとは
ネットブックは、インターネットのサービスを利用するための安価なノートパソコンを指していますが、明確な定義はされていないようです。

■ネットブックの登場と似たプロダクト
ネットブックが話題となったのはインテルが省電力プロセッサ「Atom」を発表してからです。ネットブック以前には、発展途上国の教育支援向けの100ドルPC(OLPC)も存在はしていましたが、一般の家電量販店では提供されてはいませんでした。

このほかにも「Ultra-Mobile PC(UMPC)」とよばれるプロダクトもあります。こちらは、マイクロソフトやインテルなどが提唱した小型モバイルPCで、タッチパネルの採用やキーボードレス筐体などで話題となりましたが、10万円前後という価格から広く一般に普及するには至っていません。

こうした中、2007年10月に台湾のASUSTeK社が6万円を切る「Eee PC」を発表。これが人気をよび、2008年に各社が追随して現在のようになりました。

■ネットブックのハードウェア
ネットブックの魅力は、小型で安価ながらパソコンと同等の互換性のあることです。
つまり、スマートフォンなどの安価なモバイル端末とは異なり、パソコンのアプリケーションやデータをそのまま使える訳です。

●OS(基本ソフト)とCPU
OS(基本ソフト)は、Linix系を選択できる機種もありますが、Windows XP、Windows Vistaが採用されています。

CPUは、Windowsが稼働できるx86系が必要で、インテルの省電力プロセッサ「Atom」が主の搭載されてします。この「Atom」が登場したことが、ネットブックを実現できた大きな要因ともいわれています。

●インターネット接続
インターネット利用が前提としてるため、有線LAN、無線LANを標準搭載しています。また、Bluetoothも内蔵している機種が多いのも特徴です。

●液晶
7インチから10.2インチの液晶(1024×600)を搭載。初期型にくらべて新機種ごとに液晶サイズは大型化しています。デル社の「Inspiron 12」のように12インチ液晶(1240×800)を採用したモデルも登場しています。

●メモリとストレージ
メインのメモリは、1Gバイトが主流でメモリスロットも1スロットの機種が多いのですが、Windows Vista搭載機種には2スロット(最大2Gバイト)の機種も存在します。

ストレージは、ハードディスクが主流ですが、フラッシュメモリ・ソリッドステートドライブ(SSD)を搭載換装できる機種もあります。

●インターフェイス
USB2.0端子のほか、マルチメモリカードリーダー、外部ディスプレイ端子を備える機種が多いほか、WEBカメラを搭載する機種もあります。

●光学ドライブ
DVDドライブなどの光学ドライブは、ほとんどのネットブックが内蔵しておらず、別売りとなります。

■ネットブックのアキレス腱
メインパソコンでも利用できそうなネットブックですが、弱点もあります。
インターネット利用だけを前提として、コストと性能を抑えているため、ハイエンドな性能を要求されるアプリケーションや作業には不向きなことです。

高画質な3D映像が人気なオンラインゲームや3Dアプリケーション、高画質な映像編集など、高速な演算処理を伴う用途では非力さを露呈してしまいます。また搭載される液晶も9から10.2インチ(1024×600)となるため高画質な映像の視聴やビジネスツールを利用するには狭いといえます。
このほか、オプションの大容量バッテリーでで改善できる機種もありますが、標準バッテリーでの稼働が2〜3時間程度と短いのも弱点といえます。

こうした制限はありますがインターネットを主に利用する人にとっては、メインマシンとして利用することも決して現実性のないことはなくなってきています。

進化を続けるネットブックは、2009年にどのような展開をみせるのでしょうか。期待したいところです。


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