銀座を見渡せるフォトスポット!写真とリコー歴代カメラのある空間「RING CUBE」


高級ブランドショップがひしめく銀座の街に新しい名所ができた。
2008年10月21日、株式会社リコーは都内 銀座の三愛ドリームセンターにフォトギャラリー「RING CUBE(リングキューブ)」をオープンした。
開館時間は午前11時〜20時(火曜日 休館)。入館料は無料。

「RING CUBE」は同社初のフォトギャラリー。展示内容に合わせて演出される円形の写真展示空間「ギャラリーゾーン」に加え、新しい写真表現や楽しみ方を探求する「クリエイティブゾーン」、リコーの新製品や歴代カメラを展示する「カメラゾーン」から構成される。

「RING CUBE」では、既存のギャラリーと異なる試みも開始されている。「RINGCUBE」で開催するイベントの企画をサポーターに開放し、イベント企画を任せてみるというものだ。こうしたユーザー参加型の企画もとりいれることで、よりユーザーに写真を身近に感じて貰おうというわけだ。

■写真文化に貢献したい - リコー 橋本氏
今回は「RING CUBE」の担当者である、株式会社リコー パーソナルマルチメディアカンパニー 企画室 担当部長 兼 CUBE運営リーダー 橋本正則氏に「RINGCUBE」オープンまでの経緯などのお話しをうかがった。
写真1「RNG CUBE」について語る、株式会社リコー 橋本正則氏

編集部:「RING CUBE」を作るに至ったキッカケを教えていただけますか?
橋本氏:リコーは「気軽にカメラを持ち歩き、気軽に撮影した写真をたいせつにして、楽しむ」ことを「Candid Photo文化」と位置づけ、これを支援するための活動を「Candid Photo Project」と名付けています。

デジタルカメラのご提供やいつでも気軽により多くのみなさんに参加していただくフォトコンテストの開催やフォトカレンダーコンテスト等、様々な文化活動支援を行ってきておりました。リアルな写真展を過去3回実施して、お客様に写真を見て頂くことも、我々の「Candid Photo文化」に繋がると実感していたので、フォトギャラリーを常設して写真をより楽しんでいただきたいと考えた訳です。


●銀座にオープンした理由は?
編集部:なぜ、銀座の地を選んだのでしょうか?
橋本氏:その昔は、銀座通りに各社のフォトギャラリーが沢山あったので、ギャラリーとしも憧れの場所、アートやファッションの感度の高いこの地からリコーを広く発信していきたいと思っています。この三愛ドリームセンターは、当社の創業者・市村清が昭和38年に「リコー三愛グループ」のシンボルとして建設したもので、当時は本社もこの近くにあり(青山から2006年にあらためて銀座に本社を移転)当社にとって大きな意味のある場所でもあるので銀座に戻ってきたというのが正しい言い方かもしれません。

編集部:お客様の反響はいかがでしょうか?
橋本氏:「シックでいいギャラリーである」と皆さん、おっしゃっていただいてます。

編集部:どういうお客様が多いですか?
橋本氏:比率的には30代〜40代の男性が多いですが、女性もかなりいますし、カップルで来られるかたもいます。

編集部:ところで、「RING CUBE」の運営はどのようになっているのでしょうか?
橋本氏:人々に写真の楽しみを伝えたいという共通の意志を持ったサポーター集団「doughnuts(ドーナッツ)」を一般公募し、企画提案や展示支援を行う体制をとり入れることで、常に進化し続けるギャラリーを目指しています。


●運営サポーター「doughnuts」を募集
編集部:運営サポーター「doughnuts」のメンバーはどこで募集しているのでしょう

橋本氏:当社の「RING CUBE」のホームページにて随時募集しています。

サポートスタッフ「doughnuts」

編集部:「doughnuts」という名称の由来は?
橋本氏:お客様とお客様、お客様と当社が繋がっていてともに成長していきたいという思いを込めて丸い輪のドーナッツ(doughnuts)としました。また、三愛ドリームセンターの内部構造がリング状になっているので、それにも掛け合わせております。

編集部:ところで、「RING CUBE」は構想から実現までどれぐらい掛かったのでしょうか。
橋本氏:構想をどこから考えるのかで変わってきますが、開設チームで具体的な準備を進めてからここまでは半年です。他社のフォトギャラリーさんにもご相談いたしましたが、1年から1年半は掛かると言われました。それを考えますと、かなり短期間だったと思います。

編集部:これだけのギャラリーを短い期間に作るには、かなりご苦労されたのではないでしょうか。
橋本氏:一般的なフォトギャラリーのように窓をつぶして壁を作り全面を白くする案を作ったのですが、「これではいけない」と三愛ドリームセンターの特徴である真中の一本の支柱によって支えられた総ガラス張りの円筒空間を生かすにはどうしたらよいかという点で、一からすべて考え直したり、図面を書き直したり、いろいろと苦労はありました。

2005年にリコーのデジタルカメラ「GR DIGITAL」の公式ブログ「GR BLOG」を立ち上げておりました。一般的にはブログ専門のライターさんにお願いしますが、「GR BLOG」はリコーのカメラ事業以外の写真が好きな人も参加してもらい手作りでここまでやってきましたので、「RING CUBE」も一般のサポーターのかたを募集するかたちで手作り感覚を生かしたかった訳です。


●リコー歴代カメラと過ごす空間
編集部:なぜ、歴代カメラを展示したのでしょうか?
橋本氏:前々から一般の人に見ていただきたいという思いがありましたが、展示場所がなかったんです。会社の中に展示していましたが、一般のかたが気軽に見られる場所ではありませんでした。

そういう思いがありましたので、「RING CUBE」の中に歴代カメラの展示をしようという考えがあり、最初からレイアウトを検討いたしました。

編集部:カメラがお好きなかたは、かなり喜ばれたのではないでしょうか?
橋本氏:はい。若い頃に給料をはたいて購入したですとか、昔の思い出がよみがえるようだとか、歴代カメラのショーケースの前で思い出話をされる人がおりまして、我々としても非常に嬉しいことだと思っております。

編集部:どれも素晴らしいカメラですが、とくに思い入れのあるカメラはございますか?
橋本氏:今、展示してあるリコーフレックス。それから銀塩のGR1。プラス、これは個人的ですが一眼レフのXR-1/XR-2/XR-500です。XRは当時、私がデザインした製品であり、XR-1の精度・規格をそのまま仕様を一部削減したXR-500は、漫才師のセントルイスがTVコマーシャルをして爆発的に売れました。そういう意味では、一番思い入れがあるカメラです。
写真2「リコーXR-1/XR-2/XR-500」の前に立つ、橋本氏写真3 リコーのデジタル一眼レフカメラ「XR-1」

編集部:当時、他社の一眼レフカメラとはどこが大きく違ったのでしょうか?
橋本氏:XR-500は、一眼レフカメラとしては値段が画期的に安かったのですが、性能的には決して引けをとらずにデザイン性にも優れていた点です。マウントは当時の旭光学(現PENTAX)との友好関係に基づいてアサヒペンタックスの新マウント「Kマウント」と共通規格にさせていただきました。一眼レフマウントの共通化は業界初めてであり大きな話題となりました。カメラ特設コーナーに特別展示も検討中です。

ご存じのように一眼レフというのはレンズ交換ができる訳ですが、世界で初めて2社共通項レンズマウントのボディで、多くの交換レンズが装着でき、シャッターの感触、写りもすごくよかったので、人気が出ました。

二眼レフカメラ「リコーフレックス」のほうも当時の初任給よりも高価ですが、他社の同クラスのカメラと比べて値段は画期的に安くなったのだと思います。

編集部:当時のカメラについてまったく知らないのですが、一般の人が買えないような価格だったのでしょうか。
橋本氏:そうですね。それが一般の人の手に届く値段で発売しましたので大変な人気となったと聞いております。

編集部:最後に今後の展開を教えていただけますか?
橋本氏:ギャラリーの企画を一緒に考えて頂くサポータースタッフのメンバーの方々と共に運営していきたいと考えております。ホームページの中で随時募集していますのでご応募頂き、ぜひ、写真の好きな人や写真展の企画を提案したい方と一緒に新しいギャラリーを実現したいです。

編集部:本日はありがとうございました。

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