処理の馬力が違う!「インテル Core i7 プロセッサー 祭り!」レポート


インテルは2008年12月13日(土)〜14日(日)の2日間、都内 カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店において同社のプロセッサー「Core i7」をアピールするイベント「Intel in Akiba 2008 Winter 〜 インテル Core i7 プロセッサー 祭り!〜」を開催した。

Core i7は開発コードネーム「Nahalem(ネハーレン)」で呼ばれていたインテルの次世代プロセッサー。2スレッド同時処理が可能な「ハイパースレッディング」といった革新的なアーキテクチャーを備え、高性能なパソコンを手軽に製作できる。

■Core i7は馬力が良い - インテル 梶原氏
店頭では、「インテル Core i7プロセッサー 体験しよう! その凄さ!!」と題し、インテル 梶原武志氏によるプレゼンテーションがあった。
写真1 Core i7について語る、インテル 梶原武志氏

梶原氏によると、コンシューマー向けのプロセッサーで少し前まで最上位モデルだったCore 2 Extreme QX9770に比べて、Core i7-965 エクストリーム・エディションは性能が40%以上も向上しており、従来のプロセッサーとは比較にならないほどの高速化を期待できる。

Core i7の特徴は大きく4つあげられる。
1.大容量のシステム帯域幅を実現
DDR3 1,066MHzで最大25.6ギガバイト/秒の転送速度を実現する。

2.先進のパワーマネージメント
電源スイッチを統合し、各コア単位で電源オン/オフを管理できる。外部の電源レギュレータよりも急速な電圧変化に対応。コア単位でC6ステートへの移行を可能にし、パワー・マネージメント時に消費電力を限りなくゼロに近い状態にすることができる。

3.ターボ・ブースト・テクノロジー
アプリケーションのスレッド数、CPUの温度や電力など、パソコンのシステム全体の状況をみながら、優れた電力効率のもとに常に最適なパフォーマンスを実現する。

4.ハイパー・スレッディング・テクノロジー
4つのコアで8つのスレッドを同時に処理を行い、性能と電力光栄つのさらなる向上を実現した。
写真2 Core i7のプロセッサー内を示した図写真3 ハイパー・スレッディング・テクノロジーの説明

梶原氏はプレゼンテーションの最後に「Core 2 DuoとCore 2 Quadは馬力の違いでCore 2 Quadが速かったが、ネハーレン(Core i7)はさらにそれを上まわる馬力の良さを発揮している。驚かれると思う」と、Core i7がパワフルなプロセッサーである点を強調した。

なお、ハイエンドのプロセッサーについては、2010年まではLGA1366ソケットを採用し続けるとしている。今すぐにCore i7と一緒にマザーボードを購入しても、プロセッサーをアップグレードするたびにマザーボードが使えなくなるという心配はなさそうだ。


■「Core i7」の魅力があふれる展示会
会場では、Core i7を搭載したパソコンによるデモンストレーションをはじめ、Core i7対応のソフトウェアや周辺機器などが展示され、Core i7の魅力を手軽に堪能できる展示が多く見られた。

・マルチタスク環境下で実力を発揮 - インテル
インテルはCore i7プロセッサー性能でもコーナーを設置。Core i7が同クラスのCore 2 Extremeに比べて動画のエンコードでいかに有利であるかをデモンストレーションで見せた。

「Windows Media Player」で動画を再生させ「Windows Defender」でウイルスチェックをしながら「EDIUS Pro 5」でソースが3分の動画エンコードを行った場合、Core i7はソースと同じ3分程度でエンコードを終えるのに対し、Core 2 Extremeは約10分の時間が掛かった。
写真4 Core i7はハイパー・スレッディングで8コアのプロセッサーに見える写真5 左がCore i7、右がCore 2 Extreme

この時間の差は主にハイパー・スレッディング(HT)の有無で決まっている。Core i7とCore 2 Extremeはいずれも4コアのプロセッサーだが、HTを備えたCore i7は理論上8コアのプロセッサーとして動作する。理論的は2倍の差しか出ないが、「塵も積もれば山となる」の諺のとおり、少しずつ処理の差が広がり、最終的に3倍以上の時間差となって現れた訳だ。


・仮想ディスクドライブの技術を紹介 - アイ・オー・データ機器
メモリーの一部を利用して仮想ディスクドライブ(RAMディスク)を作成するソフト「RamPhantom 3LE」のデモンストレーションを行っていた。「RamPhantom 3LE」はOSで使用できなかったメモリー領域にRAMディスクを作成することができる。
写真6「RamPhantom 3LE」を解説したポップ写真7 仮想ディスクドライブのデモンストレーション

データの転送時間はハードディスクに比べて11倍※高速なので、一時作業ファイルを置くドライブに使用することで、アプリケーションの動作が快適になる。ハードディスクにアクセスしないため、ハードディスクドライブの寿命も延ばすことができる。そのほかにもWebブラウザのキャッシュをRAMディスクに置くことで、一度見たWebサイトを次回に開く際、高速に表示できるなどのメリットがある。
※300メガバイトのデータファイル

なお、本ソフトは同社メモリーモジュールを購入した人の特典として無料でダウンロード提供される。


・歴代のインテルのCPU情報を収集 - zigsow
モノコミュニティサイト「zigsow」では歴代のインテルのCPU情報を集めるという企画「iA Legend」を展開中。1971年に誕生した伝説のプロセッサー4004から最新のCore i7まで、約2,000種類にも及ぶCPUの歴史を振り返ることができる。
写真8「iA Legend」のポップ写真9 特製のTシャツと歴代CPUの樹形図


・Core i7をさらに高速化 - エムエスアイコンピュータージャパン
エムエスアイコンピュータージャパンはCore i7向けのマザーボード「Eclipse SLI」を使用したデモマシンを展示。「Eclipse SLI」は3Way/2Way-SLI/CrossFireXに対応し、サウンドブラスターX-Fi Xtreme Audioチップ搭載PCI-e X1カードを添付。高性能グラフィックスカードを用意すれば、高機能なゲームパソコンを自作できる。

優れた放熱設計によってCore i7のオーバークロック性にも優れ、CPUのコア電圧などの各種設定をWindows上の専用ユーティリティ「GreenPoer Center」から設定が可能。パソコン上級者も満足させる仕様となっている。
写真10 設定ユーティリティ「GreenPower Center」写真11 Core i7向けのマザーボード「Eclipse SLI」


なお、インテルは今後もこういったコンシューマー向けのイベントを開催するとしている。


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